PyTorchでランダムな値を再現:torch.Generator.set_state()の使い方と代替方法


  • 状態を設定することで、ランダムな値生成を特定のシーケンスに復元することができます。
  • この状態は、torch.ByteTensor形式で表現されます。
  • set_state()関数は、torch.Generatorオブジェクトの状態を設定するために使用されます。
  • torch.Generatorクラスは、PyTorchにおける乱数生成を制御するためのオブジェクトです。

詳細

torch.Generator.set_state()関数は、以下の引数を取ります。

  • new_state: 設定する新しい状態 (torch.ByteTensor形式)

この関数は、torch.Generatorオブジェクトの状態をnew_stateで更新します。これにより、ランダムな値生成がnew_stateに対応するシーケンスに復元されます。

import torch

# 乱数生成器を作成
generator = torch.Generator()

# 状態を取得
state = generator.get_state()

# ランダムな値を生成
x = torch.randn(10, device='cpu', generator=generator)

# 状態を設定
generator.set_state(state)

# 同じ状態からランダムな値を生成
y = torch.randn(10, device='cpu', generator=generator)

# 確認
print(x.allclose(y))  # True

上記の例では、ランダムな値生成器を作成し、その状態を取得します。その後、その状態を使用してランダムな値を生成します。次に、状態を初期状態に戻し、同じ状態から再びランダムな値を生成します。2つの生成された値は同じであることを確認できます。

  • ランダムな値生成を復元するには、すべてのtorch.Generatorオブジェクトの状態を復元する必要があります。データローダーなどの他のランダムな操作も考慮する必要があります。
  • torch.Generator.set_state()関数は、CPU上でのみ使用できます。CUDA上での乱数生成を制御するには、torch.manual_seed()関数を使用する必要があります。
  • ランダムな値生成を再現可能な場合
  • ランダムな値生成をデバッグする場合
  • 異なるランダムなシーケンスを生成する必要がある場合
  • ランダムな値生成の再現性に関する問題は、複雑な場合があります。詳細については、PyTorchコミュニティフォーラムまたはドキュメントを参照してください。


例 1: 特定のランダムな値シーケンスを再現する

この例では、torch.Generator.set_state() 関数を使用して、特定のランダムな値シーケンスを再現する方法を示します。

import torch

# 乱数生成器を作成
generator = torch.Generator()

# 状態を取得
state = generator.get_state()

# ランダムな値を生成して表示
for i in range(10):
    x = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator)
    print(x)

# 状態を初期状態に戻す
generator.set_state(state)

# 同じ状態からランダムな値を生成して表示
for i in range(10):
    y = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator)
    print(y)

このコードを実行すると、最初のループと2番目のループで同じランダムな値が生成されることがわかります。これは、torch.Generator.set_state() 関数を使用して、ランダムな値生成を特定の状態に復元しているためです。

例 2: 異なるランダムな値シーケンスを生成する

import torch

# 乱数生成器を作成
generator1 = torch.Generator()
generator2 = torch.Generator()

# 状態を取得
state1 = generator1.get_state()
state2 = generator2.get_state()

# ランダムな値を生成して表示
for i in range(10):
    x = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator1)
    print(x)

    y = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator2)
    print(y)

# 状態を別の状態に設定
generator1.set_state(state2)
generator2.set_state(state1)

# 異なる状態からランダムな値を生成して表示
for i in range(10):
    x = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator1)
    print(x)

    y = torch.randn(1, device='cpu', generator=generator2)
    print(y)
  • torch.Generator.set_state() 関数は、CPU上でのみ使用できます。CUDA上での乱数生成を制御するには、torch.manual_seed() 関数を使用する必要があります。
  • 上記の例はあくまで基本的な使用方法を示しています。実際の使用状況では、必要に応じてコードを変更する必要があります。
  • ランダムな値生成の再現性に関する問題は、複雑な場合があります。詳細については、PyTorchコミュニティフォーラムまたはドキュメントを参照してください。


代替方法として以下の方法が考えられます。

  1. torch.manual_seed()torch.rand() を使用する
  • コード例:
  • しかし、複雑な状態を復元するには不向きです。
  • シンプルで使いやすい方法です。
import torch

# 乱数生成器を作成
generator = torch.Generator()

# シードを設定
generator.manual_seed(12345)

# ランダムな値を生成
x = torch.rand(10, device='cpu', generator=generator)
print(x)

# 同じシードでランダムな値を生成
y = torch.rand(10, device='cpu', generator=generator)
print(y)
  1. カスタム乱数生成クラスを作成する
  • コード例:
  • しかし、実装が複雑になる可能性があります。
  • 複雑な状態を復元したい場合に適しています。
import torch

class MyRandomGenerator(object):
    def __init__(self, state):
        self.state = state

    def rand(self, shape):
        # 独自の乱数生成アルゴリズムを実装
        pass

# 乱数生成器を作成
generator = MyRandomGenerator(state)

# ランダムな値を生成
x = generator.rand(10)
print(x)

# 同じ状態からランダムな値を生成
y = generator.rand(10)
print(y)
  1. numpy.randomtorch.from_numpy() を使用する
  • コード例:
  • PyTorch テンソルとの変換が必要になります。
  • NumPy の乱数生成機能を活用できます。
import torch
import numpy as np

# NumPy 乱数生成器を作成
rng = np.random.RandomState(12345)

# ランダムな値を生成
x = torch.from_numpy(rng.rand(10))
print(x)

# 同じ状態からランダムな値を生成
y = torch.from_numpy(rng.rand(10))
print(y)

それぞれの方法の利点と欠点

方法利点欠点
torch.manual_seed()torch.rand()シンプルで使いやすい複雑な状態を復元できない
カスタム乱数生成クラス複雑な状態を復元できる実装が複雑になる可能性がある
numpy.randomtorch.from_numpy()NumPy の乱数生成機能を活用できるPyTorch テンソルとの変換が必要
  • 具体的な状況に合わせて、適切な方法を選択してください。
  • 複雑な状態を復元したい場合は、カスタム乱数生成クラスまたは numpy.randomtorch.from_numpy() を検討する必要があります。
  • シンプルなケースであれば、torch.manual_seed()torch.rand() がおすすめです。
  • 乱数生成の再現性については、PyTorch ドキュメントやコミュニティフォーラムを参照してください。
  • 上記以外にも、サードパーティ製のライブラリを使用して乱数生成を制御する方法があります。