Sec-CH-UA-Platformと従来のUser Agent String、徹底比較!
Sec-CH-UA-Platformの構成
Sec-CH-UA-Platformヘッダーの値は、以下の2つの部分で構成されます。
- バージョン
プラットフォームのバージョンを識別します。 - プラットフォーム名
Windows、macOS、Linuxなどの主要なOSを識別します。
具体的な形式は以下の通りです。
Sec-CH-UA-Platform: <platform>; v=<version>
例
- Windows 10の場合:
Sec-CH-UA-Platform: Windows; v="10"
- macOS 12の場合:
Sec-CH-UA-Platform: macOS; v="12"
- Linux Mint 20の場合:
Sec-CH-UA-Platform: Linux; v="20"
Sec-CH-UA-Platformの利点
Sec-CH-UA-Platformを使用する利点は以下の通りです。
- セキュリティの向上
Webサーバーは、ユーザーのOSに関する情報を基に、より適切なセキュリティ対策を講じることができます。 - パフォーマンスの向上
Webサーバーは、ユーザーのOSに関する情報を事前に知ることで、より効率的なコンテンツ配信が可能になります。 - ユーザーにとって最適なコンテンツや機能の提供
Webサーバーは、ユーザーのOSに基づいて、最適化されたコンテンツや機能を提供することができます。例えば、古いバージョンのOSを使用しているユーザーには、古いバージョンのブラウザでも動作する古いバージョンのコンテンツを提供することができます。
Sec-CH-UA-Platformの注意点
Sec-CH-UA-Platformを使用する際の注意点は以下の通りです。
- 偽装の可能性
ユーザーエージェントは、Sec-CH-UA-Platformヘッダーの値を偽装することが可能です。そのため、このヘッダーの情報だけでユーザーのOSを判断することはできません。 - すべてのブラウザでサポートされているわけではない
Sec-CH-UA-Platformは比較的新しく導入されたヘッダーであり、すべてのブラウザでサポートされているわけではありません。現時点では、主要なブラウザの大部分がサポートしていますが、一部の古いブラウザではサポートされていない可能性があります。
Sec-CH-UA-Platformのプログラミング
Sec-CH-UA-Platformヘッダーをクライアント側で設定するには、以下の方法があります。
- JavaScript
JavaScriptを使用して、Sec-CH-UA-Platformヘッダーの値を動的に生成することができます。 - ブラウザの設定
一部のブラウザでは、Sec-CH-UA-Platformヘッダーを常に送信するように設定することができます。
Webサーバー側でSec-CH-UA-Platformヘッダーの値を取得するには、以下の方法があります。
- サーバー側言語
サーバー側言語を使用して、HTTPリクエストヘッダーからSec-CH-UA-Platformヘッダーの値を取得することができます。
Sec-CH-UA-Platformの例
以下の例は、JavaScriptを使用してSec-CH-UA-Platformヘッダーの値を動的に生成し、それをHTTPリクエストに設定する方法を示しています。
const navigator = window.navigator;
const platform = navigator.platform;
const platformVersion = navigator.platformVersion;
const secCHUAPlatformHeader = `Sec-CH-UA-Platform: ${platform}; v=${platformVersion}`;
const xhr = new XMLHttpRequest();
xhr.open('GET', 'https://example.com/');
xhr.setRequestHeader('Sec-CH-UA-Platform', secCHUAPlatformHeader);
xhr.send();
この例では、navigator.platform
プロパティを使用してプラットフォーム名を取得し、navigator.platformVersion
プロパティを使用してプラットフォームバージョンを取得しています。その後、これらの値を使用してSec-CH-UA-Platformヘッダーの値を生成し、それをHTTPリクエストに設定しています。
Sec-CH-UA-Platformは、Webサーバーに対してユーザーエージェントが動作しているプラットフォームに関する情報を提供するHTTPヘッダーです。このヘッダーを使用することで、Webサーバーはユーザーにとって最適なコンテンツや機能を提供することができます。
JavaScript で Sec-CH-UA-Platform ヘッダーを生成する
この例では、JavaScript を使用して navigator.platform
と navigator.platformVersion
プロパティからプラットフォーム情報とバージョンを取得し、Sec-CH-UA-Platform ヘッダー値を生成します。そして、生成したヘッダー値を fetch
API を使用して送信されるリクエストに設定します。
async function fetchWithCHUAPlatform() {
const platform = navigator.platform;
const platformVersion = navigator.platformVersion;
const headers = new Headers();
headers.append('Sec-CH-UA-Platform', `${platform}; v=${platformVersion}`);
const response = await fetch('https://example.org', { headers });
// レスポンスを処理
}
fetchWithCHUAPlatform();
サーバー側で Sec-CH-UA-Platform ヘッダーを取得する
この例では、Go言語で Express フレームワークを使用して、リクエストヘッダーから Sec-CH-UA-Platform ヘッダー値を取得する方法を示します。
package main
import (
"fmt"
"net/http"
)
func main() {
http.HandleFunc("/", func(w http.ResponseWriter, r *http.Request) {
platform := r.Header.Get("Sec-CH-UA-Platform")
if platform != "" {
fmt.Fprintf(w, "Sec-CH-UA-Platform: %s\n", platform)
}
})
http.ListenAndServe(":8080", nil)
}
このコードは、/
エンドポイントへのリクエストに対して、Sec-CH-UA-Platform ヘッダー値をコンソールに出力します。
ブラウザの設定で Sec-CH-UA-Platform ヘッダーを常に送信する
一部のブラウザでは、開発者ツールを使用して、Sec-CH-UA-Platform ヘッダーを常に送信するように設定することができます。
Firefox の場合
- Firefox を開き、
about:config
ページにアクセスします。 - フィルターボックスに
network.http.client.headers.Sec-CH-UA-Platform
と入力します。 - 検索結果にある
network.http.client.headers.Sec-CH-UA-Platform
設定をダブルクリックします。 - 値を
true
に設定します。 - Firefox を再起動します。
Chrome の場合
- Chrome を開き、
chrome://flags
ページにアクセスします。 - 検索ボックスに
Sec-CH-UA-Platform
と入力します。 #flag_sec-ch-ua-platform
フラグを見つけ、ドロップダウンメニューからEnabled
を選択します。- Chrome を再起動します。
- ユーザーエージェントは Sec-CH-UA-Platform ヘッダー値を偽装することができるため、このヘッダーの情報だけでユーザーの OS を判断することはできません。
- Sec-CH-UA-Platform ヘッダーは比較的新しく導入されたヘッダーであり、すべてのブラウザでサポートされているわけではありません。
- 上記のコードはあくまで例であり、状況に合わせて変更する必要があります。
代替手段として考えられるもの
- ブラウザの種類、バージョン、レンダリングエンジンなどの情報を提供します。
- Sec-CH-UA-Platform よりも詳細な情報を提供できますが、すべてのブラウザでサポートされているわけではありません。
- 取得には JavaScript が必要です。
User Agent String
- ブラウザ、OS、デバイスに関する情報を提供します。
- 最も古くから使用されている方法ですが、情報が古かったり不正確だったりすることがあり、プライバシー上の問題も懸念されています。
Feature Detection
- ブラウザが特定の機能をサポートしているかどうかを判断します。
- 個々の機能ごとに判定が必要になるため、煩雑になる可能性があります。
各代替手段の比較
代替手段 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
User-Agent Client Hints | 詳細な情報提供 | サポート状況が限定、JavaScript required |
User Agent String | 広いサポート範囲 | 情報の古さ、不正確さ、プライバシー問題 |
Feature Detection | 個別の機能判定が可能 | 判定の煩雑さ |
Sec-CH-UA-Platform からの移行
Sec-CH-UA-Platform からの移行は、段階的に進める必要があります。
- 現状の把握
現在の Web サイトが Sec-CH-UA-Platform をどのように使用しているかを把握します。 - 代替手段の評価
上記の代替手段を評価し、Web サイトに最適なものを選択します。 - 段階的な移行
新しいヘッダーへの移行を段階的に行い、古いヘッダーとの互換性を維持します。 - テストと監視
移行後も、Web サイトが正しく動作していることをテストし、監視します。