Django APIにおけるCSRF保護:徹底解説とサンプルコード
Cross-Site Request Forgery (CSRF) は、Web アプリケーションにおける重大なセキュリティ脆弱性です。攻撃者は、被害者の認証済みセッションを利用して、悪意のあるアクションを実行するように仕向けることができます。Django は、CSRF 攻撃から API を保護するための組み込み機能を提供しています。
CSRF の動作メカニズム
- ユーザーは、被害者サイトにログインします。
- 攻撃者は、被害者サイトへの悪意のあるリクエストを作成します。このリクエストには、被害者の認証済みセッションクッキーが含まれます。
- 攻撃者は、被害者を誘導して、悪意のあるリクエストを実行するように仕向けます。これは、ソーシャルエンジニアリング攻撃などの方法で行われます。
- 被害者が悪意のあるリクエストを実行すると、攻撃者は被害者の認証済みセッションを悪用して、許可されていないアクションを実行することができます。
Django での CSRF 保護
Django は、CSRF 攻撃から API を保護するために以下の機能を提供しています。
- CSRF トークンビュー
このビューは、JavaScript コードで使用される CSRF トークンを生成します。 - CSRF ミドルウェア
このミドルウェアは、すべての POST リクエストを検査し、CSRF トークンが有効かどうかを確認します。CSRF トークンは、Django によって生成され、フォームフィールドまたは hidden フィールドとしてテンプレートにレンダリングされます。
API における CSRF 保護の実装
API ビューで CSRF 保護を有効にするには、次の手順に従います。
django.views.decorators.csrf
モジュールからcsrf_protect
デコレータをインポートします。- ビュー関数を
@csrf_protect
デコレータでデコレーションします。
from django.views.decorators.csrf import csrf_protect
@csrf_protect
def my_api_view(request):
# ...
JavaScript での CSRF トークンの取得
JavaScript コードで CSRF トークンを取得するには、次の手順に従います。
django.core.urlresolvers
モジュールからreverse
関数をインポートします。- CSRF トークンビューの URL を
reverse
関数を使用して取得します。 - AJAX リクエストを使用して、CSRF トークンビューに GET リクエストを送信します。
- レスポンスから CSRF トークンを抽出します。
var csrftoken = getCookie('csrftoken');
$.ajax({
url: reverse('csrf_token'),
method: 'GET',
success: function(response) {
var token = response.data.csrftoken;
// ...
}
});
送信されたフォームに CSRF トークンを含める
送信されたフォームに CSRF トークンを含めるには、次の手順に従います。
- テンプレートで、CSRF トークンフィールドをレンダリングします。
- JavaScript コードを使用して、CSRF トークンをトークンフィールドに設定します。
<input type="hidden" name="csrfmiddlewaretoken" value="{{ csrf_token }}" />
$('input[name=csrfmiddlewaretoken]').val(csrftoken);
ビュー関数のデコレーション
from django.views.decorators.csrf import csrf_protect
@csrf_protect
def my_api_view(request):
# ...
JavaScript での CSRF トークンの取得
var csrftoken = getCookie('csrftoken');
$.ajax({
url: reverse('csrf_token'),
method: 'GET',
success: function(response) {
var token = response.data.csrftoken;
// ...
}
});
送信されたフォームに CSRF トークンを含める
<input type="hidden" name="csrfmiddlewaretoken" value="{{ csrf_token }}" />
$('input[name=csrfmiddlewaretoken]').val(csrftoken);
このコード例は、基本的な CSRF 保護を実装する方法を示しています。より複雑なシナリオについては、Django の CSRF ドキュメントを参照してください。
- 互換性の問題
古いブラウザや一部のライブラリと互換性がない場合があります。 - パフォーマンスへの影響
大規模なアプリケーションでは、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。 - 複雑さ
実装と構成が複雑になる可能性があります。
これらの理由から、一部の開発者は、CSRF 保護の代替方法を検討しています。以下に、いくつかの代替方法と、それぞれの長所と短所をいくつか紹介します。
Origin ヘッダーの検証
Origin ヘッダーには、リクエストが送信されたドメインの情報が含まれています。このヘッダーを使用して、リクエストのオリジンが信頼できるかどうかを確認できます。
長所
- パフォーマンスへの影響が小さい
- シンプルで実装しやすい
短所
- 一部のブラウザでは Origin ヘッダーがサポートされていない
- Origin ヘッダーを偽造できる可能性がある
Referer ヘッダーの検証
Referer ヘッダーには、ユーザーがリクエストにアクセスする前にいたページの情報が含まれています。このヘッダーを使用して、リクエストが信頼できるページからのものであるかどうかを確認できます。
長所
- Origin ヘッダーよりも偽造が難しい
短所
- Referer ヘッダーを偽造できる可能性がある
- Referer ヘッダーが送信されない場合がある
リクエストの整合性チェック
リクエストの整合性チェックでは、リクエスト内のデータの整合性を検証します。これには、ハッシュやデジタル署名を使用できます。
長所
- 高いセキュリティ
短所
- パフォーマンスへの影響が大きい
- 複雑で実装が難しい
ワンタイムトークン
ワンタイムトークンは、各リクエストで使用されるランダムな値です。このトークンをリクエストに含めることで、リクエストが有効であることを確認できます。
長所
- 比較的安全
- シンプルで実装しやすい
短所
- 一部のブラウザではサポートされていない
- トークンの管理が必要
reCAPTCHA
reCAPTCHA は、人間とボットを区別するために使用されるサービスです。reCAPTCHA を使用すると、ユーザーが人間であることを証明する必要があるため、CSRF 攻撃を阻止できます。
長所
- 高い精度
- 比較的使いやすい
短所
- 無料版には制限がある
- ユーザーエクスペリエンスが損なわれる可能性がある
CSRF 保護の代替方法はいくつかありますが、それぞれに長所と短所があります。最良の方法は、特定のニーズに応じて選択する必要があります。
従来の CSRF 保護方法と比較して、代替方法は一般的に次の点で優れています。
- 互換性の問題が少ない
- パフォーマンスへの影響が小さい
- シンプルで実装しやすい