PHP：正規表現処理のエラーを分かりやすく解決！preg_last_error_msg 関数の使い方

preg_last_error_msg 関数は、PHPにおける正規表現処理において発生した最後のエラーメッセージを取得するために使用されます。これは、preg_match、preg_replace、preg_split などの正規表現関数を実行した後、エラーが発生した場合に役立ちます。

利点

コードの可読性向上：エラー処理コードをより明確で理解しやすくします。
デバッグの容易化：エラーの原因を迅速かつ正確に特定するのに役立ちます。
エラーの詳細な情報提供：単なるエラーコードではなく、人間が理解しやすいエラーメッセージを提供します。

使い方

$pattern = '/[0-9a-f]{32}/';
$subject = 'This string contains a UUID: 123e4567-e89b-12d3-a456-426655440000';

if (preg_match($pattern, $subject) === FALSE) {
    $errorMessage = preg_last_error_msg();
    echo "Error: $errorMessage";
} else {
    echo "Match found!";
}

この例では、preg_match 関数は $subject 文字列内に $pattern と一致する部分文字列を見つけようとします。一致が見つからない場合、preg_last_error_msg 関数が呼び出されてエラーメッセージが取得され、echo ステートメントで出力されます。

以前のバージョンの PHP では、preg_last_error 関数と組み合わせてエラーメッセージを取得する必要がありました。
preg_last_error_msg 関数は、PHP 8.0 以降でのみ使用可能です。

正規表現パターンのテスト
テキスト処理
データのクリーニング
フォーム入力データの検証

<?php

$name = $_POST['name'];
$email = $_POST['email'];

if (empty($name)) {
    $errorMessage = '名前を入力してください。';
} else if (!preg_match('/^[a-zA-Z0-9_]+$/', $name)) {
    $errorMessage = '名前は英数字とアンダースコアのみ使用できます。';
}

if (empty($email)) {
    $errorMessage = 'メールアドレスを入力してください。';
} else if (!filter_var($email, FILTER_VALIDATE_EMAIL)) {
    $errorMessage = '有効なメールアドレスを入力してください。';
}

if (isset($errorMessage)) {
    echo "<p class='error'>$errorMessage</p>";
} else {
    // データベースに保存など
    echo "<p>送信完了しました！</p>";
}

?>

例2：データのクリーニング

この例では、preg_last_error_msg 関数を使用して、テキストから不要な文字列を削除します。

<?php

$text = 'This text contains some special characters: !@#$%^&*()_-+={}[\]|;:,./<>?';

$pattern = '/[!"#$%^&*()_+\-=\[\]{};':"\\|,.<>\/?]+/';

$cleanedText = preg_replace($pattern, '', $text);

echo "元のテキスト: $text\n";
echo "クリーニング後: $cleanedText";

?>

例3：正規表現パターンのテスト

この例では、preg_last_error_msg 関数を使用して、正規表現パターンの有効性をテストします。

<?php

$patterns = [
    '/[0-9a-f]{32}/', // UUID
    '/^[a-zA-Z]+@[a-zA-Z0-9.-]+\.[a-zA-Z]{2,}$/', // メールアドレス
    '/\d{3}-\d{3}-\d{4}/', // 電話番号
];

foreach ($patterns as $pattern) {
    if (!preg_match('/^.[^[]*$/', $pattern)) {
        echo "エラー: パターン '$pattern' が無効です。\n";
        $errorMessage = preg_last_error_msg();
        echo "エラーメッセージ: $errorMessage\n";
    }
}

?>

これらの例は、preg_last_error_msg 関数の使用方法と、様々な状況での応用例を示しています。

以下に、preg_last_error_msg 関数の代替方法をいくつか紹介します。

preg_last_error 関数と preg_get_error_message 関数の組み合わせ

PHP 5.0 以降では、preg_last_error 関数と preg_get_error_message 関数を組み合わせて、エラーメッセージを取得することができます。

$pattern = '/[0-9a-f]{32}/';
$subject = 'This string contains a UUID: 123e4567-e89b-12d3-a456-426655440000';

if (preg_match($pattern, $subject) === FALSE) {
    $errorCode = preg_last_error();
    $errorMessage = preg_get_error_message($errorCode);
    echo "Error: $errorMessage";
} else {
    echo "Match found!";
}

この方法では、まず preg_last_error 関数を呼び出してエラーコードを取得し、次に preg_get_error_message 関数にそのコードを渡してエラーメッセージを取得します。

自作のエラーメッセージ作成

よりシンプルな代替方法として、エラーコードに応じて自作のエラーメッセージを作成する方法があります。

$pattern = '/[0-9a-f]{32}/';
$subject = 'This string contains a UUID: 123e4567-e89b-12d3-a456-426655440000';

$errorCodes = [
    PREG_NO_ERROR => 'No errors',
    PREG_ERROR_SYNTAX => 'Syntax error',
    PREG_INTERNAL_ERROR => 'Internal error',
    PREG_BAD_UTF8_ENCODING => 'Malformed UTF-8 encoding',
    PREG_MISMATCH => 'No match',
];

if (preg_match($pattern, $subject) === FALSE) {
    $errorCode = preg_last_error();
    $errorMessage = $errorCodes[$errorCode];
    echo "Error: $errorMessage";
} else {
    echo "Match found!";
}

この方法では、エラーコードとそれに対応するエラーメッセージを配列に定義し、preg_last_error 関数で取得したエラーコードを使用して、対応するメッセージを出力します。

第三者ライブラリの利用

psr/http や symfony/validator などのライブラリは、preg_last_error_msg 関数と同様の機能を提供している場合があります。これらのライブラリを使用することで、より汎用的で使いやすいエラー処理を行うことができます。

第三者ライブラリを使用する場合は、ライブラリのドキュメントをよく読んで使用方法を確認する必要があります。
自作のエラーメッセージを作成する場合は、すべてのエラーコードを網羅するように注意する必要があります。
上記の代替方法は、PHP 8.0 以降では preg_last_error_msg 関数を使用する方が簡潔で推奨されます。