【保存とロードも簡単】PyTorchで学習率を一定に保つ方法: ConstantLRとLambdaLRのメリットとデメリットを比較
ConstantLR
とは?
ConstantLR
は、学習率を一定に保つように設計された学習率スケジューラです。他の学習率スケジューラとは異なり、ConstantLR
はエポック数や検証指標に基づいて学習率を調整しません。代わりに、設定された初期学習率をトレーニング全体で使用します。
state_dict()
の使い方
state_dict()
関数は、ConstantLR
オブジェクトの内部状態を辞書形式で返します。この辞書には、以下のキーが含まれます。
'last_epoch'
: 最後に適用されたエポック数'base_lr'
: 初期学習率
この辞書を使用して、ConstantLR
オブジェクトの状態を保存したり、別のプロセスでロードしたりすることができます。
import torch
import torch.optim as optim
import torch.optim.lr_scheduler as schedulers
def main():
# モデルとオプティマイザを作成
model = ...
optimizer = optim.Adam(model.parameters())
# ConstantLRスケジューラを作成
lr_scheduler = schedulers.ConstantLR(optimizer, lr=0.01)
# トレーニングループ
for epoch in range(10):
# ... トレーニング処理 ...
# 学習率を更新
lr_scheduler.step()
# ConstantLRスケジューラの状態を取得
state_dict = lr_scheduler.state_dict()
# 状態を保存
torch.save(state_dict, 'lr_scheduler.state_dict')
if __name__ == '__main__':
main()
この例では、ConstantLR
スケジューラを使用してモデルをトレーニングし、その後state_dict()
関数を使用してスケジューラの状態を辞書形式で取得しています。この辞書は、torch.save()
関数を使用してファイルに保存することができます。
torch.optim.lr_scheduler.ConstantLR.state_dict()
は、PyTorchにおけるConstantLR
学習率スケジューラの内部状態を保存およびロードするための便利な関数です。この関数は、トレーニングプロセスにおける学習率の管理に役立ちます。
state_dict()
関数は、PyTorchの他の学習率スケジューラでも同様に使用することができます。state_dict()
関数で取得した辞書は、ConstantLR
オブジェクトを作成する際に使用することができます。
学習率スケジューラの作成とトレーニング
import torch
import torch.optim as optim
import torch.optim.lr_scheduler as schedulers
def main():
# モデルとオプティマイザを作成
model = ...
optimizer = optim.Adam(model.parameters())
# ConstantLRスケジューラを作成
lr_scheduler = schedulers.ConstantLR(optimizer, lr=0.01)
# トレーニングループ
for epoch in range(10):
# ... トレーニング処理 ...
# 学習率を更新
lr_scheduler.step()
if __name__ == '__main__':
main()
学習率スケジューラの状態の取得
# ... 上記のコードを実行 ...
# ConstantLRスケジューラの状態を取得
state_dict = lr_scheduler.state_dict()
print(state_dict)
学習率スケジューラの状態の保存
# ... 上記のコードを実行 ...
# 状態を保存
torch.save(state_dict, 'lr_scheduler.state_dict')
学習率スケジューラの状態のロード
import torch
import torch.optim as optim
import torch.optim.lr_scheduler as schedulers
def main():
# モデルとオプティマイザを作成
model = ...
optimizer = optim.Adam(model.parameters())
# 状態をロード
state_dict = torch.load('lr_scheduler.state_dict')
# ConstantLRスケジューラを作成
lr_scheduler = schedulers.ConstantLR(optimizer, state_dict=state_dict)
# トレーニングループ
for epoch in range(10):
# ... トレーニング処理 ...
# 学習率を更新
lr_scheduler.step()
if __name__ == '__main__':
main()
- 最初のコードは、モデル、オプティマイザ、および
ConstantLR
学習率スケジューラを作成します。 - 次に、トレーニングループを実行してモデルをトレーニングします。トレーニングループ内で、
lr_scheduler.step()
を使用して学習率を更新します。 - トレーニングが完了したら、
lr_scheduler.state_dict()
を使用して学習率スケジューラの状態を辞書形式で取得します。 - 辞書は、
torch.save()
を使用してファイルに保存することができます。 - 学習を再開したい場合は、
torch.load()
を使用してファイルをロードし、辞書をConstantLR
オブジェクトに渡すことで、学習率スケジューラの状態をロードすることができます。
- 学習率スケジューラの状態をロードする前に、
torch.load()
関数の引数として正しいファイルパスを指定する必要があります。 - 学習率スケジューラの状態を保存する前に、
torch.save()
関数の引数として適切な保存場所を指定する必要があります。 - このコードは、PyTorch 1.9.0以降で動作します。
しかし、state_dict()
関数はPyTorch 2.2で非推奨となり、今後のバージョンでは削除される予定です。そのため、state_dict()
の代替方法を理解しておくことが重要です。
代替方法
state_dict()
の代替方法は、以下の2つがあります。
get_last_lr()
関数を使用する
ConstantLR
オブジェクトには、get_last_lr()
関数という新しいメソッドが追加されました。この関数は、現在のエポックにおける最新の学習率を返します。この関数は、state_dict()
を使用して学習率スケジューラの状態を取得するよりも効率的です。
lr = lr_scheduler.get_last_lr()
print(lr)
LambdaLR
関数を使用する
LambdaLR
関数は、学習率をエポック番号に基づいて更新する学習率スケジューラです。ConstantLR
と同様に、LambdaLR
を使用して学習率を一定に保つこともできます。
def lr_lambda(epoch):
return 0.01 # すべてのエポックで学習率を0.01に設定
lr_scheduler = schedulers.LambdaLR(optimizer, lr_lambda=lr_lambda)
どちらの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。
- より多くの制御が必要な場合は、
LambdaLR
関数を使用するのがおすすめです。 この関数を使用すると、エポック番号に基づいて学習率をより柔軟に調整することができます。 - シンプルさを重視する場合は、
get_last_lr()
関数を使用するのがおすすめです。 この関数は、学習率スケジューラの状態を保存したりロードしたりする必要がなく、コードをよりシンプルにすることができます。
torch.optim.lr_scheduler.ConstantLR.state_dict()
は非推奨となり、今後のバージョンでは削除される予定です。そのため、get_last_lr()
関数またはLambdaLR
関数を使用して、学習率スケジューラの状態を管理することをお勧めします。
LambdaLR
関数は、PyTorch 1.1.0以降で使用できます。get_last_lr()
関数は、PyTorch 1.9.0以降で使用できます。