テンプレートをもっと自由に!Djangoテンプレートオーバーライドのすべて
テンプレートの検索順序
Django は、テンプレートを特定の規則に従って検索します。この順序を知ることで、どのテンプレートが優先的に読み込まれるのか理解しやすくなります。
- TEMPLATE_DIRS 設定
settings.py
で定義されたTEMPLATE_DIRS
ディレクトリ。 - アプリのテンプレート
各 Django アプリのtemplates
ディレクトリ。 - Django の標準テンプレート
Django のソースコードにあるdjango/contrib/admin/templates
ディレクトリ。
基本的なオーバーライド
テンプレートをオーバーライドするには、以下の手順に従います。
- オーバーライドしたいテンプレートを特定する
どのテンプレートを置き換えたいのかを明確にします。例えば、特定のアプリのデフォルトテンプレートや、Django 管理画面のテンプレートなどが対象となります。 - 新しいテンプレートを作成する
置き換えるテンプレートと同じ名前で、templates
ディレクトリに新しいテンプレートを作成します。アプリディレクトリ内にtemplates
ディレクトリが存在しない場合は、作成する必要があります。 - 継承とブロック
既存のテンプレートの機能を継承するために、{% extends "original_template_name.html" %}
をテンプレートの先頭に記述します。{% block content %}
と{% endblock %}
を使用して、置き換えたい部分や追加したい部分を定義します。
以下に、テンプレートオーバーライドの具体的な例を示します。
- Django 管理画面のカスタマイズ
Django 管理画面の外観や機能をカスタマイズしたい場合にも、テンプレートオーバーライドを使用できます。 - アプリ固有のテンプレート
特定のアプリに固有のデザインや機能を持つテンプレートを作成したい場合に役立ちます。 - ベーステンプレートと子テンプレート
共通レイアウトを持つ様々なページを作成する場合、ベーステンプレートと子テンプレートを使用します。ベーステンプレートにはヘッダーやフッターなどの共通レイアウトを定義し、子テンプレートではメインコンテンツのみを定義します。
ベーステンプレートと子テンプレート
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>My Django Project</title>
</head>
<body>
<header>
<h1>My Django Project</h1>
</header>
{% block content %}{% endblock %}
<footer>
<p>© 2024 My Company</p>
</footer>
</body>
</html>
子テンプレート (index.html)
{% extends "base.html" %}
{% block content %}
<h2>Welcome to My Django Project</h2>
<p>This is the main content of the page.</p>
{% endblock %}
この例では、base.html
がベーステンプレートとなり、index.html
が子テンプレートとなります。base.html
はヘッダーとフッターを定義し、index.html
はメインコンテンツのみを定義します。
アプリ固有テンプレート
アプリのテンプレート (myapp/templates/myapp/detail.html)
{% extends "base.html" %}
{% block content %}
<h2>Product Detail</h2>
<p>{{ product.name }}</p>
<p>{{ product.description }}</p>
<p>{{ product.price }}</p>
{% endblock %}
この例では、myapp
アプリに detail.html
というテンプレートを作成しています。このテンプレートは base.html
を継承し、商品詳細ページのコンテンツを定義しています。
管理画面テンプレート (admin/base_admin.html)
{% extends "admin/base.html" %}
{% block branding %}
<a href="/">My Django Project</a>
{% endblock %}
{% block user_menu %}
<a href="/logout/">Logout</a>
{% endblock %}
この例では、Django 管理画面のベーステンプレート (admin/base.html
) をオーバーライドし、ヘッダーとユーザーメニューをカスタマイズしています。
カスタムテンプレートタグ
複雑なテンプレートロジックを実装する必要がある場合、カスタムテンプレートタグを作成することができます。これは、テンプレートをより読みやすく、保守しやすくすることができます。
例:
from django.template import Library
register = Library()
@register.simple_tag
def my_custom_tag(product):
"""
製品の詳細情報を表示するカスタムテンプレートタグ
"""
return f"""
<h2>{product.name}</h2>
<p>{product.description}</p>
<p>{product.price}</p>
"""
テンプレート側でこのタグを使用する場合は、以下のように記述します。
{% my_custom_tag product %}
フロントエンドフレームワーク
JavaScript のフロントエンドフレームワークを使用すると、テンプレートを完全にレンダリングおよび制御することができます。これは、複雑なインタラクティブな UI を作成する場合に役立ちます。
例:
- Angular
- Vue.js
- React
これらのフレームワークは、Django と連携して使用することができます。
テンプレートエンジンを別のものに変更
Django は Jinja2 テンプレートエンジンをデフォルトで使用していますが、他のテンプレートエンジンに変更することもできます。
例:
- Twig
- Mako
それぞれのテンプレートエンジンには、独自の機能と利点があります。
代替方法を選択する際には、以下の点に注意する必要があります。
- パフォーマンス
フロントエンドフレームワークは、追加のオーバーヘッドが発生する可能性があります。 - 保守性
複雑なテンプレートロジックは、保守が困難になる可能性があります。 - 複雑性
カスタムテンプレートタグやフロントエンドフレームワークは、標準的なテンプレートオーバーライドよりも複雑になる可能性があります。