CMake: 静的ライブラリのリンカフラグ設定をもっと簡単に!CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGSの便利な使い方
CMake 変数 CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、静的ライブラリを生成する際にアーカイバに渡されるリンカフラグを設定するために使用されます。これらのフラグは、ライブラリのビルド方法や動作を制御するために使用できます。
設定方法
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、CMakeLists.txt ファイル内の set
コマンドを使用して設定できます。
set(CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS "-Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib")
この例では、-Wl,-rpath
フラグが CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
に設定されています。このフラグは、リンカがライブラリを検索する場所を指定します。
使用例
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、さまざまな目的で使用できます。以下に、いくつかの例を示します。
- 最適化レベルを設定する
/O2
フラグを使用して、最適化レベルを設定できます。 - 警告を抑制する
/Wno-all
フラグを使用して、すべての警告を抑制できます。 - デバッグ情報を生成する
-g
フラグを使用して、デバッグ情報を生成できます。 - ライブラリの検索パスを設定する
前述の例のように、-Wl,-rpath
フラグを使用して、リンカがライブラリを検索する場所を指定できます。
注意事項
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、使用しているアーカイバによって異なる場合があります。詳細については、アーカイバのドキュメントを参照してください。CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、静的ライブラリのみを生成する際にのみ使用できます。共有ライブラリを生成する場合は、CMAKE_SHARED_LINKER_FLAGS
変数を使用する必要があります。
プログラミングの観点から
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、静的ライブラリのビルドプロセスを制御するための重要なツールです。これらのフラグを使用して、ライブラリの検索パス、デバッグ情報、警告、最適化レベルなどさまざまな設定を調整できます。
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、CMake で静的ライブラリを生成する際に役立つ変数です。この変数を使用して、ライブラリのビルド方法や動作を制御できます。
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、ターゲット固有のフラグを設定するために使用することもできます。詳細については、CMake ドキュメントを参照してください。CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、CMake バージョン 3.1 以降で使用できます。
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyStaticLib)
set(CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS "-Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib")
add_library(MyStaticLib STATIC src/mylib.c)
target_link_libraries(MyStaticLib ext)
install(TARGETS MyStaticLib DESTINATION lib)
このコードは、MyStaticLib
という名前の静的ライブラリを作成します。このライブラリは、src/mylib.c
ファイルから構成されます。ライブラリは lib
ディレクトリにインストールされます。
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数を使用して、リンカがライブラリを検索する場所を /lib
ディレクトリに設定します。
例 2: デバッグ情報を生成する
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyStaticLib)
set(CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS "-g")
add_library(MyStaticLib STATIC src/mylib.c)
target_link_libraries(MyStaticLib ext)
install(TARGETS MyStaticLib DESTINATION lib)
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数を使用して、リンカに -g
フラグを渡します。このフラグは、デバッグ情報を生成するようにリンカに指示します。
例 3: 警告を抑制する
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyStaticLib)
set(CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS "/Wno-all")
add_library(MyStaticLib STATIC src/mylib.c)
target_link_libraries(MyStaticLib ext)
install(TARGETS MyStaticLib DESTINATION lib)
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数を使用して、リンカに /Wno-all
フラグを渡します。このフラグは、リンカにすべての警告を抑制するように指示します。
例 4: 最適化レベルを設定する
cmake_minimum_required(VERSION 3.1)
project(MyStaticLib)
set(CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS "/O2")
add_library(MyStaticLib STATIC src/mylib.c)
target_link_libraries(MyStaticLib ext)
install(TARGETS MyStaticLib DESTINATION lib)
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数を使用して、リンカに /O2
フラグを渡します。このフラグは、リンカに最適化レベル 2 を使用するように指示します。
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
は、使用しているアーカイバによって異なる場合があります。詳細については、アーカイバのドキュメントを参照してください。- これらの例は、
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数の使用方法を説明するために簡略化されています。実際の使用状況では、ニーズに合わせてフラグを調整する必要があります。
代替方法
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
を使用せずにリンカフラグを設定する方法はいくつかあります。
- ターゲット固有のリンカフラグを設定する
target_link_libraries
コマンドのLINK_FLAGS
パラメータを使用して、ターゲット固有のリンカフラグを設定できます。
target_link_libraries(MyStaticLib STATIC src/mylib.c LINK_FLAGS "-Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib")
この例では、MyStaticLib
ターゲットに -Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib
フラグが設定されています。
- カスタムのターゲットを作成する
カスタムのターゲットを作成し、そのターゲットを使用してリンカフラグを設定できます。
add_custom_target(MyStaticLibTarget COMMAND ${CMAKE_AR} crst MyStaticLib.a src/mylib.o)
target_link_libraries(MyProgram MyStaticLibTarget)
この例では、MyStaticLibTarget
という名前のカスタムターゲットが作成されます。このターゲットは、MyStaticLib.a
ライブラリを src/mylib.o
オブジェクトファイルから作成するように設定されています。MyProgram
プログラムは MyStaticLibTarget
にリンクされます。
- CMakeLists.txt ファイルの外でリンカフラグを設定する
-DCMAKE_EXE_LINKER_FLAGS
コマンドラインオプションを使用して、CMakeLists.txt ファイルの外でリンカフラグを設定できます。
cmake -DCMAKE_EXE_LINKER_FLAGS="-Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib" ..
この例では、-Wl,-rpath,${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/lib
フラグがリンカに渡されます。
- 使用する代替方法は、ニーズと好みに応じて選択する必要があります。
- 上記の代替方法は、
CMAKE_STATIC_LINKER_FLAGS
変数よりも柔軟性が高くなりますが、複雑さも増します。