"Node.js" の "blockList.rules" について解説して

2024-08-01

blockList.rules とは?

Node.js の blockList.rules は、ネットワーク接続を制限するためのルールを記述する文字列の配列です。この機能は、v15.0.0 から導入され、特定の IP アドレス、ホスト名、またはネットワーク範囲からの接続をブロックすることができます。

使用例

const net = require('net');

// 阻止リストにルールを追加
net.blockList.rules = [
    '192.168.1.100',   // 特定の IP アドレス
    'example.com',  // 特定のホスト名
    '10.0.0.0/24',  // ネットワーク範囲
];

// サーバーを作成
const server = net.createServer();
server.listen(8080, () => {
  console.log('Server listening on port 8080');
});

上記の例では、192.168.1.100 という IP アドレスからの接続、example.com というホスト名への接続、および 10.0.0.0/24 というネットワーク範囲からの接続がブロックされます。

ルールの書き方

  • ネットワーク範囲
    CIDR 表記でネットワーク範囲を指定します。
  • ホスト名
    完全に修飾されたドメイン名 (FQDN) を指定します。
  • IP アドレス
    IPv4 または IPv6 アドレスを直接指定します。
  • セキュリティ
    blockList.rules は強力なツールですが、誤った設定は意図しない結果を引き起こす可能性があります。慎重にルールを作成し、テストを行うことが重要です。
  • 他のモジュールとの関係
    net モジュールだけでなく、他のネットワーク関連のモジュールでも blockList.rules が利用できる場合があります。
  • ブロックのタイミング
    blockList.rules にルールを追加した後、新しい接続が試みられた際にブロックされます。既存の接続は影響を受けません。

blockList.rules は、Node.js アプリケーションのネットワークセキュリティを強化するための便利な機能です。特定の IP アドレスやホストからの接続をブロックすることで、攻撃を防いだり、意図しないトラフィックを制限することができます。



よくあるエラーと解決策

  • TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'listen')
    • 原因: サーバーの作成に失敗している。
    • 解決策: サーバーの作成方法を確認し、エラーの原因を特定する。
  • Error: Host not found
    • 原因: 指定したホスト名が解決できない。
    • 解決策: DNS 設定を確認し、ホスト名が正しく解決されるか確認する。
  • RangeError: Invalid CIDR notation
    • 原因: CIDR 表記が不正である。
    • 解決策: CIDR 表記の形式を確認し、正しい表記にする。
  • TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'rules')
    • 原因: net.blockList が未定義であるか、rules プロパティが存在しない。
    • 解決策: net モジュールを正しくインポートし、blockList プロパティが利用可能か確認する。

トラブルシューティングのヒント

  • ドキュメントを参照
    Node.js の公式ドキュメントや、net モジュールのドキュメントを詳細に確認します。
  • シンプルな例から始める
    複雑な設定の前に、シンプルな例で blockList.rules が動作することを確認します。
  • ログの確認
    Node.js のログを確認することで、より詳細なエラーメッセージを取得できます。
  • セキュリティ
    blockList.rules はセキュリティ対策の一環ですが、これだけでは十分ではありません。他のセキュリティ対策も併せて行う必要があります。
  • パフォーマンス
    過剰な数のルールを記述すると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • ルールの実行順序
    ルールは上から順に評価されます。より具体的なルールを先に記述すると、意図しないブロックを防ぐことができます。
const net = require('net');

net.blockList.rules = [
    '192.168.1.0/24',  // 社内ネットワーク
    'example.com',  // 特定のドメイン
    '::1',           // ローカルホスト (IPv6)
];

// ... (サーバーの作成など)
  • どのような環境で実行していますか? (ローカル環境、サーバーなど)
  • あなたのコードの抜粋
  • あなたのNode.jsのバージョン
  • 発生している具体的なエラーメッセージ

上記の情報があれば、より的確なアドバイスを提供できます。



特定の IP アドレスとホスト名をブロックする

const net = require('net');

net.blockList.rules = [
    '192.168.1.100',   // 特定の IP アドレス
    'example.com',  // 特定のホスト名
];

const server = net.createServer();
server.listen(8080, () => {
  console.log('Server listening on port 8080');
});

この例では、192.168.1.100 という IP アドレスからの接続と、example.com というホスト名への接続がブロックされます。

ネットワーク範囲をブロックする

const net = require('net');

net.blockList.rules = [
    '10.0.0.0/24',  // 10.0.0.0 から 10.0.0.255 までのネットワーク範囲
];

// ... (サーバーの作成など)

この例では、10.0.0.0/24 というネットワーク範囲からのすべての接続がブロックされます。

複数のルールを組み合わせる

const net = require('net');

net.blockList.rules = [
    '192.168.1.0/24',  // 社内ネットワーク
    'example.com',  // 特定のドメイン
    '::1',           // ローカルホスト (IPv6)
];

// ... (サーバーの作成など)

この例では、複数のルールを組み合わせて、より複雑な制限を行うことができます。

動的にルールを追加する

const net = require('net');

// 初期化
net.blockList.rules = ['192.168.1.100'];

// 動的にルールを追加
function addRule(rule) {
    net.blockList.rules.push(rule);
}

addRule('example.com');

// ... (サーバーの作成など)

この例では、addRule 関数を使って、実行中に動的にルールを追加することができます。

const fs = require('fs');
const net = require('net');

// ファイルからルールを読み込む
const rules = fs.readFileSync('blocklist.txt', 'utf8').split('\n');

net.blockList.rules = rules;

// ... (サーバーの作成など)

この例では、blocklist.txt というファイルからルールを読み込んで、blockList.rules に設定します。

  • カスタムロジック
    net モジュールのイベントをフックすることで、より高度なフィルタリングを行うことができます。
  • 特定のポートをブロック
    残念ながら、blockList.rules ではポートを直接ブロックすることはできません。ポートをブロックしたい場合は、ファイアウォールなどの他の手段を用いる必要があります。
  • ルールの数は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • ルールを誤って設定すると、意図しない結果を引き起こす可能性があります。
  • blockList.rules は、あくまでネットワーク接続を制限するための機能であり、完全なセキュリティ対策ではありません。


Node.js の blockList.rules は特定のネットワーク接続をブロックする便利な機能ですが、より高度な制御や柔軟性が必要な場合、他の方法を検討する必要があります。

ファイアウォールを利用する

  • ハードウェアファイアウォール
    • ネットワーク機器に組み込まれたファイアウォールは、大規模なネットワーク環境や高度なセキュリティ対策に適しています。
  • OSレベルのファイアウォール
    • iptables (Linux) や Windows Firewall など、OSに組み込まれたファイアウォールを利用することで、より詳細なルール設定が可能になります。
    • ポート番号、IPアドレス、プロトコルなど、多様な条件でトラフィックを制御できます。

Proxy サーバーを利用する

  • SOCKS プロキシ
    • TCP/UDP トラフィックをプロキシサーバーを経由させることで、より汎用的なプロキシ機能を提供します。
  • HTTP/HTTPS プロキシ
    • すべての HTTP/HTTPS トラフィックをプロキシサーバーを経由させることで、リクエストを検査し、特定のホストへの接続を拒否できます。

Node.js のイベントフックを利用する

  • net モジュールのイベント
    • connection イベントで接続要求を受け取り、その情報を元に接続を許可するか拒否するかを判断できます。
    • socket オブジェクトの remoteAddressremotePort プロパティから、接続元の情報を得ることができます。
const net = require('net');

const server = net.createServer((socket) => {
    const remoteAddress = socket.remoteAddress;
    const remotePort = socket.remotePort;

    if (remoteAddress === '192.168.1.100') {
        socket.destroy(); // 接続を切断
        console.log('接続を拒否:', remoteAddress, remotePort);
    } else {
        // 接続を許可
        console.log('接続を許可:', remoteAddress, remotePort);
    }
});

サードパーティ製のライブラリを利用する

  • 他の Node.js パッケージ
    • express-ipfilter など、IP アドレスによるアクセス制限に特化したパッケージもあります。
  • Express.js のミドルウェア
    • Express.js のミドルウェアを使って、HTTP リクエストをフィルタリングできます。

DNS レベルでの制御

  • DNS サーバー
    • DNS サーバーの設定を変更することで、特定のドメインへのアクセスを拒否できます。
  • 管理の容易さ
    設定や管理が容易な方法を選ぶことも重要です。
  • 柔軟性
    ルールを動的に変更したり、複雑な条件を設定したい場合は、柔軟な方法を選ぶ必要があります。
  • パフォーマンス
    大量のトラフィックを処理する場合、パフォーマンスが重要な要素になります。
  • 制御の細かさ
    ポート番号、プロトコル、IPアドレスなど、どのレベルで制御したいか。

blockList.rules はシンプルなネットワーク制限に適していますが、より高度な制御が必要な場合は、ファイアウォール、プロキシサーバー、イベントフック、サードパーティ製ライブラリ、DNS レベルでの制御など、様々な方法を組み合わせることで、より柔軟かつ安全なネットワーク環境を実現できます。

どの方法を選ぶかは、システムの規模、セキュリティ要件、運用環境などによって異なります。

  • 既存のシステムにどのような変更を加えることができますか?
  • どのようなセキュリティレベルを求めていますか?
  • どのような種類のトラフィックをブロックしたいですか? (特定のIPアドレス、ポート、プロトコルなど)
  • どのようなネットワーク環境ですか? (ローカルネットワーク、クラウドなど)