プログラミング初心者でも安心!ESLintの"id-length"ルールでコードをもっと読みやすく


オプション

このルールには、2 つのオプションがあります。

  • max: 最大長を指定します (デフォルト: 無限大)
  • min: 最小長を指定します (デフォルト: 2)

これらのオプションを組み合わせて、許可される識別子の長さを範囲に制限できます。

以下の例は、min オプションを使用して、すべての識別子を少なくとも 4 文字にすることを示しています。

{
  "rules": {
    "id-length": ["error", { "min": 4 }]
  }
}

この設定では、次のコードは無効になります。

var i = 1;
function func() {
  console.log("Hello");
}

一方、次のコードは有効になります。

var longVariableName = 1;
function longFunctionName() {
  console.log("Hello");
}

例外

id-length ルールには、例外を指定するためのオプションもあります。

  • exceptionPatterns: 正規表現を使用して、例外となる識別子のパターンを指定できます。
  • exceptions: 特定の識別子をこのルールから除外するパターンを指定できます。

プラグイン

eslint-plugin-var-length のようなプラグインを使用すると、id-length ルールをより詳細に制御できます。これらのプラグインは、スコープや識別子の種類に基づいて異なる長さ要件を定義することができます。

利点

id-length ルールを使用する利点は次のとおりです。

  • バグの削減: 識別子の長さを制限することで、誤った識別子の使用によるバグを防ぐことができます。
  • 保守性の向上: 一貫した命名規則を使用すると、コードを保守しやすくなります。
  • 可読性の向上: 長い名前は、コードを読みやすく理解しやすくなります。

注意点

id-length ルールを使用する際には、次の点に注意する必要があります。

  • 可読性とのバランス: 識別子を長くしすぎると、逆に可読性が低下する可能性があります。適切な長さに設定することが重要です。
  • 開発者間の合意: 識別子の長さに一貫した規則を設けるためには、チーム内の開発者間で合意を得ることが重要です。
  • 既存のコードとの互換性: 既存のコードベースにこのルールを適用すると、多くのエラーが発生する可能性があります。徐々にルールを導入し、例外を適切に設定することが重要です。

id-length ルールは、変数名の長さの管理に役立つ強力なツールです。可読性とコード保守性を向上させるために、適切に設定することをお勧めします。



最小長の設定

// .eslintrc.json
{
  "rules": {
    "id-length": ["error", { "min": 4 }]
  }
}

この設定で有効なコード:

const longVariableName = 1234; // 4文字以上なので有効
function longFunctionName() {
  console.log("Hello");
} // 4文字以上なので有効
const i = 1; // 2文字なので無効
function func() {
  console.log("Hello");
} // 4文字未満なので無効

最大長の設定

以下のコードは、id-length ルールを使用して、すべての識別子の長さを 10 文字以内 にすることを示しています。

// .eslintrc.json
{
  "rules": {
    "id-length": ["error", { "max": 10 }]
  }
}
const shortVariable = 1; // 10文字以内なので有効
function shortFunction() {
  console.log("Hello");
} // 10文字以内なので有効
const veryLongVariableName = 1234567890; // 11文字なので無効
function extremelyLongFunctionName() {
  console.log("Hello");
} // 21文字なので無効

例外の設定

以下のコードは、id-length ルールを使用して、ij という名前の変数を このルールから除外 することを示しています。

// .eslintrc.json
{
  "rules": {
    "id-length": ["error", { "min": 4, "exceptions": ["i", "j"] }]
  }
}
const i = 1; // 2文字だけど、例外なので有効
const j = 2; // 2文字だけど、例外なので有効
const longVariableName = 1234; // 4文字以上なので有効
function longFunctionName() {
  console.log("Hello");
} // 4文字以上なので有効

eslint-plugin-var-length プラグインを使用すると、id-length ルールをより詳細に制御できます。

以下の例は、このプラグインを使用して、スコープに応じて異なる最小長を定義する方法を示しています。

// .eslintrc.json
{
  "plugins": ["eslint-plugin-var-length"],
  "rules": {
    "var-length/vars": ["error", { "min": 2 }],
    "var-length/functions": ["error", { "min": 3 }]
  }
}

この設定では、変数は 2 文字以上 である必要があり、関数は 3 文字以上 である必要があります。

これらの例は、id-length ルールとプラグインを使用して、コードの可読性と保守性を向上させる方法を示しています。

  • テストコードの識別子に対して異なるルールを定義できます。
  • 特定の接頭辞または接尾辞を持つ識別子のみを対象とするパターンを使用できます。


代替手段

  1. 命名規則

    チーム内で命名規則を策定し、識別子の命名方法を統一することで、id-length ルールよりも柔軟かつ詳細な制御が可能になります。命名規則には、長さだけでなく、プレフィックス、サフィックス、大文字小文字の使い方などを含めることができます。

  2. コードレビュー

    コードレビュープロセスにおいて、識別子の長さについてレビュー担当者がチェックすることで、ルールに頼らず可読性と一貫性を担保することができます。レビュー担当者は、長い名前が不必要に冗長でないか、短い名前が意味を明確に伝えているかを判断することができます。

  3. ツール

    SonarQube や CodeClimate などの静的解析ツールは、コードの長さや複雑さを分析し、潜在的な問題を特定するのに役立ちます。これらのツールは、id-length ルールよりも包括的な分析を提供し、コードベース全体における命名慣行の改善を支援することができます。

いつ代替手段を検討すべきか

  • 既存のコードベースを扱う場合: 既存のコードベースに id-length ルールを適用すると、多くのエラーが発生する可能性があります。その場合は、命名規則の策定やコードレビューの方が現実的なアプローチとなるでしょう。
  • 柔軟性がが必要な場合: すべての識別子が同じ長さにである必要がない場合は、コードレビューやツールによる分析の方が適切な場合があります。
  • 複雑な命名規則が必要な場合: id-length ルールよりも詳細な制御が必要な場合は、命名規則を策定することを検討してください。

チーム内で以下の命名規則を策定した場合、id-length ルールよりも詳細な制御が可能になります。

  • 定数はすべて大文字で記述する
  • プライベート変数はアンダースコア接頭辞をつける
  • 関数はパスカルケースで記述する
  • 変数はキャメルケースで記述する

この命名規則により、識別子の長さだけでなく、命名規則の一貫性も担保することができます。

id-length ルールは、変数名の長さの規則を定める有効なツールですが、状況によっては代替手段の方が適切な場合があります。命名規則、コードレビュー、ツールなどを活用することで、より柔軟かつ詳細な制御が可能になります。