CSSの「Miscellaneous」における「font-synthesis-small-caps」プログラミング解説


CSSの「font-synthesis-small-caps」プロパティは、フォントファミリーに小文字大文字(スモールキャップス)スタイルが定義されていない場合、ブラウザがスモールキャップススタイルを合成することを許可するものです。スモールキャップスは、大文字の形状を維持しながら、小文字のサイズに縮小された文字です。

構文

font-synthesis-small-caps: auto | none;
  • none: ブラウザによるスモールキャップススタイルの合成を禁止します。
  • auto: ブラウザがスモールキャップススタイルを合成することを許可します。

初期値

auto

適用範囲

すべての要素

ブラウザサポート

主要なブラウザで広くサポートされています。

p {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-synthesis-small-caps: auto;
}

この例では、p要素内のすべてのテキストがArialフォントで表示されます。Arialフォントにスモールキャップススタイルが定義されていない場合、ブラウザは自動的にスモールキャップススタイルを合成します。

  • スモールキャップススタイルは、すべてのフォントで利用できるわけではありません。フォントファミリーにスモールキャップススタイルが定義されていない場合、ブラウザは独自のアルゴリズムを使用してスモールキャップススタイルを合成します。その結果、フォントによってスモールキャップスの外観が異なる場合があります。
  • font-variantプロパティのsmall-caps値と似ていますが、font-synthesis-small-capsプロパティはフォントファミリーにスモールキャップススタイルが定義されていない場合のみ適用されます。


スモールキャップスをすべてのテキストに適用

body {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-synthesis-small-caps: auto;
}

特定の要素にスモールキャップスを適用

h1, h2, h3 {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-synthesis-small-caps: auto;
}

このコードは、h1h2h3要素内のすべてのテキストをArialフォントで表示し、スモールキャップススタイルを自動的に合成します。

特定の単語にスモールキャップスを適用

span.small-caps {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-synthesis-small-caps: auto;
}

このコードは、span要素でクラス名「small-caps」を持つすべてのテキストをArialフォントで表示し、スモールキャップススタイルを自動的に合成します。

p {
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-synthesis-small-caps: none;
}


最もシンプルな代替方法は、スモールキャップスを含む代替フォントを使用することです。Google FontsなどのWebフォントサービスには、スモールキャップスを含む様々なフォントが用意されています。

例:

p {
  font-family: 'EB Garamond', serif;
}

この例では、EB Garamondフォントが指定されています。このフォントにはスモールキャップスが含まれているため、font-synthesis-small-capsプロパティを使用する必要はありません。

疑似要素を使用する

::beforeおよび::after疑似要素を使用して、スモールキャップス効果を再現することができます。この方法は、フォントファミリーにスモールキャップスが含まれていない場合に役立ちます。

span.small-caps {
  position: relative;
}

span.small-caps::before {
  content: attr(data-text);
  font-family: Arial, sans-serif;
  font-size: 80%;
  position: absolute;
  top: 50%;
  left: 0;
  transform: translateY(-50%);
  color: #ccc;
}

この例では、span要素にクラス名「small-caps」を持つすべてのテキストに対して、疑似要素を使用してスモールキャップス効果を再現します。

JavaScriptを使用する

JavaScriptを使用して、スモールキャップス効果を動的に生成することもできます。この方法は、より柔軟な制御が可能ですが、複雑さも増します。

const elements = document.querySelectorAll('.small-caps');

for (const element of elements) {
  const text = element.textContent;
  const smallCaps = text.toUpperCase().replace(/[^A-Z]/g, '');
  element.innerHTML = `<i>${smallCaps}</i>`;
}

この例では、JavaScriptを使用して、small-capsクラスを持つすべての要素に対して、スモールキャップス効果を動的に生成します。

上記のように、"font-synthesis-small-caps"にはいくつかの代替方法があります。状況に応じて適切な方法を選択してください。

  • JavaScriptを使用する方法は、最も柔軟な方法ですが、複雑さも増し、パフォーマンスへの影響も考慮する必要があります。
  • 疑似要素を使用する方法は、フォントファミリーを変更する必要がないため、レイアウトが崩れる可能性が低くなりますが、CSSコードが複雑になります。
  • 代替フォントを使用する方法は、最も簡単で確実な方法ですが、フォントファミリーを変更する必要があるため、レイアウトが崩れる可能性があります。