【保存版】MariaDBレプリケーションスレーブの一時停止方法:STOP SLAVEコマンド徹底解説
STOP SLAVEステートメントは、MariaDBにおいてレプリケーションスレーブサーバー上で実行し、マスターサーバーからのレプリケーションを一時停止するために使用されます。レプリケーションの一時停止は、メンテナンス作業の実施や、データの整合性を確認する場合などに役立ちます。
構文
STOP SLAVE [IO_THREAD | SQL_THREAD]
オプション
- オプションを指定しない場合、I/OスレッドとSQLスレッドの両方が停止されます。
SQL_THREAD
: SQLスレッドのみを停止します。I/Oスレッドは継続して実行されます。IO_THREAD
: I/Oスレッドのみを停止します。SQLスレッドは継続して実行されます。
動作
STOP SLAVEステートメントを実行すると、以下の処理が行われます。
- レプリケーションスレッドが停止されます。
- マスターサーバーからの binlog イベントの受信が停止されます。
- レプリケーションスレーブサーバー上の relay log ファイルへの書き込みが停止されます。
注意事項
- レプリケーションを再開するには、START SLAVEステートメントを使用する必要があります。
- レプリケーションの一時停止中は、レプリケーションスレーブサーバー上でデータベースの更新を行うことは避けてください。
- STOP SLAVEステートメントを実行すると、レプリケーションスレーブサーバーとマスターサーバー間のデータの整合性が失われる可能性があります。
例
以下の例では、すべてのレプリケーションスレッドを停止します。
STOP SLAVE;
以下の例では、I/Oスレッドのみを停止します。
STOP SLAVE IO_THREAD;
STOP SLAVE;
この例では、STOP SLAVE
ステートメントのみを使用し、オプションを指定していません。その結果、I/OスレッドとSQLスレッドの両方が停止されます。
例2:I/Oスレッドのみを停止する
STOP SLAVE IO_THREAD;
この例では、STOP SLAVE
ステートメントとIO_THREAD
オプションを組み合わせて使用しています。これにより、I/Oスレッドのみが停止され、SQLスレッドは継続して実行されます。
STOP SLAVE SQL_THREAD;
- ステートメントを実行するには、MariaDBクライアントツールを使用して接続し、ステートメントを入力して実行します。
- 上記の例では、ステートメントの最後にセミコロン(;)を使用しています。これは、ステートメントを終了させるために必要な記号です。
MariaDBの「STOP SLAVE」ステートメントは、レプリケーションスレーブサーバー上でマスターサーバーからのレプリケーションを一時停止するために使用されます。しかし、状況によっては「STOP SLAVE」の代替方法の方が適切な場合があります。
代替方法
- CHANGE MASTER TO ... WITH MASTER_DELAY: このステートメントを使用すると、レプリケーションスレーブサーバーがマスターサーバーからのイベント受信を遅延させることができます。これは、レプリケーションの一時停止と似ていますが、レプリケーションスレーブサーバーが完全に停止することはありません。
CHANGE MASTER TO MASTER_HOST='<master_server_host>',
MASTER_PORT=<master_server_port>,
MASTER_USER='<replication_user>',
MASTER_PASSWORD='<replication_password>',
MASTER_LOG_FILE='<master_log_file>',
MASTER_LOG_POS=<master_log_pos>,
WITH MASTER_DELAY=<delay_in_seconds>;
- SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER: このステートメントを使用すると、レプリケーションスレーブサーバーが特定の数のマスターサーバーイベントをスキップするように指示できます。これは、レプリケーションエラーからの復旧に使用できます。
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER=<number_of_events_to_skip>;
- レプリケーションスレーブサーバーをシャットダウンする: これは最後の手段ですが、レプリケーションを完全に停止する必要がある場合は、レプリケーションスレーブサーバーをシャットダウンすることができます。ただし、シャットダウンする前に、レプリケーションスレーブサーバー上のデータが失われないように、適切なバックアップと復旧手順を講じてください。
方法 | 説明 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|---|
CHANGE MASTER TO ... WITH MASTER_DELAY | レプリケーションスレーブサーバーがマスターサーバーからのイベント受信を遅延させる | レプリケーションスレーブサーバーを完全に停止する必要がない | マスターサーバーとスレーブサーバー間の遅延時間が増大する可能性がある |
SET GLOBAL SQL_SLAVE_SKIP_COUNTER | レプリケーションスレーブサーバーが特定の数のマスターサーバーイベントをスキップするように指示する | レプリケーションエラーからの復旧に役立つ | スキップするイベントの数を正確に把握する必要がある |
レプリケーションスレーブサーバーをシャットダウンする | レプリケーションを完全に停止する | 他の方法では解決できない問題を解決できる | データ損失のリスクがある |