Qt QFileDialog::viewModeのよくあるエラーと解決策：表示モードが効かない時は？

2025-05-27

QFileDialogは、ユーザーがファイルやディレクトリを選択するための標準的なダイアログを提供します。このダイアログ内で、ファイルやフォルダをどのように表示するかをviewModeで設定できます。

設定できるビューモードは、主に以下の2種類です。

QFileDialog::List (リスト表示):
- ファイルやディレクトリのアイコンと名前だけを一覧で表示します。
- シンプルでコンパクトな表示形式です。

QFileDialog::viewModeを設定するには、setViewMode()メソッドを使用します。

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QFileDialog dialog;
    dialog.setWindowTitle("ファイルを選択");

    // ビューモードを詳細表示に設定
    dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail);

    // その他の設定（例: フィルター）
    dialog.setNameFilter("画像ファイル (*.png *.jpg *.jpeg);;すべてのファイル (*.*)");
    dialog.setFileMode(QFileDialog::ExistingFile); // 既存のファイルを1つ選択

    if (dialog.exec()) { // ダイアログを表示し、ユーザーがOKをクリックした場合
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたファイル: " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    }

    return app.exec();
}

注意点

QFileDialog::DontUseNativeDialogオプションを設定することで、強制的にQt独自のファイルダイアログを使用させることも可能です。
QFileDialogのスタティック関数（例: QFileDialog::getOpenFileName()）を使用する場合、通常はオペレーティングシステムネイティブのファイルダイアログが呼び出されます。ネイティブダイアログの場合、setViewMode()の設定が反映されないことがあります。Qt独自のファイルダイアログを使用したい場合は、上記のようにQFileDialogのインスタンスを作成し、exec()メソッドで表示する必要があります。

viewMode が適用されない（最も一般的）

これは、QFileDialog::viewMode に関する最も一般的な問題です。setViewMode() を呼び出しても、期待通りの表示モードにならないことがあります。

原因
QFileDialog には、Qt が提供するネイティブなダイアログと、オペレーティングシステム (OS) が提供するネイティブなダイアログの2種類があります。デフォルトでは、Qt は可能な限り OS のネイティブダイアログを使用しようとします。OS のネイティブダイアログは、QFileDialog のすべてのプロパティ（viewMode など）をサポートしているわけではないため、setViewMode() の設定が無視されることがあります。

特に、以下の静的関数を使用している場合にこの問題が発生しやすいです。

QFileDialog::getOpenFileNames()
QFileDialog::getExistingDirectory()
QFileDialog::getSaveFileName()
QFileDialog::getOpenFileName()

これらの静的関数は、内部的にネイティブダイアログを優先的に使用しようとします。

トラブルシューティング

QFileDialog のインスタンスを作成して exec() を呼び出す
静的関数ではなく、QFileDialog のオブジェクトを明示的に作成し、そのインスタンスに対して setViewMode() を呼び出してから exec() を実行します。これにより、Qt のカスタムダイアログが使用されやすくなります。

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QFileDialog dialog;
    dialog.setWindowTitle("ファイルを選択");
    dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail); // ここでDetailモードを設定

    if (dialog.exec()) {
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたファイル: " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    }

    return app.exec();
}

ダイアログの表示が不自然、またはクラッシュする

QFileDialog は、特にネイティブダイアログとの連携において、環境によっては予期しない動作をすることがあります。

原因

初期ディレクトリの問題
存在しない、またはアクセス権のないディレクトリを初期ディレクトリとして設定すると、問題が発生する可能性があります。
マルチスレッド環境での使用
UI 操作はメインスレッドで行われるべきです。別のスレッドから QFileDialog を呼び出すと、不安定になる可能性があります。
古いグラフィックドライバーやテーマ
OS のグラフィックドライバーやカスタムテーマが、ダイアログのレンダリングに影響を与えることがあります。
Qt と OS のバージョン不一致
特定の Qt のバージョンと OS のバージョンの組み合わせで既知の問題がある場合があります。

トラブルシューティング

Qt のバージョンを更新する
最新の安定版 Qt に更新することで、既知のバグが修正されている可能性があります。
DontUseNativeDialog を試す
前述の通り、ネイティブダイアログが原因である可能性があるため、Qt のカスタムダイアログを強制的に使用してみます。
初期ディレクトリを確認する
setDirectory() で設定するパスが有効で、アクセス可能であることを確認します。空の文字列や無効なパスを設定しないようにします。
デバッグビルドでテストする
デバッグビルドで実行し、出力ウィンドウにエラーメッセージや警告が表示されていないか確認します。
シンプル化して再現性を確認する
問題が発生する最小限のコードを作成し、そのコードでも問題が再現するかどうかを確認します。これにより、問題の切り分けがしやすくなります。
メインスレッドで実行されていることを確認する
QFileDialog の呼び出しが必ずメインスレッドで行われていることを確認します。バックグラウンドスレッドでファイル選択が必要な場合は、シグナル/スロット機構を使ってメインスレッドに処理を委譲します。

一度ダイアログを表示した後、別のビューモードに設定し直しても反映されない場合があります。

原因
QFileDialog は一度表示されると、内部的に状態をキャッシュしたり、OS の設定に依存したりすることがあります。

トラブルシューティング

QFileDialog のインスタンスを再利用するのではなく、毎回新しく作成することを検討します。特に、毎回異なる設定でダイアログを表示したい場合は、新しいインスタンスを作成するのが確実です。

`QFileDialog::viewMode` の基本

QFileDialog には主に以下の2つのビューモードがあります。

QFileDialog::List: ファイル名とアイコンのみを表示するシンプルなリスト形式。

この設定は、QFileDialog クラスのインスタンスを作成し、setViewMode() メソッドを使って行います。静的関数（例: QFileDialog::getOpenFileName()）では直接 viewMode を設定できない点に注意が必要です。静的関数は、OS のネイティブなファイルダイアログを優先的に使用しようとしますが、その場合、viewMode の設定は無視されることがあります。

QFileDialog::Detail (詳細表示) の例

ファイルダイアログを詳細表示モードで開く例です。

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    // QFileDialog のインスタンスを作成
    QFileDialog dialog;

    // ダイアログのタイトルを設定
    dialog.setWindowTitle("ファイルを開く (詳細表示)");

    // ビューモードを詳細表示に設定
    dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail);

    // 選択可能なファイルの種類をフィルターで設定
    dialog.setNameFilter("画像ファイル (*.png *.jpg *.jpeg);;テキストファイル (*.txt);;すべてのファイル (*.*)");

    // 初期ディレクトリを設定 (例: ユーザーのホームディレクトリ)
    dialog.setDirectory(QDir::homePath());

    // 既存のファイルを1つ選択するモードに設定
    dialog.setFileMode(QFileDialog::ExistingFile);

    // ダイアログを表示し、ユーザーがOKボタンを押した場合
    if (dialog.exec() == QDialog::Accepted) {
        // 選択されたファイルのリストを取得
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたファイル (詳細表示): " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    } else {
        std::cout << "ファイル選択がキャンセルされました。" << std::endl;
    }

    return app.exec();
}

解説

dialog.exec() == QDialog::Accepted は、ユーザーがダイアログで「開く」または「保存」ボタンをクリックしたかどうかをチェックします。
dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail); で、ダイアログの表示モードを「詳細表示」に設定します。これにより、ファイル名だけでなく、サイズや日付などの情報も表示されます。
QFileDialog dialog; で QFileDialog のオブジェクトを作成します。

QFileDialog::List (リスト表示) の例

ファイルダイアログをリスト表示モードで開く例です。

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QFileDialog dialog;
    dialog.setWindowTitle("ディレクトリを選択 (リスト表示)");

    // ビューモードをリスト表示に設定
    dialog.setViewMode(QFileDialog::List);

    // ディレクトリのみを選択するモードに設定
    dialog.setFileMode(QFileDialog::Directory);

    // 初期ディレクトリを設定
    dialog.setDirectory(QDir::homePath());

    if (dialog.exec() == QDialog::Accepted) {
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたディレクトリ (リスト表示): " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    } else {
        std::cout << "ディレクトリ選択がキャンセルされました。" << std::endl;
    }

    return app.exec();
}

解説

この例では、dialog.setFileMode(QFileDialog::Directory); を使って、ユーザーがディレクトリのみを選択できるようにしています。
dialog.setViewMode(QFileDialog::List); で、表示モードを「リスト表示」に設定します。アイコンとファイル名のみが表示され、よりシンプルな見た目になります。

ネイティブダイアログが viewMode の設定を無視する問題を回避するため、Qt 独自のウィジェットベースのダイアログを強制的に使用させるオプション (QFileDialog::DontUseNativeDialog) を使用する例です。

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QFileDialog dialog;
    dialog.setWindowTitle("ファイルを開く (Qtダイアログ - 詳細表示)");

    // Qt独自のウィジェットベースのダイアログを強制的に使用
    dialog.setOption(QFileDialog::DontUseNativeDialog, true);

    // ビューモードを詳細表示に設定
    dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail);

    dialog.setNameFilter("すべてのファイル (*.*)");
    dialog.setDirectory(QDir::homePath());
    dialog.setFileMode(QFileDialog::ExistingFile);

    if (dialog.exec() == QDialog::Accepted) {
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたファイル (Qtダイアログ): " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    } else {
        std::cout << "ファイル選択がキャンセルされました。" << std::endl;
    }

    return app.exec();
}

この方法は、静的関数 (QFileDialog::getOpenFileName() など) では直接利用できません。静的関数にこのオプションを渡すことは可能ですが、それはその静的関数が内部的に使用する QFileDialog インスタンスに適用されるため、結果としてQt独自のダイアログが使われるようになります。ただし、静的関数自体には setViewMode の引数は存在しません。
dialog.setOption(QFileDialog::DontUseNativeDialog, true); が重要なポイントです。これを設定することで、OS のネイティブダイアログではなく、Qt が提供するダイアログが使われます。これにより、setViewMode() の設定が確実に反映されるようになります。

QFileDialog::viewMode の「代替方法」というよりは、「viewMode が期待通りに動作しない場合の対処法」 や、「ファイル選択ダイアログの表示をより細かく制御するための方法」 といった視点で説明するのが適切です。

QFileDialog::DontUseNativeDialog オプションの活用 (最も推奨される代替手段)

これは、viewMode が機能しない場合に最も有効な手段です。前述の通り、Qt の QFileDialog は、デフォルトで OS のネイティブなファイルダイアログを優先的に使用しようとします。しかし、ネイティブダイアログは QFileDialog::viewMode のような Qt 固有のプロパティをサポートしていないことが多く、設定が無視されてしまいます。

QFileDialog::DontUseNativeDialog オプションを有効にすることで、Qt は独自のウィジェットベースのファイルダイアログを使用するように強制されます。これにより、setViewMode() の設定が確実に反映されるようになります。

例

#include <QApplication>
#include <QFileDialog>
#include <iostream>
#include <QDir>

int main(int argc, char *argv[]) {
    QApplication app(argc, argv);

    QFileDialog dialog;
    dialog.setWindowTitle("ファイル選択 (Qtカスタムダイアログ)");

    // ネイティブダイアログの使用を強制的に無効にする
    dialog.setOption(QFileDialog::DontUseNativeDialog, true);

    // これで viewMode が確実に適用される
    dialog.setViewMode(QFileDialog::Detail); // または QFileDialog::List

    dialog.setNameFilter("すべてのファイル (*.*)");
    dialog.setDirectory(QDir::homePath());
    dialog.setFileMode(QFileDialog::ExistingFile);

    if (dialog.exec() == QDialog::Accepted) {
        QStringList selectedFiles = dialog.selectedFiles();
        if (!selectedFiles.isEmpty()) {
            std::cout << "選択されたファイル: " << selectedFiles.at(0).toStdString() << std::endl;
        }
    } else {
        std::cout << "ファイル選択がキャンセルされました。" << std::endl;
    }

    return app.exec();
}

利点

Qt の他の高度なカスタマイズオプション（プレビューウィジェットの追加など）も利用可能になる。
viewMode の設定が確実に反映される。

欠点

OS のテーマやアクセシビリティ設定との連携が、ネイティブダイアログほど完璧ではない可能性がある。
OS のネイティブダイアログと見た目や挙動が異なる場合がある。ユーザーは使い慣れた OS のダイアログを好む場合がある。

QFileDialog のサブクラス化とカスタマイズ (より高度な制御)

QFileDialog::viewMode の設定だけでは不十分で、ファイルダイアログのレイアウトに独自のウィジェットを追加したり、特定の機能を組み込んだりしたい場合は、QFileDialog をサブクラス化して、独自のカスタマイズを施すことができます。

これは viewMode の直接的な代替というよりは、ファイル選択ダイアログの「見た目と機能」を根本的に変更したい場合の選択肢です。

一般的なカスタマイズのポイント

独自のファイルビューとモデルの実装
非常に高度なカスタマイズが必要な場合、QFileDialog を使用せずに、QTreeView や QListView を使用して独自のファイルブラウザウィジェットを作成し、そこに QFileSystemModel を適用してファイルシステムを表示する方法もあります。これにより、表示される列、アイコン、コンテキストメニューなど、すべてを完全に制御できます。
プレビューウィジェットの追加
setOption(QFileDialog::ShowDirsOnly, true) などと組み合わせて、ファイル選択時にプレビューを表示するウィジェットを埋め込むことができます。
内部レイアウトへのアクセス
QFileDialog の内部レイアウトは公開されていませんが、findChild() などのメソッドを使って、既存のウィジェット（例えばボタンボックス）やそのレイアウトを取得し、そこにカスタムウィジェットを追加することが試みられることがあります。ただし、これは Qt の内部実装に依存するため、バージョンアップで動作しなくなるリスクがあります。

例 (概念的なコード - 実際のサブクラス化はより複雑です)

// MyCustomFileDialog.h
#include <QFileDialog>
#include <QLabel>
#include <QPushButton>
#include <QVBoxLayout>

class MyCustomFileDialog : public QFileDialog {
    Q_OBJECT
public:
    MyCustomFileDialog(QWidget *parent = nullptr);

private slots:
    void updatePreview(const QString &path);

private:
    QLabel *previewLabel; // プレビュー表示用のラベル
};

// MyCustomFileDialog.cpp
#include "MyCustomFileDialog.h"
#include <QDebug>
#include <QFileInfo>
#include <QPixmap>

MyCustomFileDialog::MyCustomFileDialog(QWidget *parent)
    : QFileDialog(parent)
{
    // Qt独自のダイアログを強制的に使用
    setOption(QFileDialog::DontUseNativeDialog, true);

    // viewMode の設定も可能
    setViewMode(QFileDialog::Detail);

    setWindowTitle("カスタムファイルダイアログ");

    // プレビューラベルの追加 (例)
    previewLabel = new QLabel("ファイルプレビュー");
    previewLabel->setFixedSize(200, 200); // 適当なサイズに設定
    previewLabel->setScaledContents(true); // 画像を自動で拡大縮小

    // ダイアログのレイアウトにウィジェットを追加する（複雑な部分）
    // QFileDialogの内部構造に依存するため、注意が必要
    // ここでは単純化のためにaddSideBarWidgetを使う例を示す
    // 実際には QFileDialog::layout() を取得してグリッドレイアウトを操作することが多い
    // Qt 5.x 以降では QFileDialog::setSidebarUrls() でカスタムURLを追加できるが、
    // ウィジェット自体を追加する公式な方法は限られている。
    // 非公式な方法としては、QFileDialog::layout() を取得し、動的にウィジェットを追加する。
    // 例: QGridLayout* mainLayout = qobject_cast<QGridLayout*>(layout());
    //     if (mainLayout) {
    //         mainLayout->addWidget(previewLabel, /* row, col, rowspan, colspan */);
    //     }

    // Qtのカスタムダイアログの右側パネルにウィジェットを追加する代替として
    // この方法はQFileDialog::Detailモードで有効に機能しない場合があります
    // QFileDialog::setSideBarUrls()の機能とは異なります。

    // 一般的なカスタマイズの考え方としては、QFileDialogの既存のレイアウトにアクセスして、
    // 既存のウィジェットを移動させたり、新しいウィジェットを追加したりします。
    // これは Qt の内部構造に依存するため、注意深く行う必要があります。
    // 簡易的な方法として、QFileDialog::fileSelected シグナルを接続して、
    // 別のウィジェットでプレビューを表示するなどが考えられます。

    // 例として、ファイル選択時にプレビューを更新するスロットを接続
    connect(this, &QFileDialog::fileSelected, this, &MyCustomFileDialog::updatePreview);
    connect(this, &QFileDialog::currentChanged, this, &MyCustomFileDialog::updatePreview);
}

void MyCustomFileDialog::updatePreview(const QString &path) {
    QFileInfo fileInfo(path);
    if (fileInfo.exists() && fileInfo.isFile() && fileInfo.suffix().toLower() == "png") {
        QPixmap pixmap(path);
        if (!pixmap.isNull()) {
            previewLabel->setPixmap(pixmap);
        } else {
            previewLabel->setText("プレビュー不可");
        }
    } else {
        previewLabel->setText("画像ファイルではありません");
    }
}

// main.cpp (上記 MyCustomFileDialog を使用)
// #include "MyCustomFileDialog.h"
// ... (main関数内)
// MyCustomFileDialog customDialog;
// customDialog.exec();

利点

アプリケーション固有の要件に合わせて、独自の機能（例: ファイルのメタデータ表示、バージョン管理機能との連携など）を組み込める。
ファイルダイアログの見た目と機能を完全に制御できる。

欠点

Qt のバージョンアップや OS の変更によって、内部実装に依存するコードが動作しなくなるリスクがある。
OS のネイティブダイアログとの一貫性を維持するのが難しい。
実装が複雑になる。

究極の代替手段は、QFileDialog を一切使用せず、QDialog または QWidget をベースにして、ゼロから独自のファイル選択ダイアログを構築することです。

実装の要素

「開く」「保存」「キャンセル」ボタンなどのダイアログコントロール。
ファイルアイコンの表示（QFileIconProvider を利用）。
ファイルフィルター、並び替え機能、検索機能の実装。
ユーザーがディレクトリを移動したり、ファイルを選択したりするためのナビゲーション（パスバー、戻る/進むボタンなど）。
QFileSystemModel をビューのモデルとして設定。
QTreeView または QListView を使用してファイルシステムを表示。

利点

特定のニッチなユースケース（例: ゲーム内のアセットブラウザ、特定のデータ形式に特化したセレクタ）に最適化できる。
完全にカスタマイズされたユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスを提供できる。

欠点

メンテナンスが大変。
OS のルック＆フィールやアクセシビリティ標準に合わせるのが難しい。
開発コストが非常に高い。標準の QFileDialog が提供する多くの機能を自分で実装する必要がある。

QFileDialog::viewMode が期待通りに機能しない場合の最も実用的な代替手段は、QFileDialog::DontUseNativeDialog オプションを有効にして Qt のカスタムダイアログを使用することです。これにより、viewMode の設定が確実に適用され、ある程度のカスタマイズも可能になります。

Qtプログラミング初心者必見！QFileDialog::acceptModeのエラーと解決策

QFileDialog::acceptMode には主に以下の2つの値があります。QFileDialog::AcceptSave: これは、ユーザーがファイルを保存しようとしていることを示します。このモードでは、通常、ダイアログの「OK」ボタン（またはプラットフォームに応じた同等のボタン）のテキストが「保存」や「Save」といった表示になります。また、既に存在するファイル名を入力した場合に、上書きの確認ダイアログを表示するかどうか（confirmOverwrite プロパティによって制御されます）などの動作に影響を与えます。ファイルの保存ダイアログとして機能します。

Qt アプリケーション開発：QFileDialogのイベント処理をマスターする

保護された仮想関数 (protected virtual function): 保護された (protected): この関数は、QFileDialog クラス自身、およびその派生クラスからのみアクセスできます。外部のオブジェクトから直接呼び出すことはできません。仮想 (virtual): これは重要なポイントです。QFileDialog を継承して独自のファイルダイアログクラスを作成した場合、この関数を再実装（オーバーライド）することで、状態変化に対する独自の処理を記述できます。

Qt QFileDialog: currentChanged()の代替シグナルと使い分けを徹底解説

Qtプログラミングにおけるvoid QFileDialog::currentChanged(const QString &path)は、QFileDialog（ファイルダイアログ）クラスが提供するシグナルの一つです。このシグナルは、ユーザーがQFileDialog内で現在選択しているファイルまたはディレクトリが変更されたときに発生します。つまり、ユーザーがダイアログ内で別のファイルやフォルダをクリックしたり、キーボードで移動したりして、選択が変更されるたびにこのシグナルが発せられます。

void QFileDialog::currentUrlChanged()

Qt プログラミングにおける void QFileDialog::currentUrlChanged() は、QFileDialog クラスが提供するシグナルです。これは、ファイルダイアログ内でユーザーが選択しているファイルのURL（パス）が変更されたときに発生します。

【Qtプログラミング】QFileDialogのdefaultSuffix代替案！柔軟なファイル名制御を実現

QFileDialog::defaultSuffix は、Qtのファイルダイアログ（ファイルを開いたり保存したりする際に表示されるウィンドウ）において、ユーザーがファイル名に拡張子を入力しなかった場合に、自動的に追加されるデフォルトの拡張子を設定するためのプロパティです。

Qt フォルダ選択で困らない！QFileDialog::directory() のエラーと解決策

QFileDialog::directory() は、静的（スタティック）な関数で、ユーザーにディレクトリ（フォルダ）を選択させるための標準的なファイルダイアログを表示し、選択されたディレクトリのパスを表す QString オブジェクトを返します。もしユーザーがキャンセルした場合や、エラーが発生した場合は、空の QString が返されます。

Qtプログラミング入門: QFileDialog::directoryEntered()シグナルの徹底解説

Qtにおける void QFileDialog::directoryEntered(const QString &directory) は、QFileDialog クラスが提供するシグナルの一つです。どのようなときに発せられるか？このシグナルは、ユーザーがファイルダイアログ内でディレクトリ（フォルダ）を移動し、新しいディレクトリに入ったときに発せられます。例えば、ユーザーがファイルダイアログ上でダブルクリックしてサブフォルダを開いたり、パスを手動で入力して別のディレクトリに移動したりしたときに、このシグナルがトリガーされます。

Qt でディレクトリ選択ダイアログをカスタマイズする方法

QFileDialog::directoryUrl() は、Qt フレームワークの QFileDialog クラスのメソッドで、現在ダイアログに表示されているディレクトリの URL を取得します。具体的に何をするのか？ディレクトリ選択ダイアログの表示 QFileDialog を使って、ファイルやディレクトリを選択するためのダイアログを表示します。

QFileDialog::directoryUrlEnteredのよくあるエラーと解決策【Qt】

Qt プログラミングにおける void QFileDialog::directoryUrlEntered() は、QFileDialog クラスが提供するシグナルです。どのようなときに発生するか？このシグナルは、ユーザーが QFileDialog （ファイル選択ダイアログ）内で、新しいディレクトリの URL（Uniform Resource Locator）を入力または選択し、そのディレクトリに入ろうとしたときに発行されます。

QFileDialog::done()の深掘り：内部動作とカスタマイズのヒント

まず、QFileDialog はQtにおける標準的なファイルダイアログを提供するクラスです。これは、ユーザーがファイルを開いたり、保存したり、ディレクトリを選択したりする際に使用されるGUIコンポーネントです。done() メソッドは、QDialog クラス（QFileDialog が継承しているクラス）から継承された保護された（protected）スロットです。このメソッドは、ダイアログが閉じられる際に呼び出され、ダイアログの結果コード（Accepted または Rejected）を設定するために使用されます。

Qt QFileDialog::viewModeのよくあるエラーと解決策：表示モードが効かない時は？

viewMode が適用されない（最も一般的）

ダイアログの表示が不自然、またはクラッシュする

QFileDialog::viewMode の基本

QFileDialog::Detail (詳細表示) の例

QFileDialog::List (リスト表示) の例

QFileDialog::DontUseNativeDialog オプションの活用 (最も推奨される代替手段)

QFileDialog のサブクラス化とカスタマイズ (より高度な制御)

`QFileDialog::viewMode` の基本