Pandasでチェーン代入の罠を回避!PerformanceWarningを抑制して効率的なコードを書く


警告発生原因

この警告は、主に以下の操作によって発生します。

  • 不適切なインデックス
    データフレームのインデックスが適切に設定されていない場合、パフォーマンスが低下し、この警告が発生する可能性があります。
  • 非効率なデータ構造
    データフレームを不適切なデータ構造で保持していると、処理速度が低下し、この警告が発生する可能性があります。
  • 不要なコピー操作
    データフレームに新しい列を追加したり、既存の列を修正したりする際に、不必要にコピー操作が行われると発生します。

警告の影響

この警告は、プログラムの実行速度を低下させる可能性があります。特に、大規模なデータセットを扱う場合、パフォーマンスへの影響が顕著になります。

警告の解決策

この警告を解決するには、以下の対策が有効です。

  • 適切なインデックスの設定
    データフレームのインデックスを適切に設定することで、パフォーマンスを向上させることができます。例えば、頻繁にソートやフィルタリングを行う場合は、列名をインデックスとして設定するなど、インデックスを適切に選択することが重要です。
  • 効率的なデータ構造の使用
    データフレームを適切なデータ構造で保持することで、処理速度を向上させることができます。例えば、頻繁にソートやフィルタリングを行う場合は、DataFrameではなくSeriesを使用するなど、データ構造を適切に選択することが重要です。
  • 不要なコピー操作の回避
    データフレームに新しい列を追加したり、既存の列を修正したりする際には、inplaceオプションを使用することで、コピー操作を回避できます。

警告の抑制

どうしても警告を抑制したい場合は、以下の方法で抑制することができます。

  • warnings.simplefilter()関数を使用する
    warnings.simplefilter()関数を使用して、特定のカテゴリの警告を抑制することができます。
import warnings

warnings.simplefilter(action='ignore', category=pd.errors.PerformanceWarning)
  • pd.options.mode.chained_assignment = Noneを設定する
    pd.options.mode.chained_assignmentオプションを設定することで、連鎖代入による不要なコピー操作を抑制することができます。
import pandas as pd

pd.options.mode.chained_assignment = None

以下のコードは、PerformanceWarningが発生する例です。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

for i in range(10):
    df['c'] = df['a'] + df['b']

このコードは、df['c']列を10回ループで作成しています。この操作は非効率であり、PerformanceWarningが発生します。

この問題を解決するには、以下のコードのように、inplaceオプションを使用してコピー操作を回避することができます。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

df['c'] = df['a'] + df['b']


import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

for i in range(10):
  df['c'] = df['a'] + df['b']

このコードは、df['c']列をループで作成しています。この操作は非効率であり、以下の理由でPerformanceWarningが発生します。

  1. 不要なコピー操作
    ループごとに新しいデータフレームが作成され、元のデータフレームがコピーされます。
  2. 逐次処理
    各ループで計算が逐次的に行われるため、処理速度が低下します。

解決策

この問題は、以下のコードのようにinplaceオプションを使用することで解決できます。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

df['c'] = df['a'] + df['b'] # inplaceオプションを使用

inplaceオプションを使用すると、新しいデータフレームを作成せずに、既存のデータフレームを直接更新することができます。これにより、不要なコピー操作を回避し、処理速度を向上させることができます。

以下のコードは、非効率なデータ構造を使用している例です。

import pandas as pd

data = {'name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie'], 'age': [30, 25, 22]}

df = pd.DataFrame(data)

# 列を頻繁にソートおよびフィルタリングする
df = df[df['age'] > 25]
df = df.sort_values(by='age')

このコードは、nameageという2つの列を持つデータフレームを作成しています。このデータフレームは、age列に基づいて頻繁にソートおよびフィルタリングされます。

この操作は非効率であり、以下の理由でPerformanceWarningが発生します。

  1. 非効率なデータ構造
    デフォルトでは、データフレームはをインデックスとして保持します。しかし、このコードではage列に基づいてソートやフィルタリングを行うため、をインデックスとして使用した方が効率的です。

解決策

この問題は、以下のコードのようにset_index()関数を使用して、age列をインデックスとして設定することで解決できます。

import pandas as pd

data = {'name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie'], 'age': [30, 25, 22]}

df = pd.DataFrame(data)

# age列をインデックスとして設定
df = df.set_index('age')

# ソートおよびフィルタリング
df = df[df.index > 25]
df = df.sort_index()

set_index()関数を使用すると、データフレームのインデックスを変更することができます。インデックスを適切に設定することで、ソートやフィルタリングなどの操作を効率化することができます。

以下のコードは、不適切なインデックスを使用している例です。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(100000), 'b': range(100000)})

# 不適切なインデックスを使用
for i in range(100):
  df.loc[i] = df.loc[i] * 2

このコードは、100,000行のデータフレームを処理しています。ループ内で、各行の値を2倍にしています。

  1. インデックスによるアクセス
    ループ内でインデックスを使用して各行にアクセスしていますが、これは非常に非効率的な方法です。インデックスを使用する代わりに、行番号を使用してアクセスする方が効率的です。

解決策

この問題は、以下のコードのようにiloc()関数を使用して、行番号でアクセスすることで解決できます。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(100000), 'b': range(100000)})

# 行番号


Pandas操作における「PerformanceWarning」は、潜在的なパフォーマンス問題を知らせる重要な警告です。この警告を無視すると、プログラムの実行速度が低下する可能性があります。

このガイドでは、「PerformanceWarning」の代替方法について、以下の3つの側面から詳細に解説します。

  1. 警告の原因を特定する
  2. 効率的なコードを実装する
  3. 警告を抑制する

警告の原因を特定する

1 警告メッセージを分析する

PerformanceWarningメッセージには、警告の原因に関する情報が含まれています。メッセージを注意深く分析することで、以下の要素を特定することができます。

  • インデックス
    警告メッセージには、使用されているインデックスに関する情報が含まれている場合があります。例えば、「ソートされていないインデックス」や「重複するインデックス」などのキーワードに注目しましょう。
  • データ構造
    警告メッセージには、使用されているデータ構造に関する情報が含まれている場合があります。例えば、「DataFrame」や「Series」などのキーワードに注目しましょう。
  • 非効率な操作
    警告メッセージには、非効率な操作に関する具体的な情報が含まれている場合があります。例えば、「チェーン割り当て」や「不必要なコピー」などのキーワードに注目しましょう。

2 コードをレビューする

警告メッセージを分析したら、該当するコード部分をレビューしましょう。コードをレビューする際には、以下の点に注目しましょう。

  • インデックス
    適切なインデックスが使用されているか確認します。
  • データ構造
    適切なデータ構造が使用されているか確認します。
  • ループ
    ループ内で非効率な操作が行われていないか確認します。

効率的なコードを実装する

1 不要なコピー操作を回避する

inplaceオプションを使用して、不要なコピー操作を回避することができます。inplaceオプションを使用すると、新しいデータフレームを作成せずに、既存のデータフレームを直接更新することができます。

2 効率的なデータ構造を使用する

データフレームの処理速度を向上させるためには、適切なデータ構造を選択することが重要です。例えば、頻繁にソートやフィルタリングを行う場合は、DataFrameではなくSeriesを使用するなど、データ構造を適切に選択することが重要です。

3 適切なインデックスを使用する

データフレームのインデックスを適切に設定することで、ソートやフィルタリングなどの操作を効率化することができます。例えば、頻繁にソートやフィルタリングを行う場合は、列名をインデックスとして設定するなど、インデックスを適切に選択することが重要です。

警告を抑制する

  • warnings.simplefilter()関数を使用する
    warnings.simplefilter()関数を使用して、特定のカテゴリの警告を抑制することができます。
import warnings

warnings.simplefilter(action='ignore', category=pd.errors.PerformanceWarning)
  • pd.options.mode.chained_assignment = Noneを設定する
    pd.options.mode.chained_assignmentオプションを設定することで、連鎖代入による不要なコピー操作を抑制することができます。
import pandas as pd

pd.options.mode.chained_assignment = None

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

for i in range(10):
  df['c'] = df['a'] + df['b']
  1. 不要なコピー操作
    ループごとに新しいデータフレームが作成され、元のデータフレームがコピーされます。
  2. 逐次処理
    各ループで計算が逐次的に行われるため、処理速度が低下します。
import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'a': range(10), 'b': range(10)})

df['c'] = df