Node.js server.getConnections()活用事例集!接続数監視でパフォーマンス向上

2025-04-07

具体的には、このメソッドはコールバック関数を引数として受け取り、そのコールバック関数に現在の接続数を渡します。

以下に、その動作を詳しく説明します。

server.getConnections(callback) の動作

    • callback は、接続数を取得した後に実行される関数です。
    • このコールバック関数は、2つの引数を受け取ります。
      • err: エラーが発生した場合、エラーオブジェクトが渡されます。正常に実行された場合は null が渡されます。
      • count: 現在の接続数が渡されます。
  1. 接続数の取得

    • server.getConnections() は、内部的にサーバーに接続されているソケットの数をカウントします。
  2. コールバックの実行

    • 接続数のカウントが完了すると、指定されたコールバック関数が実行されます。
    • コールバック関数の引数として、エラー(もしあれば)と接続数が渡されます。

コード例

const net = require('net');

const server = net.createServer((socket) => {
  console.log('クライアントが接続しました。');

  socket.on('end', () => {
    console.log('クライアントが切断しました。');
  });
});

server.listen(3000, () => {
  console.log('サーバーがポート3000で起動しました。');
});

setInterval(() => {
  server.getConnections((err, count) => {
    if (err) {
      console.error('接続数の取得中にエラーが発生しました:', err);
      return;
    }
    console.log(`現在の接続数: ${count}`);
  });
}, 5000); // 5秒ごとに接続数を表示

コードの説明

  1. net.createServer() でサーバーを作成し、接続されたクライアントのソケットを処理します。
  2. server.listen(3000) でサーバーをポート3000で起動します。
  3. setInterval() を使用して、5秒ごとに server.getConnections() を呼び出します。
  4. server.getConnections() のコールバック関数内で、接続数をコンソールに表示します。

要点

  • このメソッドは、サーバーの負荷を監視したり、接続数を制限したりする際に役立ちます。
  • server.getConnections() は非同期メソッドです。つまり、接続数の取得はバックグラウンドで行われ、結果はコールバック関数を通じて返されます。


一般的なエラーとトラブルシューティング

    • エラー
      TypeError: callback must be a function
    • 原因
      server.getConnections() はコールバック関数を必須の引数として受け取ります。コールバック関数を渡さないと、このエラーが発生します。
    • 解決策
      server.getConnections() を呼び出す際に、必ずコールバック関数を渡してください。
    // エラーになる例
    // server.getConnections();
    
    // 正しい例
    server.getConnections((err, count) => {
      if (err) {
        console.error(err);
        return;
      }
      console.log(`現在の接続数: ${count}`);
    });
    
  1. コールバック関数内のエラー処理の欠如

    • 問題
      コールバック関数内でエラー処理を行わないと、エラーが発生した場合にプログラムが予期しない動作をする可能性があります。
    • 解決策
      コールバック関数の最初の引数 err をチェックし、エラーが発生した場合は適切に処理してください。
    server.getConnections((err, count) => {
      if (err) {
        console.error('接続数の取得中にエラーが発生しました:', err);
        return;
      }
      console.log(`現在の接続数: ${count}`);
    });
    
  2. 接続数の取得が遅延する場合

    • 問題
      サーバーが非常に多くの接続を処理している場合、server.getConnections() の結果が遅延する可能性があります。
    • 原因
      内部的な接続数カウントの処理が、サーバーの負荷によって遅延することがあります。
    • 解決策
      • サーバーの負荷を軽減するために、接続数を制限したり、サーバーの処理能力を向上させたりする必要があります。
      • リアルタイム性が非常に重要な場合は、他の方法で接続数を管理することを検討してください。
  3. ソケットの切断処理の不備

    • 問題
      クライアントが切断された際に、ソケットのクリーンアップが適切に行われないと、接続数が正確にカウントされないことがあります。
    • 原因
      socket.on('end', ...)socket.on('close', ...) などのイベントハンドラで、ソケットのクリーンアップ処理が欠けている可能性があります。
    • 解決策
      クライアントの切断時に、ソケットを適切にクローズし、リソースを解放するようにしてください。
    const net = require('net');
    
    const server = net.createServer((socket) => {
      console.log('クライアントが接続しました。');
    
      socket.on('end', () => {
        console.log('クライアントが切断しました。');
        // ソケットのクリーンアップ処理
        socket.end();
      });
    
      socket.on('error', (err) => {
        console.error('ソケットエラー:', err);
        socket.end();
      });
    });
    
  4. サーバーがlistenしていない場合

    • 問題
      サーバーがlisten()メソッドで開始されていない場合、接続数を取得できません。
    • 解決策
      server.listen()でサーバーを起動していることを確認してください。

トラブルシューティングの一般的な手順

  1. エラーメッセージをよく読み、原因を特定します。
  2. コールバック関数が正しく渡されているか確認します。
  3. コールバック関数内でエラー処理が適切に行われているか確認します。
  4. サーバーの負荷が高くないか確認します。
  5. ソケットの切断処理が適切に行われているか確認します。
  6. サーバーがlisten()されているか確認します。
  7. ログを注意深く監視し、問題の発生箇所を特定します。


例1: 接続数を定期的に表示するサーバー

この例では、サーバーが起動し、5秒ごとに現在の接続数をコンソールに表示します。

const net = require('net');

const server = net.createServer((socket) => {
  console.log('クライアントが接続しました。');

  socket.on('end', () => {
    console.log('クライアントが切断しました。');
  });
});

server.listen(3000, () => {
  console.log('サーバーがポート3000で起動しました。');
});

setInterval(() => {
  server.getConnections((err, count) => {
    if (err) {
      console.error('接続数の取得中にエラーが発生しました:', err);
      return;
    }
    console.log(`現在の接続数: ${count}`);
  });
}, 5000); // 5秒ごとに接続数を表示

説明

  1. net.createServer() でサーバーを作成し、接続されたクライアントのソケットを処理します。
  2. server.listen(3000) でサーバーをポート3000で起動します。
  3. setInterval() を使用して、5秒ごとに server.getConnections() を呼び出します。
  4. server.getConnections() のコールバック関数内で、接続数をコンソールに表示します。
  5. エラー処理をコールバック関数内で行っています。

例2: 接続数が一定数を超えた場合に警告を出すサーバー

この例では、接続数が一定数(例えば10)を超えた場合に警告をコンソールに出力します。

const net = require('net');

const MAX_CONNECTIONS = 10;

const server = net.createServer((socket) => {
  console.log('クライアントが接続しました。');

  socket.on('end', () => {
    console.log('クライアントが切断しました。');
  });
});

server.listen(3000, () => {
  console.log('サーバーがポート3000で起動しました。');
});

setInterval(() => {
  server.getConnections((err, count) => {
    if (err) {
      console.error('接続数の取得中にエラーが発生しました:', err);
      return;
    }
    console.log(`現在の接続数: ${count}`);

    if (count > MAX_CONNECTIONS) {
      console.warn(`警告: 接続数が ${MAX_CONNECTIONS} を超えました!`);
    }
  });
}, 5000); // 5秒ごとに接続数を表示

説明

  1. MAX_CONNECTIONS 変数で最大接続数を定義します。
  2. server.getConnections() のコールバック関数内で、接続数を取得し、MAX_CONNECTIONS と比較します。
  3. 接続数が最大接続数を超えた場合、console.warn() で警告メッセージを出力します。

例3: 接続数をHTTPレスポンスとして返すサーバー

この例では、HTTPサーバーを作成し、/connections エンドポイントにアクセスすると現在の接続数をJSON形式で返します。

const http = require('http');
const net = require('net');

const server = net.createServer((socket) => {
  console.log('クライアントが接続しました。');

  socket.on('end', () => {
    console.log('クライアントが切断しました。');
  });
});

server.listen(3000, () => {
  console.log('TCPサーバーがポート3000で起動しました。');
});

const httpServer = http.createServer((req, res) => {
  if (req.url === '/connections') {
    server.getConnections((err, count) => {
      if (err) {
        res.writeHead(500, { 'Content-Type': 'application/json' });
        res.end(JSON.stringify({ error: '接続数の取得に失敗しました' }));
        return;
      }
      res.writeHead(200, { 'Content-Type': 'application/json' });
      res.end(JSON.stringify({ connections: count }));
    });
  } else {
    res.writeHead(404, { 'Content-Type': 'text/plain' });
    res.end('Not Found');
  }
});

httpServer.listen(8080, () => {
  console.log('HTTPサーバーがポート8080で起動しました。');
});
  1. net.createServer() でTCPサーバーを作成し、接続されたクライアントのソケットを処理します。
  2. http.createServer() でHTTPサーバーを作成します。
  3. /connections エンドポイントへのリクエストを処理し、server.getConnections() を使用して接続数を取得し、JSON形式でレスポンスを返します。
  4. TCPサーバーとHTTPサーバーをそれぞれ異なるポートで起動します。


代替方法

    • server.on('connection', ...) イベントと socket.on('close', ...) イベントを使用して、接続数を手動でカウントします。
    • この方法では、接続数の増減を正確に把握し、より柔軟な制御が可能です。
    const net = require('net');
    
    let connectionCount = 0;
    
    const server = net.createServer((socket) => {
      connectionCount++;
      console.log(`クライアントが接続しました。現在の接続数: ${connectionCount}`);
    
      socket.on('close', () => {
        connectionCount--;
        console.log(`クライアントが切断しました。現在の接続数: ${connectionCount}`);
      });
    });
    
    server.listen(3000, () => {
      console.log('サーバーがポート3000で起動しました。');
    });
    
    // 定期的に接続数を表示
    setInterval(() => {
      console.log(`現在の接続数(手動管理): ${connectionCount}`);
    }, 5000);
    
    • 利点
      • 正確な接続数の管理が可能。
      • 接続数の増減をリアルタイムで把握できる。
      • より詳細な制御が可能。
    • 欠点
      • 手動でカウントする必要があるため、コードが複雑になる可能性がある。
      • エラー処理を適切に行う必要がある。
  1. net.Server オブジェクトの sockets プロパティを使用する (実験的)

    • server.sockets プロパティは、現在接続されているソケットのセットを保持しています。
    • このプロパティの size を取得することで、接続数を取得できます。
    • ただし、このプロパティは実験的なものであり、将来的に変更される可能性があります。
    const net = require('net');
    
    const server = net.createServer((socket) => {
      console.log('クライアントが接続しました。');
    
      socket.on('close', () => {
        console.log('クライアントが切断しました。');
      });
    });
    
    server.listen(3000, () => {
      console.log('サーバーがポート3000で起動しました。');
    });
    
    setInterval(() => {
      console.log(`現在の接続数(server.sockets.size): ${server.sockets?.size || 0}`);
    }, 5000);
    
    • 利点
      • 比較的簡単に接続数を取得できる。
    • 欠点
      • 実験的な機能であり、将来的に変更される可能性がある。
      • エラー処理を適切に行う必要がある。
      • server.socketsがundefinedになる可能性があるので、nullish coalescing演算子などで、undefinedの際の処理を行う必要がある。
  2. 外部の監視ツールを使用する

    • Prometheus、Grafana、Datadogなどの外部の監視ツールを使用して、サーバーの接続数を監視できます。

    • これらのツールは、より詳細なメトリクスを提供し、リアルタイムの監視やアラート機能などを備えています。

    • アプリケーションの規模が大きくなると、監視ツールを導入すると、より効率良く監視、管理ができます。

    • 利点

      • 詳細なメトリクスと監視機能。
      • リアルタイムの監視とアラート。
      • 大規模なアプリケーションに適している。
    • 欠点

      • 設定や管理に手間がかかる。
      • 外部ツールを導入する必要がある。

代替方法の選択

  • より詳細な監視が必要な場合は、外部の監視ツールを検討してください。
  • 実験的な機能を使用しても問題がない場合は、server.sockets プロパティを使用できます。
  • 単純な接続数のカウントが必要な場合は、手動で管理する方法が適しています。