Qt開発Tips: QFileInfoを活用したファイル/ディレクトリ操作の効率化

2025-05-31

QFileInfo (クラス) について

QFileInfo クラスは、Qt フレームワークにおいて、ファイルやディレクトリに関するプラットフォームに依存しない情報を提供するためのクラスです。簡単に言えば、「このファイル（またはディレクトリ）って、どんな情報を持っているんだろう？」という疑問に答えてくれる便利なツールです。

QFileInfo オブジェクトを作成することで、ファイルやディレクトリの存在、名前、パス、サイズ、最終更新日時、パーミッション（読み取り専用かどうかなど）、種類（ファイルなのかディレクトリなのか）といった、さまざまな属性にアクセスできます。

QFileInfo クラスの主な役割とできること

ファイルやディレクトリの存在確認
指定したパスにファイルやディレクトリが存在するかどうかを簡単に調べることができます。

QFileInfo fileInfo("/path/to/your/file.txt");
if (fileInfo.exists()) {
    qDebug() << "ファイルは存在します。";
} else {
    qDebug() << "ファイルは存在しません。";
}

パス情報の取得
絶対パス、相対パス、ベース名（拡張子を除いた名前）、拡張子など、ファイルやディレクトリのさまざまな形式のパスを取得できます。

QFileInfo fileInfo("/home/user/documents/report.pdf");
qDebug() << "絶対パス:" << fileInfo.absoluteFilePath();
qDebug() << "ベース名:" << fileInfo.baseName();
qDebug() << "拡張子:" << fileInfo.suffix();

属性情報の取得
ファイルサイズ、最終更新日時、最終アクセス日時などを取得できます。これらの情報は、ユーザーにファイルの詳細を表示したり、ファイルの管理を行う際に役立ちます。
```
QFileInfo fileInfo("/path/to/image.jpg");
qDebug() << "ファイルサイズ:" << fileInfo.size() << "バイト";
QDateTime lastModified = fileInfo.lastModified();
qDebug() << "最終更新日時:" << lastModified.toString();
```

パーミッションの確認
ファイルが読み取り可能か、書き込み可能か、実行可能かといったパーミッション情報を取得できます。

QFileInfo fileInfo("/path/to/script.sh");
if (fileInfo.isReadable()) {
    qDebug() << "読み取り可能です。";
}
if (fileInfo.isWritable()) {
    qDebug() << "書き込み可能です。";
}
if (fileInfo.isExecutable()) {
    qDebug() << "実行可能です。";
}

ファイルの種類と属性の判定
ファイルなのかディレクトリなのか、シンボリックリンクなのかなどを判定できます。

QFileInfo fileInfo("/path/to/something");
if (fileInfo.isFile()) {
    qDebug() << "これはファイルです。";
} else if (fileInfo.isDir()) {
    qDebug() << "これはディレクトリです。";
} else if (fileInfo.isSymLink()) {
    qDebug() << "これはシンボリックリンクです。";
}

QFileInfo クラスの基本的な使い方

QFileInfo オブジェクトを作成するには、ファイルまたはディレクトリのパスをコンストラクタに渡します。

QFileInfo fileInfo("my_document.txt"); // 相対パス
QFileInfo dirInfo("/home/user/images");   // 絶対パス

一度 QFileInfo オブジェクトを作成すれば、さまざまなメソッドを呼び出して、ファイルやディレクトリに関する情報を取得できます。

QFileInfo (クラス) に関連する一般的なエラーとトラブルシューティング

QFileInfo クラス自体は、ファイルやディレクトリの情報を読み取るためのクラスであり、直接的なエラーを引き起こすことは比較的少ないです。しかし、その使用方法や前提条件によって、予期しない動作や誤った情報を取得することがあります。以下に、よくあるケースとトラブルシューティングの方法を挙げます。

ファイルまたはディレクトリが存在しない

トラブルシューティング
- exists() メソッドを呼び出して、ファイルやディレクトリが存在するかどうかを事前に確認する。
- ファイルパスが正しいか、スペルミスや大文字・小文字の区別などを確認する。
- 相対パスを使用している場合は、現在のワーキングディレクトリが意図した場所になっているか確認する。絶対パスを使用することを検討する。
- ファイルシステムのマウント状態やアクセス権限を確認する（アプリケーションがファイルにアクセスできる権限を持っているか）。
症状
exists() メソッドが false を返す。他の属性情報（サイズ、最終更新日時など）も無効な値（例えば、サイズが 0、日時が初期値など）になる可能性があります。
エラー
QFileInfo オブジェクトを作成したパスに、ファイルやディレクトリが存在しない場合。

パスの解釈の違い（プラットフォーム依存性）

トラブルシューティング
- QDir::separator() を使用して、プラットフォームに依存しないパス区切り文字を使用する。
- QDir クラスの機能（例えば、filePath()、absoluteFilePath() など）を利用してパスを操作する。
- ユーザー入力や外部設定からパスを取得する場合は、その形式がプラットフォーム間で一貫しているか、または適切に処理されているかを確認する。
症状
特に手動でパス文字列を組み立てる場合に、異なるプラットフォームで正しくファイルやディレクトリを特定できない。
エラー
Windows と Unix 系 OS でパスの区切り文字 (\ vs /) が異なることによる問題。

シンボリックリンクの扱い

トラブルシューティング
- シンボリックリンク自体に関する情報を取得したい場合は、そのまま QFileInfo オブジェクトのメソッドを使用する。
- リンク先のファイルやディレクトリに関する情報を取得したい場合は、QFileInfo::symLinkTarget() でリンク先のパスを取得し、そのパスで新しい QFileInfo オブジェクトを作成して情報を取得する。
- QFileInfo::isSymbolicLink() でシンボリックリンクかどうかを確認し、必要に応じて処理を分岐させる。
症状
isSymLink() が true を返す場合に、期待するファイルサイズや最終更新日時がシンボリックリンク自体のものだったり、リンク先のもののだったりする。
エラー
シンボリックリンク自体の情報を取得したいのか、リンク先のファイルやディレクトリの情報を取得したいのかが曖昧な場合。

アクセス権限の問題

トラブルシューティング
- isReadable()、isWritable()、isExecutable() メソッドを使用して、必要な権限があるか事前に確認する。
- アプリケーションを実行しているユーザーの権限を確認する。
- ファイルやディレクトリのパーミッション設定をOSのツールで確認し、必要に応じて変更する。
症状
exists() は true を返すにもかかわらず、サイズが 0 だったり、最終更新日時が取得できなかったりする。読み取り専用のファイルに書き込もうとしてエラーが発生する場合もある（QFile などの他のクラスに関連するエラーですが、QFileInfo で権限を確認していれば事前に防げる可能性があります）。
エラー
アプリケーションがファイルやディレクトリにアクセスするための適切な権限を持っていない場合。

ファイルシステムの変更

トラブルシューティング
- QFileInfo オブジェクトは、作成時点のスナップショットを保持しているため、最新の情報を取得したい場合は、必要に応じて新しい QFileInfo オブジェクトを作成し直す。
- ファイルシステムの変化を監視する必要がある場合は、QFileSystemWatcher クラスの使用を検討する。
症状
QFileInfo オブジェクトが保持している情報が、現在のファイルシステムの状態と一致しない。
エラー
QFileInfo オブジェクトを作成した後、ファイルシステム上でファイルやディレクトリが移動、削除、または属性が変更された場合。

大きなファイルのサイズ

トラブルシューティング
- size() メソッドの戻り値は qint64 型なので、十分なサイズの整数型で受け取るようにする。
症状
ファイルサイズが負の値になったり、不正確な値になったりする。
エラー
非常に大きなファイルのサイズを取得しようとした際に、整数型のオーバーフローが発生する可能性（特に 32 ビットシステムの場合）。

特殊なファイルやディレクトリ

トラブルシューティング
- isSymbolicLink()、isDevice()、isFifo()、isSocket() などのメソッドを使用して、ファイルの種類を正確に判定し、それぞれの特性に合わせて処理を行う。
症状
isFile() や isDir() が期待しない値を返すことがある。属性情報の意味合いが通常のファイルやディレクトリと異なる場合がある。
エラー
デバイスファイル、名前付きパイプ、ソケットなどの特殊なファイルに対する情報の取得。

最小限のコードで再現
問題を特定するために、関連する部分だけを抽出した最小限のコードで問題を再現させてみる。
Qt のドキュメント参照
QFileInfo クラスの各メソッドの詳細な説明や注意点については、Qt の公式ドキュメントを参照する。
デバッガの使用
デバッガを使用して、QFileInfo オブジェクトの状態や関連する変数の値をステップ実行しながら確認する。
ログ出力
問題が発生した際に、関連するファイルパスや QFileInfo オブジェクトの属性値をログに出力して確認する。

例1: ファイルの存在確認と基本情報の表示

この例では、指定されたファイルの存在を確認し、存在する場合はその名前と絶対パスを表示します。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileInfo>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString filePath = "example.txt"; // 確認したいファイルのパス

    QFileInfo fileInfo(filePath);

    if (fileInfo.exists()) {
        qDebug() << "ファイルは存在します。";
        qDebug() << "ファイル名:" << fileInfo.fileName();
        qDebug() << "絶対パス:" << fileInfo.absoluteFilePath();
    } else {
        qDebug() << "ファイルは存在しません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

fileInfo.absoluteFilePath(): ファイルの絶対パスを返します。
fileInfo.fileName(): ファイル名（パスを含まない名前）を返します。
fileInfo.exists(): ファイルが存在するかどうかを真偽値で返します。
QFileInfo fileInfo(filePath);: QFileInfo オブジェクトを作成し、確認したいファイルのパスをコンストラクタに渡します。
QString filePath = "example.txt";: 確認したいファイルのパスを QString 型の変数に格納します。ここでは相対パスを使用しています。
#include <QFileInfo>: QFileInfo クラスを使用するためにヘッダーファイルをインクルードします。

例2: ファイルのサイズと最終更新日時の表示

この例では、指定されたファイルのサイズと最終更新日時を表示します。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileInfo>
#include <QDateTime>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString filePath = "another_file.dat"; // 確認したいファイルのパス

    QFileInfo fileInfo(filePath);

    if (fileInfo.exists() && fileInfo.isFile()) {
        qDebug() << "ファイルサイズ:" << fileInfo.size() << "バイト";
        QDateTime lastModified = fileInfo.lastModified();
        qDebug() << "最終更新日時:" << lastModified.toString();
    } else {
        qDebug() << "ファイルが存在しないか、ファイルではありません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

lastModified.toString(): QDateTime オブジェクトを、人間が読みやすい文字列形式に変換します。
fileInfo.lastModified(): ファイルの最終更新日時を QDateTime オブジェクトとして返します。
fileInfo.size(): ファイルのサイズをバイト単位で qint64 型の値として返します。

例3: ディレクトリの確認と情報の表示

この例では、指定されたパスがディレクトリかどうかを確認し、その名前と絶対パスを表示します。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileInfo>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString dirPath = "/home/user/documents"; // 確認したいディレクトリのパス (適宜変更してください)

    QFileInfo fileInfo(dirPath);

    if (fileInfo.exists() && fileInfo.isDir()) {
        qDebug() << "これはディレクトリです。";
        qDebug() << "ディレクトリ名:" << fileInfo.fileName();
        qDebug() << "絶対パス:" << fileInfo.absoluteFilePath();
    } else {
        qDebug() << "指定されたパスは存在しないか、ディレクトリではありません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

fileInfo.isDir(): 指定されたパスがディレクトリかどうかを真偽値で返します。

例4: ファイルの読み取り専用属性の確認

この例では、指定されたファイルが読み取り専用かどうかを確認します。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileInfo>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString filePath = "readonly_file.txt"; // 確認したいファイルのパス

    QFileInfo fileInfo(filePath);

    if (fileInfo.exists() && fileInfo.isFile()) {
        if (fileInfo.isReadable() && !fileInfo.isWritable()) {
            qDebug() << "ファイルは読み取り専用です。";
        } else {
            qDebug() << "ファイルは読み書き可能です。";
        }
    } else {
        qDebug() << "ファイルが存在しないか、ファイルではありません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

fileInfo.isWritable(): ファイルが書き込み可能かどうかを真偽値で返します。
fileInfo.isReadable(): ファイルが読み取り可能かどうかを真偽値で返します。

例5: ファイルのベース名と拡張子の取得

この例では、指定されたファイルのベース名（拡張子を除いた名前）と拡張子を取得します。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileInfo>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString filePath = "image.jpg"; // 確認したいファイルのパス

    QFileInfo fileInfo(filePath);

    if (fileInfo.exists() && fileInfo.isFile()) {
        qDebug() << "ベース名:" << fileInfo.baseName();
        qDebug() << "拡張子:" << fileInfo.suffix();
    } else {
        qDebug() << "ファイルが存在しないか、ファイルではありません。";
    }

    return a.exec();
}

fileInfo.suffix(): ファイルの拡張子（"." を含まない）を返します。
fileInfo.baseName(): ファイル名から拡張子を除いた部分を返します。

QFileInfo クラスの代替となるプログラミング方法

QFile (クラス) を使用した基本的な情報取得

QFile クラスは、ファイルの読み書き操作を主に行うクラスですが、ファイルが存在するかどうか、読み取り可能か、書き込み可能かといった基本的な情報を取得するメソッドも提供しています。

#include <QCoreApplication>
#include <QFile>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString filePath = "my_file.txt";

    QFile file(filePath);

    if (file.exists()) {
        qDebug() << "ファイルは存在します。";
        if (file.isReadable()) {
            qDebug() << "読み取り可能です。";
        }
        if (file.isWritable()) {
            qDebug() << "書き込み可能です。";
        }
    } else {
        qDebug() << "ファイルは存在しません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

QFile::isWritable(): ファイルが書き込み可能かどうかを返します。
QFile::isReadable(): ファイルが読み取り可能かどうかを返します。
QFile::exists() (インスタンスメソッド): QFile オブジェクトが指すファイルが存在するかどうかを返します。
QFile::exists(const QString &filename) (static メソッド): 指定されたパスのファイルが存在するかどうかを返します。QFile オブジェクトを作成しなくても使用できます。

QFile は、ファイルの内容を操作する際には必須のクラスですが、存在確認や基本的な権限確認にも利用できます。ただし、サイズ、最終更新日時、パスの分解といったより詳細な情報を取得するには QFileInfo の方が適しています。

QDir (クラス) を使用したディレクトリ関連の情報取得と操作

QDir クラスは、ディレクトリとその内容を操作するためのクラスです。ディレクトリの存在確認、作成、削除、内容のリストアップなど、ディレクトリに関連する多くの操作を提供します。

#include <QCoreApplication>
#include <QDir>
#include <QDebug>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QString dirPath = "/home/user/my_directory";

    QDir dir(dirPath);

    if (dir.exists()) {
        qDebug() << "ディレクトリは存在します。";
        qDebug() << "絶対パス:" << dir.absolutePath();
    } else {
        qDebug() << "ディレクトリは存在しません。";
    }

    return a.exec();
}

解説

QDir::absolutePath(): ディレクトリの絶対パスを返します。
QDir::exists() (インスタンスメソッド): QDir オブジェクトが指すディレクトリが存在するかどうかを返します。
QDir::exists(const QString &path) (static メソッド): 指定されたパスのディレクトリが存在するかどうかを返します。

QDir は、ディレクトリ内のファイルやサブディレクトリを操作する際に非常に強力です。特定のフィルタ（ファイル名、拡張子、属性など）でファイルをリストアップしたり、パスを結合したりする機能も持っています。

QFileSystemWatcher (クラス) を使用したファイルシステムの変更監視

QFileSystemWatcher クラスは、ファイルやディレクトリの変更を監視するためのクラスです。ファイルが作成、削除、名前変更、または内容が変更されたときに通知を受け取ることができます。

#include <QCoreApplication>
#include <QFileSystemWatcher>
#include <QStringList>
#include <QDebug>

void fileChanged(const QString &path)
{
    qDebug() << "ファイルが変更されました:" << path;
}

void directoryChanged(const QString &path)
{
    qDebug() << "ディレクトリの内容が変更されました:" << path;
}

int main(int argc, char *argv[])
{
    QCoreApplication a(argc, argv);

    QFileSystemWatcher watcher;

    QString filePath = "watched_file.txt";
    QString dirPath = "watched_directory";

    watcher.addPath(filePath);
    watcher.addPath(dirPath);

    QObject::connect(&watcher, &QFileSystemWatcher::fileChanged, fileChanged);
    QObject::connect(&watcher, &QFileSystemWatcher::directoryChanged, directoryChanged);

    qDebug() << "ファイルとディレクトリの変更を監視しています...";

    return a.exec();
}

解説

directoryChanged(const QString &path) シグナル: 監視対象のディレクトリの内容が変更されたとき（ファイルの追加、削除、名前変更など）に発行されます。
fileChanged(const QString &path) シグナル: 監視対象のファイルが変更されたときに発行されます。
addPath(const QString &path): 監視対象のファイルまたはディレクトリのパスを追加します。
QFileSystemWatcher: ファイルシステムの変更を監視するオブジェクトを作成します。

QFileSystemWatcher は、ファイルやディレクトリの状態変化にリアルタイムに対応する必要がある場合に非常に便利です。QFileInfo は静的な情報を取得するのに対し、こちらは動的な変化を捉えることができます。

標準 C++ ライブラリ ( <fstream>, <filesystem> など)

Qt はクロスプラットフォームなフレームワークですが、標準 C++ ライブラリもファイル操作や情報取得のための機能を提供しています。C++17 で導入された <filesystem> ヘッダーは、パスの操作、ファイルの存在確認、属性取得など、QFileInfo と同様の機能を提供します。

#include <iostream>
#include <fstream>
#include <filesystem>

int main()
{
    std::string filePath = "cpp_file.txt";

    if (std::filesystem::exists(filePath)) {
        std::cout << "ファイルは存在します。" << std::endl;
        std::cout << "ファイルサイズ: " << std::filesystem::file_size(filePath) << " バイト" << std::endl;
        std::cout << "最終更新日時: (実装依存)" << std::endl; // 標準ライブラリでの日時取得はやや複雑
    } else {
        std::cout << "ファイルは存在しません。" << std::endl;
    }

    return 0;
}

解説

std::filesystem::file_size(const std::filesystem::path& p): パス p のファイルのサイズを返します。
std::filesystem::exists(const std::filesystem::path& p): パス p が存在するかどうかを返します。

標準 C++ ライブラリを使用する利点は、Qt に依存しないコードを書けることですが、プラットフォーム間の差異を吸収する必要がある場合や、Qt の提供する便利なユーティリティ（QString、QDateTime などとの連携）を利用したい場合は、QFileInfo を含む Qt のクラスを使用する方が有利です。

Qt開発者必見！QFileInfo::baseName()を使いこなすためのヒントとテクニック

具体的には、QFileInfo オブジェクトが指すファイルのフルパス（ディレクトリを含む完全なパス）から、最後のドット (.) 以降の部分（拡張子）を取り除いた文字列を取得します。もしファイル名にドットが含まれていない場合は、ファイル名全体がそのまま返されます。

Qt QFileInfo::birthTime()徹底解説：ファイルの作成日時を正確に取得する方法

QtプログラミングにおけるQFileInfo::birthTime()は、ファイルが作成された日時（生成日時）を返す関数です。もう少し詳しく説明すると、以下のようになります。注意点: OSやファイルシステムによる制限: ファイルの作成日時（birth time）は、すべてのオペレーティングシステムやファイルシステムで利用できるわけではありません。例えば、一部のLinuxファイルシステム（EXT2/3など）では、デフォルトで作成日時が記録されない場合があります。このような場合、birthTime()は無効なQDateTimeオブジェクトを返します。 Qtのバージョン: birthTime()関数はQt 5.10で導入されました。それより古いQtのバージョンでは利用できません。 created()との違い: かつてはcreated()という関数もありましたが、これは非推奨（deprecated）となり、birthTime()またはmetadataChangeTime()の使用が推奨されています。created()はファイルのメタデータが最後に変更された時刻を返すことが多かったため、純粋な作成日時とは異なる場合がありました。