NumPy C-API: `PyObject *PyArray_Where()` の詳細解説とサンプルコード
PyArray_Where()
関数は、条件を満たす要素の位置を PyArrayObject
で返します。これは、条件に基づいてマスクを作成したり、特定の条件を満たす要素を抽出したりする際に役立ちます。
引数
- c
条件を満たす要素に割り当てる値を含むPyArrayObject
またはスカラー値です。 - b
比較対象となるPyArrayObject
またはスカラー値です。 - a
条件を評価するPyArrayObject
です。
戻り値
条件を満たす要素の位置を含む PyArrayObject
です。
詳細
PyArray_Where()
は、a
, b
, c
の各要素を比較し、次の条件を満たす要素の位置を PyArrayObject
に格納します。
a[i] <= b[i]
a[i] >= b[i]
a[i] < b[i]
a[i] > b[i]
a[i] != b[i]
a[i] == b[i]
比較演算子は、PyArray_Descr
の typecode
に基づいて決定されます。
c
引数は、条件を満たす要素に割り当てる値を指定します。c
が NULL
の場合、デフォルト値が使用されます。デフォルト値は、a
と b
の dtype
によって異なります。
例
#include <numpy/ndarray.h>
int main() {
PyArrayObject *a = PyArray_Zeros(2, NPY_INT32);
PyArrayObject *b = PyArray_Ones(2, NPY_INT32);
PyArrayObject *c = PyArray_Where(a, b, NULL);
// c[0] は 1, c[1] は 0
printf("%d %d\n", PyArray_GETITEM(c, 0), PyArray_GETITEM(c, 1));
Py_DECREF(a);
Py_DECREF(b);
Py_DECREF(c);
return 0;
}
PyArray_Where()
は、メモリを割り当てるため、使用後はPy_DECREF()
で解放する必要があります。a
,b
,c
はすべて同じdtype
でなければなりません。- 条件を満たす要素がない場合は、空の
PyArrayObject
が返されます。 PyArray_Where()
は、条件を満たす要素の位置のみを返します。要素の値自体は返されません。
コード
#include <numpy/ndarray.h>
int main() {
npy_intp dims[] = {2};
PyArrayObject *a = PyArray_Zeros(2, NPY_INT32);
PyArrayObject *b = PyArray_Ones(2, NPY_INT32);
PyArrayObject *c = PyArray_Where(a, b, NULL);
// 条件を満たす要素のインデックスを出力
for (int i = 0; i < PyArray_Size(c); i++) {
printf("%d ", PyArray_GETITEM(c, i));
}
printf("\n");
// 条件を満たす要素の値を出力
for (int i = 0; i < PyArray_Size(a); i++) {
if (PyArray_GETITEM(c, i)) {
printf("%d ", PyArray_GETITEM(a, i));
}
}
printf("\n");
Py_DECREF(a);
Py_DECREF(b);
Py_DECREF(c);
return 0;
}
npy_intp dims[] = {2};
行は、2要素の配列を作成するための次元情報を定義します。PyArray_Zeros()
とPyArray_Ones()
関数は、それぞれすべての要素が 0 または 1 で初期化されたPyArrayObject
を作成します。PyArray_Where()
関数は、a
とb
を比較し、条件を満たす要素の位置をc
に格納します。for
ループは、c
の各要素を反復し、条件を満たす要素のインデックスを出力します。- 2番目の
for
ループは、a
の各要素を反復し、条件を満たす要素の値を出力します。 - 最後に、作成したすべての
PyArrayObject
を解放します。
- マスクされた配列を作成する
- 多次元配列を使用する
- 条件を満たす要素に対してカスタム処理を実行する
- 異なる比較演算子を使用する
NumPy の where() 関数
where()
関数は、条件に基づいて配列の要素を置き換えるために使用できます。これは、PyArray_Where()
と似ていますが、PyArrayObject
を返す代わりに、入力配列を直接変更します。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
b = np.array([True, False, False, True, True])
c = np.where(b, a, 0)
print(c) # 出力: [1 0 0 4 5]
リスト内包表記
リスト内包表記は、条件に基づいて新しいリストを作成するために使用できます。これは、PyArray_Where()
よりも簡潔で読みやすいコードになる場合があります。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
b = np.array([True, False, False, True, True])
c = [a[i] for i in range(len(a)) if b[i]]
print(c) # 出力: [1 4 5]
broadcasting
ブロードキャストは、異なる形状の配列を同じ形状に拡張するために使用できます。これは、条件に基づいてマスクを作成するために使用できます。
import numpy as np
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
b = np.array([True, False, False, True, True])
c = a * b
print(c) # 出力: [1 0 0 4 5]
関数
条件を満たす要素を抽出するために、独自の関数を作成することもできます。これは、複雑な条件やカスタム処理が必要な場合に役立ちます。
import numpy as np
def filter_array(a, b):
result = []
for i in range(len(a)):
if b[i]:
result.append(a[i])
return result
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
b = np.array([True, False, False, True, True])
c = filter_array(a, b)
print(c) # 出力: [1 4 5]
どの方法を選択するべきか?
最適な方法は、特定の状況によって異なります。
- 複雑な条件やカスタム処理が必要な場合は、ブロードキャストまたは独自の関数を使用します。
- コードが読みやすく簡潔であることが重要であれば、リスト内包表記を使用します。
- シンプルで効率的な方法が必要な場合は、
PyArray_Where()
またはwhere()
関数を使用します。
- メモリ使用量も考慮する必要があります。リスト内包表記は、他の方法よりも多くのメモリを使用する場合があります。
- どの方法を選択する場合でも、パフォーマンスを考慮する必要があります。
PyArray_Where()
は、他の方法よりも高速である場合があります。