Pandas DataFrame の行処理で迷ったらコレ!`__iter__` メソッドと代替方法の選び方


Pandas DataFrame の __iter__ メソッドは、DataFrame の行を反復処理するためのイテレータオブジェクトを返します。つまり、DataFrame の各行を順番に処理することができます。

使い方

__iter__ メソッドは、DataFrame オブジェクトに対して直接呼び出すことができます。

import pandas as pd

# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})

# 行を反復処理
for row in df.iter():
    print(row)

上記のコードを実行すると、以下の出力が得られます。

A    B
1  4
2  5
3  6

詳細

__iter__ メソッドは、DataFrame の行インデックスを反復処理するイテレータオブジェクトを返します。つまり、各行のインデックスを使って、その行のデータにアクセスすることができます。

for index, row in df.iterrows():
    print(index, row)
0 A    B
   1  4
1 A    B
   2  5
2 A    B
   3  6

応用例

__iter__ メソッドは、DataFrame の行を処理する様々なタスクに役立ちます。例えば、以下のようなことができます。

  • 行を別のデータ構造に変換する
  • 特定の条件に合致する行を抽出する
  • 各行の値を加工する

__iter__ メソッドは、Pandas DataFrame の行を反復処理するための便利なツールです。DataFrame の行を処理する様々なタスクに活用することができます。

  • __iter__ メソッドは、DataFrame のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。大きな DataFrame を扱う場合は、iterrows() メソッドを使用することを検討してください。
  • __iter__ メソッドは、DataFrame の列を反復処理するには使用できません。列を反復処理するには、axis=1 オプションを指定して iterrows() メソッドを使用する必要があります。


import pandas as pd

# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})

# 各行の値を 2 倍にする
for row in df.iter():
    row *= 2

# 結果を表示
print(df)
    A   B
0   2   8
1   4  10
2   6  12

例 2: 特定の条件に合致する行を抽出する

この例では、__iter__ メソッドを使って、A 列の値が 2 より大きい行を抽出します。

import pandas as pd

# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})

# A 列の値が 2 より大きい行を抽出
for index, row in df.iterrows():
    if row['A'] > 2:
        print(index, row)
1 A    B
   2  5
2 A    B
   3  6

例 3: 行を別のデータ構造に変換する

この例では、__iter__ メソッドを使って、DataFrame の各行を辞書に変換します。

import pandas as pd

# データフレームを作成
df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})

# 各行を辞書に変換
rows = []
for row in df.iter():
    rows.append(row.to_dict())

# 結果を表示
print(rows)
[{'A': 1, 'B': 4}, {'A': 2, 'B': 5}, {'A': 3, 'B': 6}]

これらの例は、__iter__ メソッドを使って DataFrame の行を処理できる様々な方法を示しています。



代替方法

  • map() メソッド

    map() メソッドは、DataFrame の各要素に関数を適用することができます。

    import pandas as pd
    
    # データフレームを作成
    df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})
    
    # 各要素に lambda 関数を適用
    def f(x):
        return x * 2
    
    df = df.map(f)
    
    # 結果を表示
    print(df)
    

    この方法は、apply() メソッドよりも簡潔に書くことができ、要素レベルでの操作に適しています。

  • apply() メソッド

    apply() メソッドは、DataFrame の各行に関数を適用することができます。

    import pandas as pd
    
    # データフレームを作成
    df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})
    
    # 各行に lambda 関数を適用
    def f(row):
        return row * 2
    
    df = df.apply(f, axis=1)
    
    # 結果を表示
    print(df)
    

    この方法は、各行に対して複雑な処理を実行する場合に便利です。

  • iterrows() メソッド

    iterrows() メソッドは、DataFrame の各行をインデックスと行データのペアとしてイテレーションする最も一般的な方法です。

    import pandas as pd
    
    # データフレームを作成
    df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3], 'B': [4, 5, 6]})
    
    # 行を反復処理
    for index, row in df.iterrows():
        print(index, row)
    

    この方法は、__iter__ メソッドよりも読みやすく、行インデックスにアクセスできるという利点があります。

  • メモリ使用量
    大きな DataFrame を扱う場合は、__iter__ メソッドの方がメモリ使用量を抑えられる可能性があります。
  • パフォーマンス
    要素レベルでの操作であれば、map() メソッドが最もパフォーマンスが優れています。
  • 機能性
    各行に対して複雑な処理を実行する必要がある場合は、apply() メソッドがおすすめです。
  • シンプルさ
    読みやすく、理解しやすい方法であれば、iterrows() メソッドがおすすめです。