プログラミング初心者でも安心!Pythonのメモリエラーを分かりやすく解説


メモリエラーは、プログラムが実行中に利用可能なメモリを使い果たしてしまったときに発生するエラーです。これは、メモリリークや、一度解放されたメモリ領域を再利用せずに新しいデータを割り当てようとした場合などに起こります。

メモリエラーは、プログラムのクラッシュや予期しない動作を引き起こす可能性があります。そのため、プログラムでメモリエラーを検知し、適切に処理することが重要です。

Pythonにおけるメモリエラーの例外

Pythonでは、MemoryError という例外がメモリエラーを表します。この例外は、組み込みモジュール sys によって定義されています。

import sys

try:
  # メモリを使い果たす可能性のある処理
except MemoryError as e:
  # メモリエラーが発生した場合の処理
  print(f"メモリエラーが発生しました: {e}")

上記のコードでは、try-except ブロックを使用して、MemoryError 例外を捕捉しています。MemoryError が発生した場合、except ブロック内のコードが実行されます。このブロック内で、エラーメッセージを出力したり、プログラムを終了させたりすることができます。

メモリエラーの対策

メモリエラーを防ぐためには、以下の点に注意する必要があります。

  • メモリ使用量を監視する プログラムを実行中に、メモリ使用量を監視することが重要です。これにより、メモリ使用量がいつ臨界点に達するのかを予測し、適切な対策を講じることができます。 メモリ使用量を監視するには、sys.getsizeof() 関数などのツールを使用することができます。
  • 不要なデータを解放する プログラムが終了したときに、不要なデータを解放するようにする必要があります。これにより、メモリ使用量を削減し、メモリエラーを防ぐことができます。 不要なデータを解放するには、del キーワードを使用することができます。
  • メモリリークを検知して修正する メモリリークとは、プログラムがメモリを解放せずに保持し続けてしまう状態です。メモリリークは、メモリ使用量の増加や、パフォーマンスの低下、そして最終的にはメモリエラーにつながる可能性があります。 メモリリークを検知するには、メモリプロファイラなどのツールを使用することができます。メモリプロファイラは、プログラムがどの部分がメモリを消費しているのかを特定するのに役立ちます。


import sys

def create_array(n):
  """n 個の要素を持つリストを作成する

  Args:
    n: リストの要素数

  Returns:
    n 個の要素を持つリスト
  """
  return [1] * n

try:
  # メモリを使い果たす可能性のある処理
  large_array = create_array(1000000000)
except MemoryError as e:
  print(f"メモリエラーが発生しました: {e}")

このコードでは、create_array 関数を使用して、10 億個の要素を持つリストを作成しようとします。これは、多くのメモリを必要とするため、メモリエラーが発生する可能性があります。

メモリエラーを防ぐためには、create_array 関数を修正して、一度に生成する要素数を減らす必要があります。例えば、以下のコードのように変更することができます。

def create_array(n, chunk_size=1000):
  """n 個の要素を持つリストを作成する

  Args:
    n: リストの要素数
    chunk_size: 一度に生成する要素数

  Returns:
    n 個の要素を持つリスト
  """
  result = []
  for i in range(0, n, chunk_size):
    result.extend([1] * chunk_size)
  return result

try:
  # メモリを使い果たさない処理
  large_array = create_array(1000000000, chunk_size=10000)
except MemoryError as e:
  print(f"メモリエラーが発生しました: {e}")

このコードでは、chunk_size という引数を create_array 関数に追加しています。この引数は、一度に生成する要素数を指定します。上記のコードでは、chunk_size を 10000 に設定しています。つまり、1 回のループで 10000 個の要素を持つリストを作成し、それを result リストに追加します。これにより、一度に生成する要素数を減らし、メモリエラーを防ぐことができます。

  • 大きなファイルの読み込み: プログラムが大きなファイルをメモリに読み込む場合、メモリエラーが発生する可能性があります。大きなファイルを処理する場合は、ファイルを開いて少しずつ処理するようにする必要があります。
  • 再帰: 再帰は、プログラムがメモリを使い果たす可能性のある別の方法です。再帰関数を使用する場合は、再帰の深さを制限するように注意する必要があります。
  • 無限ループ: 無限ループは、プログラムが終了せずにメモリを使い続け、メモリエラーが発生する可能性があります。


メモリエラー(MemoryError)は、プログラムが実行中に利用可能なメモリを使い果たしてしまったときに発生するエラーです。これは、深刻な問題を引き起こす可能性があるため、回避することが重要です。

メモリエラーを回避するには、以下の代替手段を検討することができます。

メモリを増設する

最も単純な解決策は、コンピュータの物理メモリを増設することです。これにより、プログラムが利用できるメモリ量が増え、メモリエラーが発生する可能性が低くなります。

コードを最適化する

メモリ使用量を減らすために、コードを最適化することができます。具体的には、以下の方法が考えられます。

  • メモリリークを修正する
  • アルゴリズムをより効率的なものに変更する
  • データ構造をより効率的なものに変更する
  • 不要な変数やオブジェクトを削除する

処理を分散化する

1 台のコンピュータで処理を実行するのではなく、複数のコンピュータに分散して実行することができます。これにより、各コンピュータのメモリ使用量を削減し、メモリエラーが発生する可能性を低くなります。

クラウドコンピューティングを利用する

圧縮技術を使用する

データを圧縮することで、必要なメモリ容量を削減することができます。これは、特に大量のデータを扱う場合に有効です。

サンプリングを使用する

すべてのデータを処理するのではなく、一部のデータのみを処理することで、メモリ使用量を削減することができます。これは、統計分析などの場合に有効です。

キャッシュを使用する

データをキャッシュすることで、繰り返しアクセスするデータのメモリ使用量を削減することができます。

仮想メモリを使用する

仮想メモリを使用すると、ハードディスクの一部をRAMとして使用することができます。これにより、物理メモリを使い果たしても、プログラムを実行し続けることができます。ただし、仮想メモリを使用するとパフォーマンスが低下する可能性があることに注意する必要があります。

64 ビットアーキテクチャを使用する

32 ビットアーキテクチャよりも64 ビットアーキテクチャの方が、より多くのメモリを扱えるため、メモリエラーが発生する可能性が低くなります。

デバッグツールを使用する

メモリエラーが発生した場合は、デバッグツールを使用して原因を特定することができます。多くのデバッグツールには、メモリ使用量を分析する機能が備わっています。

上記以外にも、メモリエラーを回避するための方法はいくつかあります。最適な方法は、個々の状況によって異なります。

メモリエラーが発生した場合は、まず原因を特定することが重要です。原因が特定できれば、適切な解決策を講じることができます。