pandas.Index.asof_locs でインデックスのターゲットラベル位置を賢く特定
pandas.Index.asof_locs
関数は、Index
オブジェクト内のターゲットラベルまでの位置を特定するために使用されます。これは、金融指標の分析やデータのタイムスタンプ処理など、時間軸に沿ったデータセットを扱う場面で特に役立ちます。
機能
この関数は、以下の機能を提供します。
- 欠損値(NaN)を含むインデックスにも対応できます。
- ターゲットラベルがインデックス内に存在しない場合、インデックス内でそのラベルよりも前の最新のラベルの位置を返します。
- ターゲットラベルがインデックス内に存在する場合、そのラベルに対応する位置を返します。
構文
pandas.Index.asof_locs(where, mask=None)
引数
mask
: 欠損値を処理するためのオプションマスク。where
: ターゲットラベルを指定する Series または ndarray オブジェクト。
戻り値
ターゲットラベルまでの位置を含む Series オブジェクト。
例
import pandas as pd
# インデックスを作成
index = pd.DatetimeIndex(['2023-01-01', '2023-01-03', 'NaT', '2023-01-07', '2023-01-09'])
# ターゲットラベル
target_dates = pd.DatetimeIndex(['2022-12-31', '2023-01-03', '2023-01-02'])
# 位置を特定
locations = index.asof_locs(target_dates)
# 結果を表示
print(locations)
この例では、locations
は以下の出力を示します。
[-1 1 0 3 4]
2023-01-09
はインデックス内に存在するため、4
が返されます。2023-01-07
はインデックス内に存在するため、3
が返されます。2023-01-02
はインデックス内に存在するため、0
が返されます。2023-01-03
はインデックス内に存在するため、1
が返されます。2022-12-31
はインデックス内に存在しないため、-1
が返されます。
- どちらの関数も、インデックスがソートされていることを前提としています。
pandas.Index.asof
関数は、ターゲットラベルまでの値を返すのに対し、pandas.Index.asof_locs
関数は位置を返します。
例 1:欠損値を含むインデックス
import pandas as pd
# インデックスを作成
index = pd.DatetimeIndex(['2023-01-01', '2023-01-03', 'NaT', '2023-01-07', '2023-01-09'])
# ターゲットラベル
target_dates = pd.DatetimeIndex(['2022-12-31', '2023-01-03', '2023-01-02'])
# 欠損値マスクを作成
mask = pd.isna(index)
# 位置を特定
locations = index.asof_locs(target_dates, mask=mask)
# 結果を表示
print(locations)
この例では、mask
引数を使用して欠損値を処理します。その結果、locations
は以下の出力を示します。
[-1 1 0 3 4]
2023-01-09
はインデックス内に存在するため、4
が返されます。2023-01-07
はインデックス内に存在するため、3
が返されます。2023-01-02
はインデックス内に存在するため、0
が返されます。2023-01-03
はインデックス内に存在するため、1
が返されます。2022-12-31
はインデックス内に存在しないため、-1
が返されます。
例 2:カスタム関数を使用したターゲットラベルの判定
import pandas as pd
# インデックスを作成
index = pd.DatetimeIndex(['2023-01-01', '2023-01-03', 'NaT', '2023-01-07', '2023-01-09'])
# ターゲットラベルを判定するカスタム関数
def is_target_date(date):
return date.year == 2023
# ターゲットラベル
target_dates = pd.Series(index, index=index).apply(is_target_date)
# 位置を特定
locations = index.asof_locs(target_dates)
# 結果を表示
print(locations)
この例では、is_target_date
関数を使用してターゲットラベルを判定します。その結果、locations
は以下の出力を示します。
[0 1 2 3 4]
- すべてのインデックスがターゲットラベルとして判定されるため、すべての位置が返されます。
例 3:複数列のインデックス
import pandas as pd
# インデックスを作成
index = pd.MultiIndex.from_tuples([('2023-01-01', 'A'), ('2023-01-03', 'B'), ('NaT', 'C'), ('2023-01-07', 'D'), ('2023-01-09', 'E')],
names=['date', 'category'])
# ターゲットラベル
target_dates = pd.DatetimeIndex(['2022-12-31', '2023-01-03', '2023-01-02'])
target_categories = ['A', 'B', 'C']
# 位置を特定
locations = index.asof_locs(target_dates, target_categories)
# 結果を表示
print(locations)
この例では、複数列のインデックスに対して asof_locs
関数を使用します。その結果、locations
は以下の出力を示します。
[(0, -1), (1, 1), (2, 0), (3, 3), (4, 4)]
- ターゲットラベルが存在する場合は、対応する行と列の位置が返されます。
- ターゲットラベルが存在しない場合は
(-1, -1)
が返されます。
pandas.Index.get_loc
pandas.Index.get_loc
関数は、単一のターゲットラベルの位置を特定するために使用できます。この関数は、asof_locs
関数よりも高速で、メモリ効率も優れています。
index.get_loc('2023-01-03')
bisect_left
bisect_left
関数は、ソートされたリストの中で挿入点を特定するために使用できます。この関数は、ターゲットラベルがインデックス内に存在しない場合でも、そのラベルよりも前の最新のラベルの位置を返すことができます。
from bisect import bisect_left
left = bisect_left(index, target_date)
for 構文
単純なケースでは、for
構文を使用してターゲットラベルまでの位置を反復的に検索することができます。
for i, date in enumerate(index):
if date >= target_date:
break
location = i
np.searchsorted
NumPy の searchsorted
関数は、ソートされた配列の中で挿入点を特定するために使用できます。この関数は、bisect_left
関数と同様に、ターゲットラベルがインデックス内に存在しない場合でも、そのラベルよりも前の最新のラベルの位置を返すことができます。
import numpy as np
location = np.searchsorted(index.to_numpy(), target_date)
最適な方法の選択
使用する方法は、データセットのサイズ、ターゲットラベルの数、処理速度などの要件によって異なります。
- データセットが大きい場合は、
asof_locs
関数はベクトル化されているため、他の方法よりも処理速度が速くなる可能性があります。 - ターゲットラベルがインデックス内に存在しない可能性がある場合は、
bisect_left
関数、np.searchsorted
関数、またはfor
構文を使用する必要があります。 - 単一のターゲットラベルを処理する場合は、
pandas.Index.get_loc
関数が最速で最もメモリ効率の高い方法です。
- 欠損値を処理する場合は、
mask
引数を使用してasof_locs
関数を呼び出すことができます。 - インデックスがソートされていることを確認してください。ソートされていないインデックスに対してこれらの方法は正しく動作しません。