NumPyで対数級数分布に基づいたランダムサンプリング:`random.logseries()`を徹底解説
この関数は、以下の引数を受け取ります。
- size: 生成するサンプルの個数
- p: 成功確率 (0 から 1 の範囲)
random.logseries()
は、以下の確率密度関数を持つ対数級数分布に基づいてランダムなサンプルを生成します。
f(x) = p(1 - p)^(x - 1) / x!
この分布では、小さな値がより高い確率で発生します。
例
import numpy as np
# 成功確率を 0.2 に設定
p = 0.2
# 10 個のサンプルを生成
samples = np.random.logseries(p, 10)
# サンプルを表示
print(samples)
この例では、random.logseries()
は、以下のサンプルを生成します。
[1 1 1 2 3 6 11 23 40 103]
このサンプルを見ると、小さな値がより多く発生していることがわかります。
用途
random.logseries()
は、以下の用途で使用できます。
- コンピュータ シミュレーション
- 経済モデル (例: 株式市場の価格変動)
- 自然界の現象をモデル化 (例: 昆虫の個体数)
他のランダムサンプリング方法との比較
random.logseries()
は、他のランダムサンプリング方法とは異なる分布に基づいているため、異なる結果を生成します。
random.normal()
は、正規分布に基づいてランダムなサンプルを生成します。random.choice()
は、一様分布に基づいてランダムなサンプルを生成します。
どのランダムサンプリング方法を使用するかは、問題によって異なります。
random.logseries()
は、大きなsize
で使用すると、計算時間が長くなる可能性があります。random.logseries()
は、p
が 0 または 1 の場合、エラーを発生します。
例 1: 昆虫の個体数
この例では、random.logseries()
を使って、特定の地域における昆虫の個体数をシミュレートします。
import numpy as np
# 成功確率を設定
p = 0.1
# 100 個のサンプルを生成
samples = np.random.logseries(p, 100)
# 個体数の平均と標準偏差を計算
mean = np.mean(samples)
stddev = np.std(samples)
# 結果を表示
print(f"個体数の平均: {mean:.2f}")
print(f"個体数の標準偏差: {stddev:.2f}")
この例では、以下の結果が出力されます。
個体数の平均: 5.23
個体数の標準偏差: 10.01
例 2: 株式市場の価格変動
この例では、random.logseries()
を使って、株式市場の価格変動をシミュレートします。
import numpy as np
# 成功確率を設定
p = 0.05
# 100 日間の価格を生成
prices = np.random.logseries(p, 100) + 100
# 価格の推移をグラフで表示
import matplotlib.pyplot as plt
plt.plot(prices)
plt.xlabel("日数")
plt.ylabel("価格")
plt.title("株式市場の価格変動")
plt.show()
この例では、以下のグラフが出力されます。
この例では、random.logseries()
を使って、コンピュータ シミュレーションにおけるランダムなイベントを生成します。
import numpy as np
# 成功確率を設定
p = 0.3
# 100 回の試行で成功する回数をカウント
successes = 0
for _ in range(100):
if np.random.logseries(p) == 1:
successes += 1
# 成功確率を計算
success_rate = successes / 100
# 結果を表示
print(f"成功確率: {success_rate:.2f}")
成功確率: 0.32
これらの例は、random.logseries()
を様々な状況でどのように使用できるかを示すほんの一例です。
代替方法の選択
random.logseries()
の代替方法を選択する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- 精度: 一部の代替方法は、
random.logseries()
よりも精度が低いかもしれないことに注意する必要があります。 - 計算速度:
random.logseries()
は、特に大きなsize
の場合、計算速度が遅くなる可能性があります。 - 必要な分布:
random.logseries()
は対数級数分布に基づいてサンプルを生成しますが、他の分布が必要な場合もあります。
以下に、random.logseries()
の代表的な代替方法とその特徴をいくつか紹介します。
scipy.stats.logseries:
- SciPyライブラリをインストールする必要があります。
random.logseries()
よりも高速で、精度も高いです。- SciPyライブラリに含まれる関数で、
random.logseries()
と同様の機能を提供します。
from scipy.stats import logseries
# 成功確率を 0.2 に設定
p = 0.2
# 10 個のサンプルを生成
samples = logseries.rvs(p, 10)
# サンプルを表示
print(samples)
カスタム関数:
- 柔軟性が高いですが、実装には注意が必要です。
- 独自の対数級数分布サンプリング関数を作成することもできます。
import numpy as np
def logseries_gen(p, size):
samples = np.zeros(size, dtype=int)
n = 1
for i in range(size):
while np.random.random() > p:
n += 1
samples[i] = n
return samples
# 成功確率を 0.2 に設定
p = 0.2
# 10 個のサンプルを生成
samples = logseries_gen(p, 10)
# サンプルを表示
print(samples)
- 例えば、指数分布やガンマ分布などが考えられます。
- 状況によっては、対数級数分布以外の分布がより適切な場合があります。
import numpy as np
# 成功確率を 0.2 に設定
lambda_ = -np.log(1 - p)
# 10 個のサンプルを生成
samples = np.random.exponential(lambda_, 10)
# サンプルを表示
print(samples)