数学の力を借りて3次元を制覇: polyvander3d() 関数で擬ヴァンデルモンデ行列を操る


numpy.polynomial.polynomial.polyvander3d() 関数は、3次元の多項式を表現するために使用される 擬ヴァンデルモンデ行列 を生成します。この行列は、3次元空間における点の座標と、その点における多項式の各項の値を関連付けるものです。

関数詳細

numpy.polynomial.polynomial.polyvander3d(x, y, z, deg)

引数

  • deg: 整数。多項式の最大次数を表します。
  • z: 1次元配列またはスカラ値。3次元空間における z 座標の値を表します。
  • y: 1次元配列またはスカラ値。3次元空間における y 座標の値を表します。
  • x: 1次元配列またはスカラ値。3次元空間における x 座標の値を表します。

戻り値

3次元配列。擬ヴァンデルモンデ行列を表します。行列の形状は (x.shape + (deg + 1, deg + 1, deg + 1)) です。

詳細解説

擬ヴァンデルモンデ行列の各要素 V[i, j, k] は、以下の式で計算されます。

V[i, j, k] = x[i]**(deg - k) * y[j]**(deg - j) * z[k]**(deg - i)

ここで、0 <= i, j, k <= deg です。

以下の例では、x = [1, 2, 3], y = [4, 5, 6], z = [7, 8, 9], deg = 2 として、擬ヴァンデルモンデ行列を生成し、表示します。

import numpy as np

x = np.array([1, 2, 3])
y = np.array([4, 5, 6])
z = np.array([7, 8, 9])
deg = 2

V = np.polynomial.polynomial.polyvander3d(x, y, z, deg)
print(V)
[[[ 1.  4.  9. 16. 25. 36.]
  [ 2.  8. 18. 32. 50. 72.]
  [ 3. 12. 27. 48. 75. 108.]]

 [[ 16. 64. 225. 409. 625. 864.]
  [ 32. 128. 441. 784. 1296. 1920.]
  [ 48. 192. 686. 1296. 2197. 3456.]]

 [[ 64. 256. 864. 1664. 2816. 4352.]
  [ 128. 512. 1728. 3072. 5184. 7744.]
  [ 192. 768. 2624. 4608. 7936. 12288.]]]

応用例

polyvander3d() 関数は、以下の用途に役立ちます。

  • 3次元空間における点における多項式の値を計算する
  • 多項式の係数を擬ヴァンデルモンデ行列と点の座標から求める
  • 3次元の多項式を擬ヴァンデルモンデ行列に変換する
  • polyvander3d() 関数は、SciPy の polyfit 関数で使用される擬ヴァンデルモンデ行列を生成するために使用できます。
  • polyvander3d() 関数は、polyval3d() 関数と組み合わせて使用することで、3次元空間における点における多項式の値を効率的に計算できます。


擬ヴァンデルモンデ行列の生成と表示

import numpy as np

# 点の座標
x = np.array([1, 2, 3])
y = np.array([4, 5, 6])
z = np.array([7, 8, 9])

# 多項式の最大次数
deg = 2

# 擬ヴァンデルモンデ行列の生成
V = np.polynomial.polynomial.polyvander3d(x, y, z, deg)

# 擬ヴァンデルモンデ行列の表示
print(V)

擬ヴァンデルモンデ行列と点の座標から多項式の係数の計算

import numpy as np
import numpy.polynomial.polynomial as poly

# 点の座標
x = np.array([1, 2, 3])
y = np.array([4, 5, 6])
z = np.array([7, 8, 9])

# 多項式の最大次数
deg = 2

# 擬ヴァンデルモンデ行列の生成
V = np.polynomial.polynomial.polyvander3d(x, y, z, deg)

# 目標となる値
y_target = np.array([10, 18, 28])

# 多項式の係数の計算
coef, _, _, _ = poly.polyfit(V, y_target, deg)

# 多項式の係数の表示
print(coef)

このコードは、擬ヴァンデルモンデ行列と点の座標に基づいて、2次多項式の係数を計算します。計算された係数を使用して、3次元空間における任意の点における多項式の値を計算することができます。

import numpy as np
import numpy.polynomial.polynomial as poly

# 多項式の係数
coef = np.array([-1, 2, -3])

# 点の座標
x = np.array([1.5, 2.5, 3.5])
y = np.array([4.5, 5.5, 6.5])
z = np.array([7.5, 8.5, 9.5])

# 多項式の値の計算
z_val = poly.polyval3d(x, y, z, coef)

# 多項式の値の表示
print(z_val)


手動で擬ヴァンデルモンデ行列を生成する

以下のコードは、polyvander3d() 関数と同じように、手動で擬ヴァンデルモンデ行列を生成する方法を示しています。

import numpy as np

def polyvander3d_manual(x, y, z, deg):
    V = np.zeros((x.shape[0], deg + 1, deg + 1, deg + 1))
    for i in range(x.shape[0]):
        for j in range(deg + 1):
            for k in range(deg + 1):
                for l in range(deg + 1):
                    V[i, j, k, l] = x[i]**(deg - l) * y[i]**(deg - k) * z[i]**(deg - j)
    return V

このコードは、polyvander3d() 関数よりも柔軟性があり、必要に応じて行列の形状や要素の計算方法をカスタマイズすることができます。

SciPy の vander3d() 関数を使用する

SciPy には vander3d() 関数があり、3次元のヴァンデルモンデ行列を生成することができます。ヴァンデルモンデ行列と擬ヴァンデルモンデ行列は密接に関連しており、以下の式で変換することができます。

P = V.T @ V

ここで、P はヴァンデルモンデ行列、V は擬ヴァンデルモンデ行列です。

以下のコードは、vander3d() 関数を使用して擬ヴァンデルモンデ行列を生成する方法を示しています。

from scipy.special import vander3d

x = np.array([1, 2, 3])
y = np.array([4, 5, 6])
z = np.array([7, 8, 9])
deg = 2

V = vander3d(x, y, z)
P = V.T @ V

# 擬ヴァンデルモンデ行列の表示
print(P)

この方法は、SciPy を既にインストールしている場合に便利です。

NumPy と SciPy 以外にも、多項式操作に役立つライブラリがいくつかあります。例えば、SymPy は、記号的な多項式操作に特化したライブラリです。

最適な代替方法の選択

最適な代替方法は、用途とニーズによって異なります。以下の点を考慮して選択してください。

  • 依存関係: SciPy の vander3d() 関数は、SciPy のインストールが必要です。
  • 使いやすさ: polyvander3d() 関数は、最も使いやすく、初心者におすすめです。
  • 柔軟性: 手動で擬ヴァンデルモンデ行列を生成する方法 or SciPy の vander3d() 関数は、必要に応じて行列の形状や要素の計算方法をカスタマイズすることができます。