Django admin.ModelAdmin.history_view() の代替方法


admin.ModelAdmin.history_view() は、Django admin サイトでモデルオブジェクトの変更履歴を表示するビュー関数を定義するためのメソッドです。このメソッドは、各モデルクラスの ModelAdmin サブクラスでオーバーライドすることで、履歴表示の外観や動作をカスタマイズすることができます。

機能

history_view() メソッドは、以下の機能を提供します。

  • ユーザーは、変更履歴エントリをクリックして、その時点でのオブジェクトの状態を表示することができます。
  • 各変更履歴エントリには、変更日時、変更者、変更されたフィールド、変更前後の値などが表示されます。
  • モデルオブジェクトの変更履歴をリスト形式で表示します。

使用方法

history_view() メソッドは、以下の引数を受け取ります。

  • object_id: 変更履歴を表示するモデルオブジェクトのID
  • request: 現在のHTTPリクエスト

このメソッドは、テンプレートファイルをレンダリングして、変更履歴を表示するHTMLレスポンスを返します。デフォルトのテンプレートファイルは admin/history/object_history.html です。

カスタマイズ

history_view() メソッドは、以下の方法でカスタマイズすることができます。

  • 変更履歴エントリの詳細ページをカスタマイズする
  • 表示する変更履歴エントリのフィールドをカスタマイズする
  • デフォルトのテンプレートファイルをオーバーライドする

以下の例は、history_view() メソッドをオーバーライドして、表示する変更履歴エントリのフィールドをカスタマイズする方法を示しています。

from django.contrib import admin

class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
    def history_view(self, request, object_id, extra_context=None):
        history = self.get_queryset(request).filter(object_id=object_id)
        context = dict(history=history)
        context.update(extra_context or {})
        return self.render(request, 'myadmin/history/object_history.html', context)

この例では、history_view() メソッドは、myadmin/history/object_history.html というテンプレートファイルをレンダリングします。このテンプレートファイルは、history という変数に、変更履歴エントリのリストが渡されます。

admin.ModelAdmin.history_view() メソッドの詳細については、以下のドキュメントを参照してください。



{% extends 'admin/base.html' %}

{% block content %}
  <h1>変更履歴</h1>

  <table>
    <thead>
      <tr>
        <th>日時</th>
        <th>変更者</th>
        <th>フィールド</th>
        <th>変更前</th>
        <th>変更後</th>
      </tr>
    </thead>
    <tbody>
      {% for change in history %}
        <tr>
          <td>{{ change.timestamp|timesince }}</td>
          <td>{{ change.user|default:'' }}</td>
          <td>{{ change.field }}</td>
          <td>{{ change.old_value }}</td>
          <td>{{ change.new_value }}</td>
        </tr>
      {% endfor %}
    </tbody>
  </table>
{% endblock %}

このテンプレートでは、以下の項目が表示されます。

  • 変更前後の値
  • 変更されたフィールド
  • 変更者
  • 変更日時

表示する変更履歴エントリのフィールドをカスタマイズする

history_view() メソッドの date_column および field_columns 引数を使用して、表示する変更履歴エントリのフィールドをカスタマイズすることができます。

from django.contrib import admin

class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
    date_column = 'timestamp'
    field_columns = ('field', 'old_value', 'new_value')

    def history_view(self, request, object_id, extra_context=None):
        history = self.get_queryset(request).filter(object_id=object_id)
        context = dict(history=history)
        context.update(extra_context or {})
        return self.render(request, 'myadmin/history/object_history.html', context)

この例では、以下の項目が表示されます。

  • 変更前後の値
  • 変更されたフィールド
  • 変更日時

変更履歴エントリの詳細ページをカスタマイズする

history_view() メソッドの detail_template 引数を使用して、変更履歴エントリの詳細ページをカスタマイズすることができます。

from django.contrib import admin

class MyModelAdmin(admin.ModelAdmin):
    detail_template = 'myadmin/history/object_detail.html'

    def history_view(self, request, object_id, extra_context=None):
        history = self.get_queryset(request).filter(object_id=object_id)
        context = dict(history=history)
        context.update(extra_context or {})
        return self.render(request, 'myadmin/history/object_history.html', context)

この例では、myadmin/history/object_detail.html というテンプレートファイルが、変更履歴エントリの詳細ページとしてレンダリングされます。



サードパーティ製アプリを使用する

django-admin-toolsdjango-simple-history などのサードパーティ製アプリは、admin.ModelAdmin.history_view() よりも高度な機能を提供します。これらのアプリは、以下の機能を提供することがあります。

  • 変更履歴へのコメント機能
  • 変更履歴のエクスポート機能
  • フィルタリングとソート機能
  • より詳細な変更履歴表示

カスタムビューを作成する

admin.ModelAdmin.history_view() を完全に置き換えるために、カスタムビューを作成することもできます。この方法により、表示と機能を完全に制御できますが、より多くの作業が必要になります。

シグナルを使用する

モデルオブジェクトが保存されるたびにシグナルを送信し、そのシグナルをリスナーとして登録することで、変更履歴を独自に処理することができます。この方法により、柔軟性がありますが、複雑さも増します。

各方法の比較

方法利点欠点
サードパーティ製アプリ簡単、機能が豊富導入コスト、複雑さ
カスタムビュー完全な制御作業量、複雑さ
シグナル柔軟性複雑さ

最適な方法の選択

最適な方法は、ニーズとスキルレベルによって異なります。

  • 柔軟性が重要で、複雑さを許容できる場合は、シグナルを使用することができます。
  • 完全な制御が必要で、複雑なロジックを実装する必要がある場合は、カスタムビューを作成する必要があります。
  • 簡単で機能豊富な方法が必要な場合は、サードパーティ製アプリを使用するのが良いでしょう。