WKT形式からGEOMETRYCOLLECTION型オブジェクトを生成:GeomCollFromText関数徹底解説


構文

GeomCollFromText(wellknowntext)

引数

  • wellknowntext: GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトをテキスト形式で表現した文字列。Well Known Text (WKT) フォーマットで記述する必要があります。

戻り値

  • GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクト。

SELECT GeomCollFromText('GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1, 2), POINT(3, 4))');

-- 結果:
-- GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1, 2), POINT(3, 4))
  • GeomCollFromText 関数は、空間データの解析や操作を行う際に役立ちます。例えば、以下のことができます。
    • 空間データファイルから空間データを読み込む
    • 空間データの属性を更新する
    • 空間データの分析を行う
  • GeomCollFromText 関数は、WKT フォーマットで記述されたテキスト文字列を解析し、対応する GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトを生成します。
  • GeomCollFromText 関数は、MariaDB 10.2 以降で使用できます。


-- WKT形式の文字列
SET @wkt_text = 'GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1, 2), POINT(3, 4))';

-- WKT形式の文字列からGEOMETRYCOLLECTION型オブジェクトを作成
SELECT GeomCollFromText(@wkt_text);

-- 結果:
-- GEOMETRYCOLLECTION(POINT(1, 2), POINT(3, 4))

このコードでは、まず@wkt_textという変数にWKT形式の文字列を代入します。次に、GeomCollFromText関数を使用して、この文字列からGEOMETRYCOLLECTION型オブジェクトを作成し、結果をSELECT句で表示します。

このコードを応用することで、様々な空間データ処理を行うことができます。例えば、以下のことができます。

  • 空間データの分析を行う
  • 空間データの属性を更新する
  • 空間データファイルから空間データを読み込む

例1:空間データファイルから空間データを読み込む

空間データファイルを読み込み、その内容をテーブルに格納することができます。例えば、points.txtという名前のファイルにWKT形式のポイントデータが格納されている場合、以下のコードでそのデータをpointsというテーブルに格納することができます。

-- points.txtファイルからデータを読み込む
LOAD DATA LOCAL INFILE 'points.txt'
INTO TABLE points
FIELDS TERMINATED BY ','
LINES TERMINATED BY '\n'
(wkt @wkt_text);

-- pointsテーブルの内容を表示
SELECT * FROM points;

例2:空間データの属性を更新する

空間データの属性を更新することができます。例えば、pointsテーブルにあるポイントデータの座標を更新するには、以下のコードを使用することができます。

-- pointsテーブルのポイントデータの座標を更新
UPDATE points
SET geometry = GeomCollFromText(CONCAT('POINT(', x, ',', y, ')'))
WHERE point_id = 1;

例3:空間データの分析を行う

空間データの分析を行うことができます。例えば、pointsテーブルにあるポイントデータの最寄り点を計算するには、以下のコードを使用することができます。

-- pointsテーブルにあるポイントデータの最寄り点を計算
SELECT p1.point_id, p2.point_id,
       ST_Distance(p1.geometry, p2.geometry) AS distance
FROM points AS p1
JOIN points AS p2
ON p1.point_id != p2.point_id
ORDER BY distance
LIMIT 1;

これらの例はほんの一例です。GeomCollFromText関数を使用して、様々な空間データ処理を行うことができます。

  • 上記のコードは、MariaDB 10.2以降で使用できます。


代替方法

以下に、GeomCollFromText 関数の代替方法をいくつか紹介します。

  • 空間データファイルを直接読み込む
    • 空間データファイルから直接データを読み込むことで、GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトを生成することができます。
    • 空間データファイルの形式は、WKT 以外にも様々な形式があります。
    • 例:
    LOAD DATA LOCAL INFILE 'data.geojson'
    INTO TABLE data
    FORMAT = GeoJSON;
    
    SELECT geometry
    FROM data;
    
  • ST_MultiPolygonFromText 関数を使う
    • ST_MultiPolygonFromText 関数は、MULTIPOLYGON 型のオブジェクトを、テキスト形式の文字列から生成します。
    • MULTIPOLYGON 型は、複数のポリゴンで構成される空間データ型です。
    • GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトを生成するには、ST_MultiPolygonFromText 関数で生成した MULTIPOLYGON 型のオブジェクトを、ST_GeometryCollection 関数で変換する必要があります。
    • 例:
    SELECT
        ST_GeometryCollection(
            ST_MultiPolygonFromText('MULTIPOLYGON(((1, 2), (3, 4), (5, 6)))')
        )
    );
    
  • ST_GeomFromText 関数を使う
    • ST_GeomFromText 関数は、GEOMETRY 型のオブジェクトを、テキスト形式の文字列から生成します。
    • GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトを生成するには、ST_GeomFromText 関数で生成した GEOMETRY 型のオブジェクトを複数個、GEOMETRYCOLLECTION コンストラクタで結合する必要があります。
    • 例:
    SELECT
        GEOMETRYCOLLECTION(
            ST_GeomFromText('POINT(1, 2)'),
            ST_GeomFromText('POINT(3, 4)')
        )
    );
    

それぞれの方法の利点と欠点

  • 空間データファイルを直接読み込む
    • 利点:様々な形式の空間データファイルを扱える
    • 欠点:ファイルの形式によっては、読み込み処理が複雑になる
  • ST_MultiPolygonFromText 関数:
    • 利点:複数のポリゴンで構成される空間データの生成に適している
    • 欠点:GEOMETRYCOLLECTION 型のオブジェクトに変換する必要がある
  • ST_GeomFromText 関数:
    • 利点:シンプルで分かりやすい
    • 欠点:複数の GEOMETRY 型オブジェクトを結合する必要がある