Information Schema MyRocksテーブルの代替方法:ニーズに合った最適な方法を選択
MariaDBのInformation Schema MyRocksテーブルは、MyRocksエンジンで作成されたテーブルに関するメタデータへのアクセスを提供します。これらのテーブルは、データベース管理者や開発者が、MyRocksテーブルの構造と特性を理解し、パフォーマンスを最適化するために役立ちます。
主要なInformation Schema MyRocksテーブル
以下の表は、主要なInformation Schema MyRocksテーブルとその説明を示します。
テーブル名 | 説明 |
---|---|
INNODB_TABLES | MyRocksエンジンで作成されたすべてのテーブルに関する情報を格納します。 |
INNODB_TABLE_COLUMNS | 各MyRocksテーブルの列に関する情報を格納します。 |
INNODB_INDEXES | 各MyRocksテーブルのインデックスに関する情報を格納します。 |
INNODB_PARTITIONS | パーティショニングされたMyRocksテーブルに関する情報を格納します。 |
INNODB_TABLE_STATS | 各MyRocksテーブルの統計情報に関する情報を格納します。 |
各テーブルの詳細
以下のセクションでは、各主要なInformation Schema MyRocksテーブルについて詳しく説明します。
INNODB_TABLES
INNODB_TABLESテーブルは、MyRocksエンジンで作成されたすべてのテーブルに関する情報を格納します。各行は、単一のMyRocksテーブルを表します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
TABLE_SCHEMA | VARCHAR(255) | テーブルが属するスキーマ名 |
TABLE_NAME | VARCHAR(255) | テーブル名 |
ENGINE | VARCHAR(255) | テーブルエンジン (常に'ROCKSDB') |
TABLE_TYPE | VARCHAR(255) | テーブルタイプ ('BASE TABLE' または 'VIEW') |
TABLE_ROW_COUNT | BIGINT | テーブル内の行数 |
DATA_LENGTH | BIGINT | テーブルデータのサイズ (バイト単位) |
INDEX_LENGTH | BIGINT | インデックスデータのサイズ (バイト単位) |
TABLE_AUTO_INCREMENT | BIGINT | テーブルのオートインクリメントカラムの現在の値 |
CREATE_TIME | DATETIME | テーブルの作成日時 |
UPDATE_TIME | DATETIME | テーブルの最後の更新日時 |
CHECK_TIME | DATETIME | テーブルの最後のチェック日時 |
TABLE_COLLATION | VARCHAR(255) | テーブルの文字セット照合順序 |
INNODB_TABLE_COLUMNS
INNODB_TABLE_COLUMNSテーブルは、各MyRocksテーブルの列に関する情報を格納します。各行は、単一のMyRocksテーブル列を表します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
TABLE_SCHEMA | VARCHAR(255) | 列が属するスキーマ名 |
TABLE_NAME | VARCHAR(255) | 列が属するテーブル名 |
COLUMN_NAME | VARCHAR(255) | 列名 |
ORDINAL_POSITION | INT(11) | 列の順序 (1から始まる) |
COLUMN_DEFAULT | VARCHAR(255) | 列のデフォルト値 |
IS_NULLABLE | VARCHAR(3) | 列がNULL値を許容するかどうか ('YES' または 'NO') |
DATA_TYPE | VARCHAR(255) | 列のデータ型 |
CHARACTER_SET_NAME | VARCHAR(255) | 列の文字セット名 (該当する場合) |
COLLATION_NAME | VARCHAR(255) | 列の照合順序名 (該当する場合) |
COLUMN_KEY | VARCHAR(3) | 列がプライマリキーまたはインデックスの一部かどうか ('PRI'、'UNI'、'MUL'、またはなし) |
EXTRA | VARCHAR(255) | 列に関する追加情報 (例: 'AUTO_INCREMENT') |
INNODB_INDEXES
INNODB_INDEXESテーブルは、各MyRocksテーブルのインデックスに関する情報を格納します。各行は、単一のMyRocksテーブルインデックスを表します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
TABLE_SCHEMA | VARCHAR(255) | インデックスが属するスキーマ名 |
TABLE_NAME | VARCHAR(255) | インデックスが属するテーブル名 |
INDEX_NAME | VARCHAR(255) | インデックス名 |
INDEX_TYPE | VARCHAR(3) | インデックスの種類 ('PRIMARY'、'UNIQUE'、'FULLTEXT'、'SPATIAL'、またはなし) |
INDEX_COLUMNS | VARCHAR(255) | インデックス |
SELECT *
FROM INFORMATION_SCHEMA.INNODB_TABLES
WHERE TABLE_NAME = 'my_table';
例2:すべてのMyRocksテーブルの列名を取得
SELECT TABLE_NAME, COLUMN_NAME
FROM INFORMATION_SCHEMA.INNODB_TABLE_COLUMNS;
例3:特定のテーブルのインデックスに関する情報を取得
SELECT *
FROM INFORMATION_SCHEMA.INNODB_INDEXES
WHERE TABLE_NAME = 'my_table';
例4:MyRocksテーブルの統計情報を取得
SELECT *
FROM INFORMATION_SCHEMA.INNODB_TABLE_STATS
WHERE TABLE_NAME = 'my_table';
- 詳細については、MariaDB公式ドキュメントを参照してください。
- Information Schema MyRocksテーブルは、読み取り専用です。
- 上記の例は、MariaDB 10.5以降で動作します。
Information Schema MyRocksテーブルは、MyRocksエンジンで作成されたテーブルに関するメタデータへのアクセスを提供します。しかし、いくつかの代替方法が存在します。
代替方法
- SHOW CREATE TABLE ステートメント
特定のテーブルの構造に関する情報を取得するには、SHOW CREATE TABLE
ステートメントを使用できます。このステートメントは、テーブル定義を含むクエリを返します。
SHOW CREATE TABLE my_table;
-
MyRocks Engine API
MyRocksエンジンは、C++ APIを介して詳細なテーブル情報を提供します。このAPIを使用すると、テーブルの構造、統計情報、パフォーマンスメトリクスなど、Information Schema MyRocksテーブルよりも多くの情報にアクセスできます。 -
サードパーティ製ツール
MyRocks ManagerやPercona Toolkitなどのサードパーティ製ツールは、MyRocksテーブルに関する情報を表示するためのグラフィカルなインターフェースを提供します。
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
Information Schema MyRocksテーブル | 標準のSQLインターフェースを使用 | 詳細情報が限られている |
SHOW CREATE TABLE ステートメント | 特定のテーブルに関する情報を簡単に取得 | 詳細情報が限られている |
MyRocks Engine API | 最も詳細な情報へのアクセス | C++プログラミングの知識が必要 |
サードパーティ製ツール | 使いやすいグラフィカルインターフェース | ツールのインストールとセットアップが必要 |
最適な方法の選択
最適な方法は、ニーズによって異なります。必要な情報量と、プログラミングの知識やツールのインストールに費やす時間と労力を考慮する必要があります。
例
以下の例は、SHOW CREATE TABLE
ステートメントを使用して、my_table
テーブルの構造に関する情報を取得する方法を示しています。
SHOW CREATE TABLE my_table;
このクエリは、次の出力を返します。
CREATE TABLE `my_table` (
`id` INT(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT,
`name` VARCHAR(255) NOT NULL,
`email` VARCHAR(255) NOT NULL,
`created_at` DATETIME NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP,
`updated_at` DATETIME NOT NULL DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP,
PRIMARY KEY (`id`)
) ENGINE=ROCKSDB;
この出力には、テーブル名、列名、データ型、制約などの情報が含まれています。