Python科学計算における配列操作の高度化：NumPy C-APIの`void PyArray_DiscardWritebackIfCopy()` 関数

void PyArray_DiscardWritebackIfCopy() は、NumPy C-APIにおいて、NumPy 配列がコピーである場合に、書き戻しフラグを解除するために使用される関数です。書き戻しフラグは、配列の内容が変更されたことを示すフラグです。この関数は、配列がコピーである場合、書き戻しフラグが誤って設定されるのを防ぎます。

機能

この関数は、以下の機能を提供します。

配列がコピーである場合、書き戻しフラグを解除します。
NumPy 配列がコピーであるかどうかを確認します。

引数

この関数は、以下の引数を受け取ります。

ndarray: 対象となる NumPy 配列

戻り値

この関数は、void 型の値を返します。

使用方法

この関数は、以下の例のように使用できます。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // NumPy 配列を作成します。
  npy_intp dims[] = {2, 3};
  PyArrayObject *arr = PyArray_SimpleNewFromIntp(2, dims, NPY_INT32);

  // 配列をコピーします。
  PyArrayObject *copy = PyArray_Copy(arr);

  // コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // `PyArray_DiscardWritebackIfCopy()` を使用して、書き戻しフラグを解除します。
  PyArray_DiscardWritebackIfCopy(copy);

  // 再び、コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列を解放します。
  Py_DECREF(arr);
  Py_DECREF(copy);

  return 0;
}

注意事項

この関数は、NumPy 1.7 以降でのみ使用できます。

PyArray_SetWriteBackIfCopy() 関数は、NumPy 配列の書き戻しフラグを設定するために使用できます。
PyArray_IsWriteBackIfCopy() 関数は、NumPy 配列が書き戻し可能かどうかを確認するために使用できます。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // NumPy 配列を作成します。
  npy_intp dims[] = {2, 3};
  PyArrayObject *arr = PyArray_SimpleNewFromIntp(2, dims, NPY_INT32);

  // 配列をコピーします。
  PyArrayObject *copy = PyArray_Copy(arr);

  // コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // `PyArray_DiscardWritebackIfCopy()` を使用して、書き戻しフラグを解除します。
  PyArray_DiscardWritebackIfCopy(copy);

  // 再び、コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列の内容を変更します。
  ((PyArrayObject *) copy)->data[0] = 10;

  // コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // `PyArray_SetWriteBackIfCopy()` を使用して、書き戻しフラグを設定します。
  PyArray_SetWriteBackIfCopy(copy);

  // 再び、コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列を解放します。
  Py_DECREF(arr);
  Py_DECREF(copy);

  return 0;
}

説明

このコードは以下の処理を実行します。

PyArray_SimpleNewFromIntp() 関数を使用して、2 次元の NPY_INT32 型の NumPy 配列を作成します。
PyArray_Copy() 関数を使用して、作成した配列のコピーを作成します。
PyArray_IsWriteBackIfCopy() 関数を使用して、コピーの書き戻しフラグを確認します。
PyArray_DiscardWritebackIfCopy() 関数を使用して、コピーの書き戻しフラグを解除します。
コピーの内容を変更します。
PyArray_IsWriteBackIfCopy() 関数を使用して、コピーの書き戻しフラグを確認します。
PyArray_SetWriteBackIfCopy() 関数を使用して、コピーの書き戻しフラグを設定します。
PyArray_IsWriteBackIfCopy() 関数を使用して、コピーの書き戻しフラグを確認します。
作成した配列とコピーを解放します。

このコードは、void PyArray_DiscardWritebackIfCopy() 関数の基本的な使用方法を示しています。実際の使用状況では、必要に応じてコードを変更する必要があります。

このコードは、コンパイルと実行に必要なライブラリとヘッダーファイルを含めていません。
このコードは、NumPy 1.7 以降でのみ使用できます。

この関数の代替方法として、以下の方法が考えられます。

PyArray_SetWriteBackIfCopy(arr, NPY_NO)

この方法は、PyArray_SetWriteBackIfCopy() 関数を使用して、配列の書き戻しフラグを NPY_NO に設定します。これにより、配列が書き戻しできない状態になります。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // NumPy 配列を作成します。
  npy_intp dims[] = {2, 3};
  PyArrayObject *arr = PyArray_SimpleNewFromIntp(2, dims, NPY_INT32);

  // 配列をコピーします。
  PyArrayObject *copy = PyArray_Copy(arr);

  // コピーの書き戻しフラグを `NPY_NO` に設定します。
  PyArray_SetWriteBackIfCopy(copy, NPY_NO);

  // コピーの内容を変更します。
  ((PyArrayObject *) copy)->data[0] = 10;

  // コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列を解放します。
  Py_DECREF(arr);
  Py_DECREF(copy);

  return 0;
}

PyArray_View()

この方法は、PyArray_View() 関数を使用して、配列のビューを作成します。ビューは、元の配列を参照する別の配列です。ビューの書き戻しフラグは、元の配列の書き戻しフラグとは独立しています。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // NumPy 配列を作成します。
  npy_intp dims[] = {2, 3};
  PyArrayObject *arr = PyArray_SimpleNewFromIntp(2, dims, NPY_INT32);

  // 配列のビューを作成します。
  PyArrayObject *view = (PyArrayObject *) PyArray_View(arr, NULL, NULL);

  // ビューの内容を変更します。
  ((PyArrayObject *) view)->data[0] = 10;

  // ビューの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(view)) {
    printf("ビューは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("ビューは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列を解放します。
  Py_DECREF(arr);
  Py_DECREF(view);

  return 0;
}

PyArray_CopyAll()

この方法は、PyArray_CopyAll() 関数を使用して、配列の内容を別の配列にコピーします。コピーされた配列の書き戻しフラグは、元の配列の書き戻しフラグとは独立しています。

#include <numpy/arrayobject.h>

int main() {
  // NumPy 配列を作成します。
  npy_intp dims[] = {2, 3};
  PyArrayObject *arr = PyArray_SimpleNewFromIntp(2, dims, NPY_INT32);

  // 配列の内容を別の配列にコピーします。
  PyArrayObject *copy = (PyArrayObject *) PyArray_CopyAll(arr);

  // コピーの内容を変更します。
  ((PyArrayObject *) copy)->data[0] = 10;

  // コピーの書き戻しフラグを確認します。
  if (PyArray_IsWriteBackIfCopy(copy)) {
    printf("コピーは書き戻し可能です。\n");
  } else {
    printf("コピーは書き戻しできません。\n");
  }

  // 配列を解放します。
  Py_DECREF(arr);
  Py_DECREF(copy);

  return 0;
}

上記の方法は、すべて NumPy 1.7