Python で MariaDB の PROCESSLIST Table を操作してパフォーマンスを監視する


MariaDB の Information Schema PROCESSLIST Table は、現在実行中のすべてのスレッドに関する情報を提供する貴重なツールです。このテーブルは、データベースのパフォーマンスを監視し、問題を診断し、デバッグを行うために使用できます。

列の説明

PROCESSLIST Table には、各スレッドに関する情報を示す次の列が含まれています。

  • INFO
    追加情報 (実行中のクエリなど)。
  • STATE
    スレッドの現在の状態 (Waiting、Sleeping、Killing など)。
  • TIME
    スレッドが実行を開始してから経過した時間 (秒単位)。
  • COMMAND
    実行中のコマンドの種類 (SELECT、INSERT、UPDATE、DELETE など)。
  • DB
    現在使用されているデータベース (如果没有使用されている場合は NULL)。
  • HOST
    クライアントが接続しているホスト名。
  • USER
    ステートメントを発行した MariaDB ユーザー。
  • ID
    接続識別子。

プログラミングでの活用例

PROCESSLIST Table をプログラムで活用することで、データベースのパフォーマンスに関する詳細な洞察を得ることができます。以下に、いくつかの例を示します。

  • 現在実行中のすべてのクエリを一覧表示する
SELECT * FROM information_schema.processlist;
  • 特定のユーザーが実行しているクエリをすべて表示する
SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE USER = 'username';
  • 実行時間が長いクエリを特定する
SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE TIME > 10;
  • 特定のデータベースで実行されているクエリをすべて表示する
SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE DB = 'database_name';
  • デッドロックを検出する
SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE STATE = 'Waiting for lock';
  • 特定の情報のみが必要な場合は、WHERE 句を使用してクエリを絞り込むことをお勧めします。
  • PROCESSLIST Table は多くの情報を提供するため、大量のデータを取得するクエリを実行すると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • PROCESSLIST Table は頻繁に更新されるため、クエリを実行するたびに結果が異なる場合があります。


すべてのスレッド情報を取得する

import mysql.connector

# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="username",
    password="password",
    database="database_name"
)

# カーソルを取得
cursor = db.cursor()

# PROCESSLIST Table からすべてのデータを取得
cursor.execute("SELECT * FROM information_schema.processlist")

# 結果をフェッチ
results = cursor.fetchall()

# 各スレッド情報を表示
for row in results:
    print(f"ID: {row[0]}")
    print(f"USER: {row[1]}")
    print(f"HOST: {row[2]}")
    print(f"DB: {row[3]}")
    print(f"COMMAND: {row[4]}")
    print(f"TIME: {row[5]}")
    print(f"STATE: {row[6]}")
    print(f"INFO: {row[7]}")
    print("-----------------")

# データベース接続を閉じる
db.close()

特定のユーザーが実行しているクエリをすべて表示する

import mysql.connector

# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="username",
    password="password",
    database="database_name"
)

# カーソルを取得
cursor = db.cursor()

# 特定のユーザーが実行しているクエリを取得
username = "user_name"
cursor.execute(f"SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE USER = '{username}'")

# 結果をフェッチ
results = cursor.fetchall()

# 各スレッド情報を表示
for row in results:
    print(f"ID: {row[0]}")
    print(f"USER: {row[1]}")
    print(f"HOST: {row[2]}")
    print(f"DB: {row[3]}")
    print(f"COMMAND: {row[4]}")
    print(f"TIME: {row[5]}")
    print(f"STATE: {row[6]}")
    print(f"INFO: {row[7]}")
    print("-----------------")

# データベース接続を閉じる
db.close()

実行時間が長いクエリを特定する

import mysql.connector

# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="username",
    password="password",
    database="database_name"
)

# カーソルを取得
cursor = db.cursor()

# 実行時間が長いクエリを取得
threshold_time = 10  # 秒単位の閾値
cursor.execute(f"SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE TIME > {threshold_time}")

# 結果をフェッチ
results = cursor.fetchall()

# 各スレッド情報を表示
for row in results:
    print(f"ID: {row[0]}")
    print(f"USER: {row[1]}")
    print(f"HOST: {row[2]}")
    print(f"DB: {row[3]}")
    print(f"COMMAND: {row[4]}")
    print(f"TIME: {row[5]}")
    print(f"STATE: {row[6]}")
    print(f"INFO: {row[7]}")
    print("-----------------")

# データベース接続を閉じる
db.close()
import mysql.connector

# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="username",
    password="password",
    database="database_name"
)

# カーソルを取得
cursor = db.cursor()

# 特定のデータベースで実行されているクエリを取得
database_name = "database_name"
cursor.execute(f"SELECT * FROM information_schema.processlist WHERE DB = '{database_name}'")

# 結果をフェッチ
results = cursor.fetchall()

# 各スレッド情報を表示
for row in results:
    print(f"ID


Information Schema PROCESSLIST Table は、MariaDB のパフォーマンスを監視し、問題を診断する貴重なツールですが、いくつかの制限があります。代替手段として以下の方法が考えられます。

    • 詳細なパフォーマンス情報を提供し、PROCESSLIST Table よりも包括的です。
    • スロークエリ分析、ロック情報、待機イベントなど、より深い洞察を提供します。
    • より多くのオーバーヘッドが発生する可能性があり、複雑なセットアップが必要となる場合があります。
  1. MySQL Syslog

    • クエリの実行、接続、エラーなど、データベースに関するイベントを記録します。
    • PROCESSLIST Table よりも軽量で、幅広い情報を提供します。
    • ログの分析には、追加の処理が必要となる場合があります。
  2. サードパーティ製ツール

    • SolarWinds Database Performance Monitor
      • 包括的なパフォーマンス監視と診断機能を提供します。
      • PROCESSLIST Table などの情報を可視化します。
      • 有料版のみとなります。
    • dbHawk
      • パフォーマンスボトルネックを特定し、問題を迅速に解決するのに役立ちます。
      • PROCESSLIST Table に代わる詳細なクエリデータを収集します。
      • 無料と有料版があります。
    • Percona Toolkit
      • オープンソースのツールキットで、様々な性能分析機能を提供します。
      • pt-mysql-summary コマンドを使用して、PROCESSLIST Table に似た情報を取得できます。
      • 専門知識が必要となります。

代替手段を選択する際の考慮事項

  • 専門知識
    • ツールをセットアップして使用するために、どのくらいの専門知識が必要ですか?
  • コスト
    • 無料のツールと有料ツールのどちらが必要ですか?
  • 複雑性
    • セットアップと使用にどれくらいの労力をかけられますか?
  • 必要な情報
    • PROCESSLIST Table の基本的な情報のみが必要ですか?
    • 待機イベントやロック情報など、より詳細な情報が必要ですか?
  • 特定のツールの使用方法については、ツールのドキュメントを参照してください。
  • 上記以外にも、代替手段として検討できるツールはいくつかあります。