テンプレートをもっと自由に!Djangoテンプレートオーバーライドのすべて


テンプレートの検索順序

Django は、テンプレートを特定の規則に従って検索します。この順序を知ることで、どのテンプレートが優先的に読み込まれるのか理解しやすくなります。

  1. TEMPLATE_DIRS 設定
    settings.py で定義された TEMPLATE_DIRS ディレクトリ。
  2. アプリのテンプレート
    各 Django アプリの templates ディレクトリ。
  3. Django の標準テンプレート
    Django のソースコードにある django/contrib/admin/templates ディレクトリ。

基本的なオーバーライド

テンプレートをオーバーライドするには、以下の手順に従います。

  1. オーバーライドしたいテンプレートを特定する
    どのテンプレートを置き換えたいのかを明確にします。例えば、特定のアプリのデフォルトテンプレートや、Django 管理画面のテンプレートなどが対象となります。
  2. 新しいテンプレートを作成する
    置き換えるテンプレートと同じ名前で、templates ディレクトリに新しいテンプレートを作成します。アプリディレクトリ内に templates ディレクトリが存在しない場合は、作成する必要があります。
  3. 継承とブロック
    既存のテンプレートの機能を継承するために、{% extends "original_template_name.html" %} をテンプレートの先頭に記述します。{% block content %}{% endblock %} を使用して、置き換えたい部分や追加したい部分を定義します。

以下に、テンプレートオーバーライドの具体的な例を示します。

  • Django 管理画面のカスタマイズ
    Django 管理画面の外観や機能をカスタマイズしたい場合にも、テンプレートオーバーライドを使用できます。
  • アプリ固有のテンプレート
    特定のアプリに固有のデザインや機能を持つテンプレートを作成したい場合に役立ちます。
  • ベーステンプレートと子テンプレート
    共通レイアウトを持つ様々なページを作成する場合、ベーステンプレートと子テンプレートを使用します。ベーステンプレートにはヘッダーやフッターなどの共通レイアウトを定義し、子テンプレートではメインコンテンツのみを定義します。


ベーステンプレートと子テンプレート

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>My Django Project</title>
</head>
<body>
  <header>
    <h1>My Django Project</h1>
  </header>

  {% block content %}{% endblock %}

  <footer>
    <p>&copy; 2024 My Company</p>
  </footer>
</body>
</html>

子テンプレート (index.html)

{% extends "base.html" %}

{% block content %}
  <h2>Welcome to My Django Project</h2>
  <p>This is the main content of the page.</p>
{% endblock %}

この例では、base.html がベーステンプレートとなり、index.html が子テンプレートとなります。base.html はヘッダーとフッターを定義し、index.html はメインコンテンツのみを定義します。

アプリ固有テンプレート

アプリのテンプレート (myapp/templates/myapp/detail.html)

{% extends "base.html" %}

{% block content %}
  <h2>Product Detail</h2>
  <p>{{ product.name }}</p>
  <p>{{ product.description }}</p>
  <p>{{ product.price }}</p>
{% endblock %}

この例では、myapp アプリに detail.html というテンプレートを作成しています。このテンプレートは base.html を継承し、商品詳細ページのコンテンツを定義しています。

管理画面テンプレート (admin/base_admin.html)

{% extends "admin/base.html" %}

{% block branding %}
  <a href="/">My Django Project</a>
{% endblock %}

{% block user_menu %}
  <a href="/logout/">Logout</a>
{% endblock %}

この例では、Django 管理画面のベーステンプレート (admin/base.html) をオーバーライドし、ヘッダーとユーザーメニューをカスタマイズしています。



カスタムテンプレートタグ

複雑なテンプレートロジックを実装する必要がある場合、カスタムテンプレートタグを作成することができます。これは、テンプレートをより読みやすく、保守しやすくすることができます。

例:

from django.template import Library

register = Library()

@register.simple_tag
def my_custom_tag(product):
  """
  製品の詳細情報を表示するカスタムテンプレートタグ
  """
  return f"""
    <h2>{product.name}</h2>
    <p>{product.description}</p>
    <p>{product.price}</p>
  """

テンプレート側でこのタグを使用する場合は、以下のように記述します。

{% my_custom_tag product %}

フロントエンドフレームワーク

JavaScript のフロントエンドフレームワークを使用すると、テンプレートを完全にレンダリングおよび制御することができます。これは、複雑なインタラクティブな UI を作成する場合に役立ちます。

例:

  • Angular
  • Vue.js
  • React

これらのフレームワークは、Django と連携して使用することができます。

テンプレートエンジンを別のものに変更

Django は Jinja2 テンプレートエンジンをデフォルトで使用していますが、他のテンプレートエンジンに変更することもできます。

例:

  • Twig
  • Mako

それぞれのテンプレートエンジンには、独自の機能と利点があります。

代替方法を選択する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • パフォーマンス
    フロントエンドフレームワークは、追加のオーバーヘッドが発生する可能性があります。
  • 保守性
    複雑なテンプレートロジックは、保守が困難になる可能性があります。
  • 複雑性
    カスタムテンプレートタグやフロントエンドフレームワークは、標準的なテンプレートオーバーライドよりも複雑になる可能性があります。