画像データをデータベースに格納？ Django で RasterField を使いこなす

"django.contrib.gis" は、Django に空間データの機能を追加する拡張モジュールです。 "gis.db.models.RasterField" は、このモジュールの機能の一つで、ラスターデータをデータベースに格納するためのフィールドです。ラスターデータは、標高データや衛星画像などの画像形式の空間データです。

使い方

"gis.db.models.RasterField" は、他の Django フィールドと同様にモデルで使用できます。以下の例は、Elevation という名前のモデルでラスターデータフィールド rast を定義する方法を示しています。

from django.contrib.gis.db import models

class Elevation(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=100)
    rast = models.RasterField()

このモデルのインスタンスを作成して、ラスターデータを設定できます。以下の例は、rast フィールドに raster_data という名前の GDALRaster オブジェクトを設定する方法を示しています。

elevation = Elevation.objects.create(name="Mount Fuji")
elevation.rast = raster_data
elevation.save()

空間検索

"gis.db.models.RasterField" は、空間検索に使用できます。以下の例は、rast フィールドと交差するすべての Zipcode インスタンスを取得する方法を示しています。

from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry

zipcode_poly = GEOSGeometry('POLYGON ((-74.0059, 40.7128), (-74.0081, 40.7128), (-74.0081, 40.7074), (-74.0059, 40.7074), (-74.0059, 40.7128))', srid=4326)

zipcodes = Zipcode.objects.filter(poly__intersects=zipcode_poly)

制限事項

"gis.db.models.RasterField" は、現在 PostGIS バックエンドのみで実装されています。また、空間データベース関数や集計は、ラスターフィールドに対してはまだ実装されていません。

"gis.db.models.RasterField" について詳しくは、以下のドキュメントを参照してください。

"django.contrib.gis" は、空間データを使用する Django アプリケーションを開発するための強力なツールです。 "gis.db.models.RasterField" は、このツールセットの一部であり、ラスターデータをデータベースに格納して操作するための便利な方法を提供します。

from django.contrib.gis.db import models

class Elevation(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=100)
    rast = models.RasterField()

例 2: ラスターデータの設定

以下のコードは、rast フィールドに raster_data という名前の GDALRaster オブジェクトを設定する方法を示しています。

from django.contrib.gis.db import models
from gdal import Open

elevation = Elevation.objects.create(name="Mount Fuji")
raster_data = Open('elevation.tif')
elevation.rast.from_raw(raster_data)
elevation.save()

例 3: 空間検索

以下のコードは、rast フィールドと交差するすべての Zipcode インスタンスを取得する方法を示しています。

from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from django.contrib.gis.models import Zipcode

zipcode_poly = GEOSGeometry('POLYGON ((-74.0059, 40.7128), (-74.0081, 40.7128), (-74.0081, 40.7074), (-74.0059, 40.7074), (-74.0059, 40.7128))', srid=4326)

zipcodes = Zipcode.objects.filter(poly__intersects=zipcode_poly)

例 4: ラスターデータの取得

以下のコードは、rast フィールドの GDALRaster オブジェクトを取得する方法を示しています。

from django.contrib.gis.db import models
from gdal import GdalRaster

elevation = Elevation.objects.get(name="Mount Fuji")
raster_data = GdalRaster(elevation.rast)

例 5: ラスターデータの処理

以下のコードは、raster_data オブジェクトを使用してラスターデータを処理する方法を示しています。

import numpy as np

data = raster_data.ReadAsArray()
print(np.min(data))
print(np.max(data))

より複雑な処理については、GDAL と NumPy のドキュメントを参照してください。
GDAL と NumPy のインストールが必要です。
上記のコードは、Django バージョン 3.2 以降での使用を想定しています。

GeoDjango GeoManager

GeoDjango の GeoManager を使用して、ラスターデータを含む空間クエリを実行できます。以下の例は、rast フィールドと交差するすべての Zipcode インスタンスを取得する方法を示しています。

from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry
from django.contrib.gis.models import Zipcode

zipcode_poly = GEOSGeometry('POLYGON ((-74.0059, 40.7128), (-74.0081, 40.7128), (-74.0081, 40.7074), (-74.0059, 40.7074), (-74.0059, 40.7128))', srid=4326)

zipcodes = Zipcode.objects.filter(rast__intersects=zipcode_poly)

カスタムフィールド

gis.db.models.RasterField の機能を拡張するために、カスタムフィールドを作成することもできます。以下の例は、RasterField クラスを継承するカスタムフィールド MyRasterField を定義する方法を示しています。

from django.contrib.gis.db import models
from django.contrib.gis.geos import GEOSGeometry

class MyRasterField(models.RasterField):
    def get_raw_value(self, instance):
        # ラスターデータを取得
        raster_data = instance.rast

        # 処理
        data = raster_data.ReadAsArray()
        processed_data = data * 2

        # バイナリデータに変換
        binary_data = processed_data.tobytes()

        return binary_data

    def set_raw_value(self, instance, value):
        # バイナリデータからラスターデータを作成
        raster_data = GdalRaster(value)

        # フィールドに設定
        instance.rast = raster_data

外部ストレージ

ラスターデータをデータベースに格納する代わりに、ファイルシステムなどの外部ストレージに格納することもできます。以下の例は、rast フィールドをファイルパスのテキストフィールドとして定義する方法を示しています。

from django.db import models

class Elevation(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=100)
    rast_path = models.CharField(max_length=255)

    def get_rast(self):
        # ファイルからラスターデータを読み込み
        raster_data = Open(self.rast_path)

        return raster_data

    def set_rast(self, raster_data):
        # ラスターデータをファイルに保存
        raster_data.SaveAs('elevation.tif')

        # ファイルパスをフィールドに設定
        self.rast_path = 'elevation.tif'

データベース以外のソリューション

ラスターデータを大量に処理する必要がある場合は、PostgreSQL などの空間データベースや、Hadoop などのビッグデータプラットフォームを使用することを検討することもできます。

最適な方法の選択

最適な方法は、アプリケーションの要件によって異なります。以下の点を考慮する必要があります。

開発の容易さ
ストレージコスト
処理速度
ラスターデータの量