NumPy多次元配列「ndarray」の文字列表現「ndarray.__str__()」を徹底解説!


メソッドの役割

ndarray.__str__()メソッドは、以下の情報を文字列として返します。

  • 配列の内容
    1次元配列の場合は要素をすべて列挙し、多次元配列の場合は最初の数要素のみを表示します。
  • 配列の形状
    各次元における要素の数を示すタプル形式で表現されます。
  • 配列のデータ型
    整数、浮動小数点、複素数など、配列に格納されているデータの型を表します。

メソッドの例

以下に、ndarray.__str__()メソッドの例を示します。

import numpy as np

# 1次元配列
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])
print(a.__str__())  # 出力: "[1 2 3 4 5]"

# 2次元配列
b = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
print(b.__str__())  # 出力: "[[1 2 3]
#                      [4 5 6]
#                      [7 8 9]]"

メソッドのカスタマイズ

ndarray.__str__()メソッドは、format引数を使用してカスタマイズすることができます。この引数には、配列の内容をどのように表示するかを制御するフォーマット文字列を指定できます。詳細については、NumPyのドキュメントを参照してください。

ndarray.__str__()メソッドは、NumPyの多次元配列の内容を簡潔に表示するための便利なツールです。このメソッドを活用することで、配列を迅速かつ簡単に理解することができます。

  • 配列の内容をより詳細に表示したい場合は、np.array_repr()関数を使用することができます。
  • ndarray.__repr__()メソッドは、ndarray.__str__()メソッドと似ていますが、より詳細な情報を提供します。


import numpy as np

# 1次元配列
a = np.array([1, 2, 3, 4, 5])

# デフォルトのフォーマット
print(a.__str__())  # 出力: "[1 2 3 4 5]"

# カスタムフォーマット
print(a.__str__(format="s"))  # 出力: "(1, 2, 3, 4, 5)"

# 2次元配列
b = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])

# デフォルトのフォーマット
print(b.__str__())  # 出力: "[[1 2 3]
                      [4 5 6]
                      [7 8 9]]"

# カスタムフォーマット
print(b.__str__(format="h"))  # 出力: "[[1 2 3]
                        [4 5 6]
                        [7 8 9]]"
  • カスタムフォーマットは、format引数を使用して指定できます。この引数には、フォーマット文字列を指定することで、表示内容を制御することができます。
  • デフォルトのフォーマットは、配列のデータ型、形状、および最初の数要素を表示します。

上記の例では、以下のフォーマット文字列を使用しています。

  • "h": 配列をコンパクトな形式で表示します。
  • "s": 配列を要素のタプルとして表示します。


np.array_repr()関数

np.array_repr()関数は、ndarray.__str__()メソッドよりも詳細な情報を提供します。配列のデータ型、形状、要素、メモリレイアウトなどを表示します。

import numpy as np

a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
print(np.array_repr(a))

出力

array([[1 2 3],
       [4 5 6],
       [7 8 9]], dtype=int32)

フォーマット文字列を使用したカスタム表現

ndarray.__str__()メソッドは、format引数を使用してフォーマット文字列を指定することでカスタマイズすることができます。フォーマット文字列には、さまざまな表現形式を指定できます。

import numpy as np

a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])

# 各要素を小数点第2位まで表示
print(a.__str__(format="%.2f"))

出力

[[1.00 2.00 3.00]
 [4.00 5.00 6.00]
 [7.00 8.00 9.00]]

Pandasライブラリを使用

Pandasライブラリは、データ分析に特化したライブラリであり、NumPy配列をDataFrameに変換することで、より柔軟なデータ表現と操作が可能になります。

import pandas as pd

a = np.array([[1, 2, 3], [4, 5, 6], [7, 8, 9]])
df = pd.DataFrame(a)
print(df)

出力

    0   1   2
0  1  2  3
1  4  5  6
2  7  8  9

上記以外にも、NumPy配列を表現するためのライブラリがいくつか存在します。例えば、PrettyTableライブラリを使用すると、テーブル形式で綺麗に表示することができます。

ndarray.__str__()メソッドは便利なツールですが、状況に合わせて上記のような代替方法も検討することで、より詳細な情報や、ニーズに合った表現を得ることができます。