C言語で「Date and time」を理解する:mktime 関数の詳細解説


mktime 関数の基本構成

#include <time.h>

time_t mktime(struct tm *timeptr);

引数

  • timeptr: 変換対象となる tm 構造体へのポインタ

戻り値

  • 失敗の場合:-1
  • 成功の場合:エポックからの経過秒数 (time_t 型)

tm 構造体

tm 構造体は、以下のメンバ変数で構成されます。

struct tm {
  int tm_sec;   /* 秒 */
  int tm_min;   /* 分 */
  int tm_hour;  /* 時 */
  int tm_mday;  /* 月の日 */
  int tm_mon;   /* 月 (0 から始まる) */
  int tm_year;  /* 年 (1900 年からの経過年数) */
  int tm_wday;  /* 曜日 (0 = 日曜日、1 = 月曜日、...) */
  int tm_yday;  /* 年始からの経過日数 */
  int tm_isdst; /* 夏時間フラグ (0 = 標準時、1 = 夏時間) */
};

処理内容

  1. timeptr で指される tm 構造体の各メンバ変数に基づいて、指定された日時を内部的に表現します。
  2. 表現された日時を、エポックからの経過秒数に変換します。
  3. 変換結果を time_t 型として返します。

エラー処理

  • 例えば、tm_mon が -1 または 11 を超える値、tm_mday が 0 またはその月の最大値を超える値などです。
  • tm 構造体のメンバ変数の値が有効範囲外の場合、mktime 関数は -1 を返し、エラーが発生します。

夏時間への対応

  • 適切な値を設定しないと、誤った変換結果が生じる可能性があります。
  • 具体的な値はシステムによって異なる場合があります。
  • tm_isdst に 0 を設定すると標準時、1 以上を設定すると夏時間として処理されます。
  • tm_isdst メンバ変数を使用して、夏時間かどうかを考慮することができます。

mktime 関数の使用例

#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main() {
  struct tm timeinfo;

  // 各メンバ変数に具体的な値を設定
  timeinfo.tm_sec = 30;
  timeinfo.tm_min = 45;
  timeinfo.tm_hour = 12;
  timeinfo.tm_mday = 15;
  timeinfo.tm_mon = 5;  // 6 月 (0 から始まることに注意)
  timeinfo.tm_year = 2024;
  timeinfo.tm_wday = 2;  // 火曜日
  timeinfo.tm_yday = 165;  // 年始からの経過日数
  timeinfo.tm_isdst = 1;  // 夏時間

  // mktime 関数で変換
  time_t epoch_time = mktime(&timeinfo);

  if (epoch_time == -1) {
    printf("変換に失敗しました。\n");
  } else {
    printf("エポックからの経過秒数: %ld\n", epoch_time);
  }

  return 0;
}

この例では、2024年6月15日 12時45分30秒 (夏時間) の時刻を time_t 型に変換しています。

  • より新しい規格である strftimestrptime 関数と組み合わせて使用
  • ただし、2038年問題などの将来的な問題が発生する可能性も指摘されています。
  • mktime 関数は、標準時と夏時間の区別を考慮した変換を行うため、時差が発生する地域での処理に適しています。


#include <stdio.h>
#include <time.h>

int main() {
  struct tm timeinfo;
  time_t epoch_time;
  char buf[32];

  // 各メンバ変数に具体的な値を設定
  timeinfo.tm_sec = 30;
  timeinfo.tm_min = 45;
  timeinfo.tm_hour = 12;
  timeinfo.tm_mday = 15;
  timeinfo.tm_mon = 5;  // 6 月 (0 から始まることに注意)
  timeinfo.tm_year = 2024;
  timeinfo.tm_wday = 2;  // 火曜日
  timeinfo.tm_yday = 165;  // 年始からの経過日数
  timeinfo.tm_isdst = 1;  // 夏時間

  // mktime 関数で変換
  epoch_time = mktime(&timeinfo);

  if (epoch_time == -1) {
    printf("変換に失敗しました。\n");
    return 1;
  }

  // asctime 関数で文字列に変換
  strftime(buf, sizeof(buf), "%c", &timeinfo);

  printf("変換された時刻: %s\n", buf);

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

変換された時刻: Sat Jun 15 12:45:30 2024

この例では、asctime 関数を使用して、変換結果をフォーマットされた文字列に変換しています。asctime 関数の書式は自由に変更できますので、必要に応じてカスタマイズしてください。

  • 現在の時刻を time_t 型に変換する
  • 指定された日付の曜日を取得する
  • 特定の日付から経過した秒数を取得する


timegm 関数

  • このため、夏時間などの影響を受けずに、正確なエポック秒数を取得したい場合に適しています。
  • 具体的には、tm 構造体の tm_isdst メンバ変数の値を考慮せず、システム設定に基づいた時差を適用します。
  • timegm 関数は mktime 関数と類似していますが、時差を考慮して変換を行います。
#include <time.h>

time_t timegm(struct tm *timeptr);

calctime 関数

  • strftime 関数と組み合わせて使用することで、より柔軟な日付形式での変換が可能になります。
  • calctime 関数は、struct tm 構造体と日付文字列 (char *format) を引数として、エポック秒数を取得します。
#include <time.h>

time_t calctime(struct tm *timeptr, char *format);

手動計算

  • 複雑な処理になりますが、より詳細な制御や、特定のニーズに合わせた変換を実現できます。
  • 個別の年月日時情報からエポック秒数を手動で計算することも可能です。

ライブラリの利用

  • 標準ライブラリよりも高度な機能や、より使い勝手の良いインターフェースを提供している場合があり、特定の状況で役立ちます。
  • Boost C++ Libraries や DateTimeFormatter など、様々なライブラリが提供する時間処理機能を活用する方法もあります。

適切な方法の選択

  • 以下の点を考慮して選択するのがおすすめです。

    • 精度: 時差を考慮する必要があるかどうか
    • 柔軟性: 必要な日付形式に対応しているかどうか
    • 処理速度: 必要なパフォーマンスを満たしているかどうか
    • 簡便性: コードの理解しやすさや書きやすさ
  • 上記の代替方法はそれぞれ異なる特性を持つため、状況に応じて適切な方法を選択する必要があります。

  • 現在の時刻を time_t 型に変換したい場合は、time 関数が簡便です。
  • 指定された日付の曜日を取得したい場合は、mktime 関数と組み合わせて strftime 関数を使用するのが一般的です。
  • 特定の日付から経過した秒数を取得したい場合は、timegm 関数が適しています。