Pythonで効率的な数値配列を扱う:`array.typecodes`の詳細解説と代替方法
タイプコード | データ型 | バイト数 | 対応するフォーマット文字列 | 説明 |
---|---|---|---|---|
'b' | 8ビット符号付き整数 | 1 | b | 小さい整数 (-128 から 127) |
'B' | 8ビット符号なし整数 | 1 | B | 小さい符号なし整数 (0 から 255) |
'h' | 16ビット符号付き整数 | 2 | h | 中程度の整数 (-32768 から 32767) |
'H' | 16ビット符号なし整数 | 2 | H | 中程度の符号なし整数 (0 から 65535) |
'i' | 32ビット符号付き整数 | 4 | i | 大きな整数 (-2147483648 から 2147483647) |
'I' | 32ビット符号なし整数 | 4 | I | 大きな符号なし整数 (0 から 4294967295) |
'l' | 32ビット符号付き整数 | 4 | l | 大きな整数 (C言語における long 型) |
'L' | 32ビット符号なし整数 | 4 | L | 大きな符号なし整数 (C言語における unsigned long 型) |
'f' | 32ビット浮動小数点 | 4 | f | 単精度浮動小数点 |
'd' | 64ビット浮動小数点 | 8 | d | 倍精度浮動小数点 |
'c' | 1文字の Unicode 文字 | 1 | c | 単一文字 |
's' | null文字で区切られた Unicode 文字列 | 可変 | s | 文字列 |
'u' | 16ビット Unicode 文字 | 2 | u | 16ビット UCS-2 文字列 (古い Python の Unicode 文字表現) |
'U' | 32ビット Unicode 文字 | 4 | U | 32ビット UCS-4 文字列 (新しい Python の Unicode 文字表現) |
例
import array
# 符号なし 8 ビット整数の配列を作成
my_array = array.array('B', [1, 2, 3, 4, 5])
# 各要素にアクセス
for element in my_array:
print(element)
# 特定の要素を変更
my_array[2] = 10
# 配列の長さを取得
array_length = len(my_array)
print(f"配列の長さ: {array_length}")
この例では、array.typecodes
の 'B' を使用して、符号なし 8 ビット整数の配列を作成しています。
array.typecodes
は、様々なデータ型を効率的に扱うために役立ちます。それぞれの型コードが表す意味を理解することで、適切な型を選択し、コードをより効果的に書くことができます。
- Python 3.x では、
array
モジュールは主に古いコードとの互換性を維持するために使用されています。新しいコードを書く場合は、NumPy を使用する方が一般的です。 array
モジュールは、NumPy よりもメモリ効率が高い場合がありますが、NumPy ほど機能が豊富ではありません。
import array
# さまざまな型コードを使用して配列を作成する
data_types = [('b', '8ビット符号付き整数'),
('B', '8ビット符号なし整数'),
('h', '16ビット符号付き整数'),
('H', '16ビット符号なし整数'),
('i', '32ビット符号付き整数'),
('I', '32ビット符号なし整数'),
('l', '32ビット符号付き整数 (long 型)'),
('L', '32ビット符号なし整数 (unsigned long 型)'),
('f', '32ビット浮動小数点'),
('d', '64ビット浮動小数点'),
('c', '1文字の Unicode 文字'),
('s', 'null文字で区切られた Unicode 文字列'),
('u', '16ビット UCS-2 文字列 (古い Python の Unicode 表現)'),
('U', '32ビット UCS-4 文字列 (新しい Python の Unicode 表現)')]
for type_code, description in data_types:
# サンプルデータを作成
sample_data = [1, 2, 3, 4, 5] if type_code in 'bhf' else [chr(i) for i in range(65, 70)]
# 型コードを使用して配列を作成
my_array = array.array(type_code, sample_data)
# 配列の長さを取得
array_length = len(my_array)
# 各要素にアクセス
for i in range(array_length):
print(f"{i}: {my_array[i]}")
# 型と説明を出力
print(f"型コード: {type_code} - {description}")
print("-----------------------")
NumPy を使用する
NumPy は、Python で科学計算を行うためのライブラリであり、数値配列を扱うためのより高度な機能を提供します。array
モジュールよりも高速で効率的であり、多くの場合 array
の代替として推奨されます。
NumPy 配列を作成するには、numpy.array
関数を使用します。データ型は、dtype
キーワード引数で指定できます。
import numpy as np
# NumPy 配列を作成
my_array = np.array([1, 2, 3, 4, 5], dtype=np.int32)
# 各要素にアクセス
for element in my_array:
print(element)
NumPy は、array
モジュールよりも多くの数学関数と操作を提供します。また、多次元配列やマスクされた配列など、より高度なデータ構造を扱うこともできます。
構造化配列を使用する
構造化配列は、異なるデータ型の要素を持つことができる配列です。各要素は、名前とデータ型を持つフィールドとして定義されます。
構造化配列を作成するには、dtype
キーワード引数を使用して numpy.array
関数を使用します。dtype
は、各フィールドの名前、データ型、サイズを定義するタプルである必要があります。
import numpy as np
# 構造化配列を作成
my_array = np.array([('name', 'Alice'), ('age', 30), ('score', 90)], dtype=[('name', 'U10'), ('age', 'i1'), ('score', 'i1')])
# 各フィールドにアクセス
for element in my_array:
print(f"名前: {element['name']}, 年齢: {element['age']}, 点数: {element['score']}")
構造化配列は、異なるデータ型のデータを一緒に格納する必要がある場合に役立ちます。
カスタムクラスを使用する
独自のデータ型を定義したい場合は、カスタムクラスを使用できます。クラスには、データ属性とメソッドを定義できます。
class MyData:
def __init__(self, value):
self.value = value
def __str__(self):
return f"{self.value}"
# カスタムクラスのインスタンスを含むリストを作成
my_list = [MyData(1), MyData(2), MyData(3)]
# 各要素にアクセス
for element in my_list:
print(element)
カスタムクラスを使用すると、データ型に対してよりきめ細かい制御を行うことができます。
array.typecodes
は、数値配列を扱うためのシンプルな方法ですが、NumPy や構造化配列などの代替方法の方が、より機能的で効率的な場合があります。カスタムクラスは、独自のデータ型を定義する必要がある場合に役立ちます。