C++コードの静的解析を極める: LANG_CPPLINTと代替ツールの詳細比較
CMakeの「Properties: Targets」における「LANG_CPPLINT」は、C++ソースコードの静的解析ツールであるCPPLINTを統合するための設定項目です。この設定により、ビルドプロセス中にCPPLINTを実行し、コードのスタイル、潜在的なバグ、セキュリティ上の脆弱性をチェックすることができます。
LANG_CPPLINTの詳細
LANG_CPPLINTは、以下のプロパティを使用して設定できます。
- LANG_CPPLINT_IGNORE
特定のファイルやディレクトリを解析対象から除外するパターンを指定します。 - LANG_CPPLINT_FILE_FILTER
解析対象のファイルパターンを指定します。デフォルトでは、すべてのC++ソースコードファイルが解析されます。 - LANG_CPPLINT_OPTIONS
CPPLINTに渡されるオプションを指定します。詳細については、CPPLINTのドキュメントを参照してください。 - LANG_CPPLINT_COMMAND
CPPLINT実行コマンドを指定します。デフォルトでは、"cpplint" コマンドが使用されます。
LANG_CPPLINTの使用例
以下の例では、CPPLINTを実行し、すべてのC++ソースコードファイルをチェックします。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint)
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
以下の例では、CPPLINT実行時に特定のオプションを指定し、一部のファイルを解析対象から除外します。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint --quiet --verbose)
set(LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
set(LANG_CPPLINT_IGNORE "test/data/*.cpp")
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER LANG_CPPLINT_IGNORE)
LANG_CPPLINTの利点
LANG_CPPLINTを使用する利点は次のとおりです。
- コードの保守性を向上させることができます。
- 潜在的なバグやセキュリティ上の脆弱性を発見することができます。
- コードの品質を向上させることができます。
LANG_CPPLINTの注意点
LANG_CPPLINTを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- CPPLINTは、実行速度が遅い場合があります。
- CPPLINTは、すべての潜在的なバグやセキュリティ上の脆弱性を発見できるわけではありません。
- CPPLINTは、コードのスタイルに関するチェックのみを行うツールであり、機能的なチェックは行いません。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint)
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
オプションの指定
以下の例では、CPPLINT実行時に特定のオプションを指定します。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint --quiet --verbose)
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
ファイルの除外
以下の例では、特定のファイルやディレクトリを解析対象から除外します。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint)
set(LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
set(LANG_CPPLINT_IGNORE "test/data/*.cpp")
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER LANG_CPPLINT_IGNORE)
複数のターゲットへの適用
以下の例では、複数のターゲットにLANG_CPPLINTを設定します。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint)
target_properties(mytarget1 PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
target_properties(mytarget2 PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
カスタムチェックの追加
以下の例では、カスタムチェックを追加するためにLANG_CPPLINT_CUSTOM_COMMANDプロパティを使用します。
set(LANG_CPPLINT_COMMAND cpplint)
set(LANG_CPPLINT_CUSTOM_COMMAND my_custom_check.py)
target_properties(mytarget PROPERTIES LANG_CPPLINT_FILE_FILTER "*.cpp")
- CPPLINTは、実行速度が遅い場合があります。
- CPPLINTは、すべての潜在的なバグやセキュリティ上の脆弱性を発見できるわけではありません。
- 上記の例はあくまで一例であり、プロジェクトのニーズに合わせて調整する必要があります。
- コード品質チェックツールは、コードの品質向上に役立ちますが、コードレビューやテストなどの他の方法と併用する必要があります。
- LANG_CPPLINT以外にも、CMakeには様々なコード品質チェックツールを統合するための設定項目があります。
CMakeの「LANG_CPPLINT」は、C++ソースコードの静的解析ツールであるCPPLINTを統合するための設定項目です。CPPLINTは、コードのスタイル、潜在的なバグ、セキュリティ上の脆弱性をチェックすることができます。
しかし、CPPLINTにはいくつかの欠点があります。
- 独自のチェックルールを定義するのが難しい場合があります。
- 実行速度が遅い場合があります。
- すべての潜在的なバグやセキュリティ上の脆弱性を発見できるわけではありません。
これらの欠点を克服するために、LANG_CPPLINTの代替方法として以下のツールを検討することができます。
- Static Analysis Tool for C++ (STATICA)
商用静的解析ツールです。CPPLINTよりも多くのチェックルールを備えており、実行速度も速いです。また、コードレビューとの統合機能も提供しています。 - Cppcheck
オープンソースの静的解析ツールです。CPPLINTよりも多くのチェックルールを備えており、実行速度も速いです。 - Infer
Facebookが開発した静的解析ツールです。C++だけでなく、Java、Python、JavaScriptなどの言語も解析できます。 - LintCode
Googleが開発した静的解析ツールです。clang-tidyと同様に、多くのチェックルールを備えており、実行速度も速いです。また、コードレビューとの統合機能も提供しています。 - clang-tidy
Clangコンパイラに統合された静的解析ツールです。CPPLINTよりも多くのチェックルールを備えており、実行速度も速いです。
各ツールの比較
ツール名 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
clang-tidy | 多くのチェックルール、実行速度が速い | Clangコンパイラに依存 |
LintCode | 多くのチェックルール、実行速度が速い、コードレビューとの統合機能 | Googleアカウントが必要 |
Infer | 複数の言語を解析できる | 商用版のみ詳細な機能が利用可能 |
Cppcheck | 多くのチェックルール、実行速度が速い | オプションが複雑 |
STATICA | 多くのチェックルール、実行速度が速い、コードレビューとの統合機能 | 商用版のみ |
ツールの選択
どのツールを選択するかは、プロジェクトのニーズによって異なります。以下の点を考慮して選択してください。
- コスト
- コードレビューとの統合機能
- 実行速度
- 必要とするチェックルールの範囲
LANG_CPPLINTは、C++ソースコードの静的解析に役立つツールですが、いくつかの欠点があります。これらの欠点を克服するために、clang-tidy、LintCode、Infer、Cppcheck、STATICAなどの代替ツールを検討することができます。
- プロジェクトのニーズに合わせて、複数のツールを組み合わせて使用するのも有効です。
- コード品質チェックツールは、コードの品質向上に役立ちますが、コードレビューやテストなどの他の方法と併用する必要があります。