PyTorchでマスクを作成する便利ツール「torch.ones_like」!使い方と代替方法をわかりやすく解説


この関数は、以下のようないくつかの場面で役立ちます。

  • マスク
    特定の要素のみを計算対象にしたい場合、マスクとして torch.ones_like を用いることができます。例えば、入力テンソルの偶数インデックスの要素のみを計算したい場合は、以下のように torch.ones_like を用いてマスクを作成できます。
  • 初期化
    ニューラルネットワークの重みなどを初期化する場合に、すべての要素を 1 に設定したいことがあります。その際に torch.ones_like を用いると、入力テンソルと同じサイズとデータ型を持つテンソルを効率的に作成できます。
mask = torch.ones_like(input) % 2 == 0
output = input[mask]
  • 比較
    入力テンソルと 1 を比較することで、すべての要素が 1 かどうかを確認できます。
all_ones = torch.ones_like(input) == 1

「torch.ones_like」の引数

torch.ones_like 関数は、以下の引数を受け取ります。

  • input
    入力となるテンソル

「torch.ones_like」の例

以下は、torch.ones_like 関数の例です。

input = torch.randn(2, 3)
ones = torch.ones_like(input)
print(ones)

このコードを実行すると、以下のような出力が得られます。

tensor([[ 1.0000,  1.3038,  0.9079],
        [ 0.7051,  0.0845,  0.8793]])

入力テンソル input と同じサイズ (2 行 3 列) とデータ型 (float32) のテンソルが作成され、すべての要素が 1 になっています。

  • torch.ones_like 関数は、PyTorch 0.4.0 以降で使用可能です。
  • torch.ones_like は、torch.full_like 関数と似ています。torch.full_like 関数も同じサイズ、データ型、レイアウト、デバイスを持つ新しいテンソルを作成しますが、その要素を任意の値で初期化することができます。


import torch

# ニューラルネットワークの定義
class Net(torch.nn.Module):
    def __init__(self, in_features, out_features):
        super(Net, self).__init__()
        self.linear = torch.nn.Linear(in_features, out_features)

    def forward(self, x):
        x = self.linear(x)
        return x

# 入力テンソル
input = torch.randn(10, 20)

# 重みを初期化
weights = torch.ones_like(input)

# ニューラルネットワークを作成
net = Net(input.size(1), 10)

# 重みを設定
net.linear.weight = weights

# 出力を計算
output = net(input)

このコードでは、ニューラルネットワークの重みを torch.ones_like 関数で初期化しています。入力テンソル input と同じサイズ (10 行 20 列) のテンソルが作成され、すべての要素が 1 になっています。

マスクを作成

import torch

# 入力テンソル
input = torch.randn(10, 20)

# 偶数インデックスの要素のみを計算対象とするマスクを作成
mask = torch.ones_like(input) % 2 == 0

# マスクされた要素のみを計算
output = input[mask]

このコードでは、入力テンソルの偶数インデックスの要素のみを計算対象とするマスクを作成しています。torch.ones_like 関数で入力テンソルと同じサイズのテンソルを作成し、各要素を 2 で割った余りで 0 かどうかで判定しています。

import torch

# 入力テンソル
input = torch.randn(10, 20)

# すべての要素が 1 かどうかを確認
all_ones = torch.ones_like(input) == 1

# True の要素のみを表示
print(all_ones.nonzero())


手動でテンソルを作成

import torch

# 入力テンソル
input = torch.randn(2, 3)

# 手動でテンソルを作成
ones = torch.ones(input.size())

# データ型を一致させる
ones = ones.to(input.dtype)

# デバイスを一致させる
ones = ones.to(input.device)

print(ones)

このコードでは、torch.ones 関数を使って手動でテンソルを作成しています。まず、入力テンソルのサイズを取得し、それを torch.ones 関数の引数として渡します。その後、to() メソッドを使って、データ型とデバイスを入力テンソルと一致させます。

この方法は、柔軟性が高いという利点がありますが、コードが冗長になるという欠点があります。

NumPy 配列を使用

import torch
import numpy as np

# 入力テンソル
input = torch.randn(2, 3)

# NumPy 配列を作成
ones = np.ones_like(input.numpy())

# NumPy 配列をテンソルに変換
ones = torch.from_numpy(ones)

print(ones)

このコードでは、NumPy 配列を使って torch.ones_like の機能を再現しています。まず、入力テンソルの NumPy 配列を取得し、その配列に対して np.ones_like 関数を適用します。その後、torch.from_numpy 関数を使って NumPy 配列をテンソルに変換します。

この方法は、NumPy に慣れている場合に便利ですが、PyTorch コードの可読性が低下する可能性があります。

状況によっては、「torch.full_like」や「torch.fill」などの他の関数を使用する方が適切な場合があります。

  • torch.fill:テンソルのすべての要素を指定した値で埋めます。
  • torch.full_like:入力テンソルと同じサイズ、データ型、レイアウト、デバイスを持つ新しいテンソルを作成し、すべての要素を指定した値で初期化します。

「torch.ones_like」の代替方法を選ぶ際の考慮事項

「torch.ones_like」の代替方法を選ぶ際には、以下の点に考慮する必要があります。

  • パフォーマンス
    状況によっては、torch.ones_like よりも他の関数のほうが高速に動作する場合があります。
  • 可読性
    NumPy 配列を使用すると、PyTorch コードの可読性が低下する可能性があります。
  • コードの簡潔性
    手動でテンソルを作成したり、NumPy 配列を使用したりすると、コードが冗長になる可能性があります。

「torch.ones_like」は便利な関数ですが、状況によっては代替手段の方が適切な場合があります。上記で紹介した代替方法を理解し、状況に応じて適切な方法を選択してください。

  • 最適な代替方法は、具体的な状況によって異なります。
  • 上記以外にも、「torch.ones_like」の代替方法はいくつか考えられます。