Django PasswordChangeView: extra_context vs. コンテキストプロセッサ vs. テンプレートコンテキスト

auth.views.PasswordChangeView.extra_context は、Django の認証システムにおけるパスワード変更ビュー PasswordChangeView に追加のコンテキストデータを渡すためのオプション引数です。この引数を使用して、テンプレートで使用できる変数をビューに提供できます。

使い方

extra_context 引数は、PasswordChangeView クラスの as_view メソッドで辞書として渡されます。

from django.contrib.auth.views import PasswordChangeView

class MyPasswordChangeView(PasswordChangeView):
    template_name = 'password_change.html'

    def get_extra_context(self):
        return {
            'my_context_var': 'My value',
        }

この例では、my_context_var という名前の変数が password_change.html テンプレートで使用できるようになります。

例

extra_context 引数を使用して、テンプレートに以下の情報を渡すことができます。

パスワード変更に関するエラーメッセージ
ユーザーに関する情報
ナビゲーションメニュー
ヘッダーとフッターのコンテンツ
サイトのタイトル

利点

extra_context 引数を使用する利点は次のとおりです。

ビューロジックとプレゼンテーションロジックを分離できる
テンプレートコードを簡潔に保てる
テンプレートに動的なデータを簡単に渡せる

注意点

extra_context 引数に渡す変数の名前は、テンプレートで使用される変数名と一致する必要があります。また、渡す変数の型は、テンプレートで想定されている型と一致する必要があります。

extra_context 引数以外にも、PasswordChangeView クラスには、テンプレートの名前、フォームクラス、成功メッセージなど、さまざまなオプション引数があります。これらのオプション引数を使用して、パスワード変更ビューをカスタマイズできます。

例 1: サイトのタイトルとヘッダーのコンテンツを渡す

from django.contrib.auth.views import PasswordChangeView

class MyPasswordChangeView(PasswordChangeView):
    template_name = 'password_change.html'

    def get_extra_context(self):
        return {
            'site_title': 'My Site',
            'header_content': 'Change your password',
        }

この例では、site_title と header_content という名前の変数が password_change.html テンプレートで使用できるようになります。これらの変数は、テンプレートの <title> タグと <h1> タグで使用できます。

例 2: ユーザーに関する情報を渡す

from django.contrib.auth.views import PasswordChangeView

class MyPasswordChangeView(PasswordChangeView):
    template_name = 'password_change.html'

    def get_extra_context(self):
        return {
            'user': self.request.user,
        }

例 3: パスワード変更に関するエラーメッセージを渡す

from django.contrib.auth.views import PasswordChangeView

class MyPasswordChangeView(PasswordChangeView):
    template_name = 'password_change.html'

    def form_valid(self, form):
        self.object = form.save()
        messages.success(self.request, 'Your password has been changed.')
        return super().form_valid(form)

    def form_invalid(self, form):
        messages.error(self.request, 'There was an error changing your password.')
        return super().form_invalid(form)

この例では、messages オブジェクトを使用して、パスワード変更に関するエラーメッセージをユーザーに表示します。messages オブジェクトは、テンプレートでループ処理して、すべてのメッセージを表示するために使用できます。

<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
    <title>{{ site_title }}</title>
</head>
<body>
    <h1>{{ header_content }}</h1>

    {% if user.is_authenticated %}
        <p>Welcome, {{ user.username }}!</p>
    {% else %}
        <p>You are not logged in.</p>
    {% endif %}

    {% for message in messages %}
        <div class="message {{ message.tags }}">
            {{ message.message }}
        </div>
    {% endfor %}

    <form method="post">
        {% csrf_token %}
        {{ form.as_p }}
        <button type="submit">Change password</button>
    </form>
</body>
</html>

代替方法

コンテキストプロセッサを使用する

コンテキストプロセッサは、すべてのテンプレートで使用できる変数を定義するのに役立ちます。extra_context 引数を使用する代わりに、コンテキストプロセッサを使用して、パスワード変更ビューに必要な変数を定義できます。

# settings.py

TEMPLATES = [
    {
        'BACKEND': 'django.template.backends.django.DjangoTemplates',
        'DIRS': [
            'templates',
        ],
        'APP_DIRS': True,
        'OPTIONS': {
            'context_processors': [
                'django.contrib.auth.context_processors.auth',
                'django.contrib.messages.context_processors.messages',
                'my_app.context_processors.my_context_data',  # ここに自分のコンテキストプロセッサを追加する
            ],
        },
    },
]

この例では、my_app.context_processors.my_context_data という名前のコンテキストプロセッサが定義されています。このコンテキストプロセッサは、password_change.html テンプレートで使用できる変数を定義します。

# my_app/context_processors.py

from django.contrib.auth import get_user_model

def my_context_data(request):
    user = request.user
    return {
        'user': user,
        'site_title': 'My Site',
        'header_content': 'Change your password',
    }

テンプレートコンテキストを使用する

テンプレートコンテキストは、特定のテンプレートで使用できる変数を定義するのに役立ちます。extra_context 引数を使用する代わりに、テンプレートコンテキストを使用して、パスワード変更ビューに必要な変数を定義できます。

{% extends 'base.html' %}

{% block content %}
    <h1>Change your password</h1>

    {% if user.is_authenticated %}
        <p>Welcome, {{ user.username }}!</p>
    {% else %}
        <p>You are not logged in.</p>
    {% endif %}

    {% for message in messages %}
        <div class="message {{ message.tags }}">
            {{ message.message }}
        </div>
    {% endfor %}

    <form method="post">
        {% csrf_token %}
        {{ form.as_p }}
        <button type="submit">Change password</button>
    </form>
{% endblock %}

この例では、user、site_title、header_content という名前の変数が password_change.html テンプレートで使用できます。これらの変数は、テンプレート内で直接定義されています。

どちらの代替方法を選択するべきか

どちらの代替方法を選択するかは、状況によって異なります。

テンプレートコンテキストは、特定のテンプレートで使用できる変数を定義する場合に適しています。
コンテキストプロセッサは、すべてのテンプレートで使用できる変数を定義する場合に適しています。

extra_context 引数の利点

extra_context 引数には、以下の利点があります。

他の方法よりもコードが簡潔になる
シンプルで使いやすい

テンプレートコードが冗長になる可能性がある
すべてのテンプレートで使用できる変数を定義できない