:visited」の落とし穴と代替方法:プライバシーを守りつつ訪問済みリンクを管理
:visited
は CSS の擬似クラスの一つで、ユーザーが過去に訪問したハイパーリンクにスタイルを適用するために使用されます。例えば、訪問済みのリンクをグレー色にしたり、下線を消したりすることができます。
:visited
は、プライバシー上の理由から、適用できるスタイルが制限されています。具体的には、以下のプロパティのみ変更できます。
outline-color
text-decoration
border-color
background-color
color
構文
:visited
は、ハイパーリンクを表す <a>
要素に対してのみ使用できます。構文は以下の通りです。
a:visited {
/* スタイル定義 */
}
例
以下の例では、訪問済みのリンクの文字色を青色に、下線を消しています。
a:visited {
color: blue;
text-decoration: none;
}
注意点
:visited
を使用する場合、以下の点に注意する必要があります。
- ユーザーが閲覧履歴を消去した場合、
:visited
で設定したスタイルが適用されなくなります。 - ブラウザによって、デフォルトのスタイルが異なります。
- プライバシー上の理由から、適用できるスタイルが制限されています。
:visited
は、ユーザーの閲覧履歴を取得する手段として悪用される可能性があります。そのため、倫理的な観点から使用を控えるべきだという意見もあります。
訪問済みのリンクをグレー色にする
a:visited {
color: gray;
}
訪問済みのリンクの下線を消す
a:visited {
text-decoration: none;
}
訪問済みのリンクに背景色を追加する
a:visited {
background-color: #eee;
}
訪問済みのリンクの境界線を青色にする
a:visited {
border-color: blue;
}
a:visited {
color: blue;
text-decoration: none;
background-color: #eee;
}
以下のコードは、訪問済みのリンクに様々なスタイルを適用する例です。
/* 訪問済みのリンクを太字にする */
a:visited {
font-weight: bold;
}
/* 訪問済みのリンクにマージンを追加する */
a:visited {
margin: 5px;
}
/* 訪問済みのリンクにパディングを追加する */
a:visited {
padding: 5px;
}
/* 訪問済みのリンクに影を追加する */
a:visited {
box-shadow: 2px 2px 5px rgba(0, 0, 0, 0.2);
}
そこで、ここでは :visited
の代替方法として、以下の3つの方法をご紹介します。
JavaScript を使用する
JavaScript を使用すれば、ブラウザの履歴に頼らずに、訪問済みのリンクを判定することができます。具体的には、以下の方法があります。
History API
を使用する:History API
を使用して、ブラウザの履歴情報を取得します。sessionStorage
を使用する:sessionStorage
に、訪問したリンクのURLを保存しておきます。localStorage
を使用する:localStorage
に、訪問したリンクのURLを保存しておきます。
これらの方法を組み合わせることで、より柔軟な訪問済み判定が可能になります。
例:localStorage を使用する
// 訪問済み判定
function isVisited(url) {
const visitedLinks = JSON.parse(localStorage.getItem('visitedLinks') || '[]');
return visitedLinks.includes(url);
}
// リンクのクリックイベントハンドラ
document.addEventListener('click', function(event) {
const target = event.target;
if (target.tagName.toLowerCase() === 'a' && !isVisited(target.href)) {
// 訪問済みのリンクではない場合
target.style.color = 'gray'; // 訪問済みのリンクにスタイルを適用
visitedLinks.push(target.href);
localStorage.setItem('visitedLinks', JSON.stringify(visitedLinks));
}
});
Cookie を使用する
Cookie を使用すれば、ブラウザの履歴に頼らずに、訪問済みのリンクを判定することができます。ただし、Cookie はユーザーの同意を得ずに使用することはできないため、注意が必要です。
例:Cookie を使用する
// 訪問済み判定
function isVisited(url) {
const visitedLinks = document.cookie.split(';').map(pair => pair.split('=')[0].trim()).filter(name => name === 'visitedLinks');
if (visitedLinks.length > 0) {
const visitedLinksData = JSON.parse(visitedLinks[0]);
return visitedLinksData.includes(url);
}
return false;
}
// リンクのクリックイベントハンドラ
document.addEventListener('click', function(event) {
const target = event.target;
if (target.tagName.toLowerCase() === 'a' && !isVisited(target.href)) {
// 訪問済みのリンクではない場合
target.style.color = 'gray'; // 訪問済みのリンクにスタイルを適用
let visitedLinks = [];
if (isVisited(target.href)) {
visitedLinks = JSON.parse(document.cookie.split(';').map(pair => pair.split('=')[0].trim()).filter(name => name === 'visitedLinks')[0]);
}
visitedLinks.push(target.href);
document.cookie = `visitedLinks=${JSON.stringify(visitedLinks)};max-age=31536000;path=/`;
}
});
CSS の :hover 擬似クラスと組み合わせる
CSS の :hover
擬似クラスと組み合わせることで、ユーザーがマウスカーソルを合わせたリンクを一時的にハイライトすることができます。これは、訪問済み判定の代替手段として使用することができます。
例::hover
擬似クラスを使用する
a:hover {
color: gray; /* マウスカーソルを合わせたリンクにスタイルを適用 */
}
上記の方法はいずれも、:visited
の完全な代替手段ではありません。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解した上で、目的に合った方法を選択してください。
- プライバシー上の観点から、ユーザーの閲覧履歴を取得するような方法は避けるべきです。
:visited
の代替方法として、CSS フレームワークやライブラリを使用する方法もあります。