フォント選びに迷ったらコレ！ QFont::StyleHint で Qt GUI アプリ開発をもっと快適に

2024-11-07

QFont::StyleHint は、Qt GUI でフォントファミリーを指定する際に、フォントマッチングアルゴリズムにヒントを与えるために使用される列挙型です。このヒントは、要求されたフォントファミリーが利用できない場合に、代替フォントファミリーを選択する際に役立ちます。

列挙体の値

QFont::StyleHint には、以下の値が定義されています。

Symbol
シンボルフォントを優先します.
TypeWriter
タイプライターフォントを優先します.
Cursive
手書きフォントを優先します.
Fixed
等幅フォントを優先します。
Serif
セリフフォントを優先します。
SansSerif
サンセリフフォントを優先します。
AnyStyle
デフォルト値です。フォントマッチングアルゴリズムに任意のフォントファミリーを選択させます。

例

以下のコードは、"Arial" フォントを要求しますが、"Arial" フォントが利用できない場合は、サンセリフフォントを選択するように設定します。

QFont font;
font.setStyleHint(QFont::SansSerif);
font.setFamily("Arial");

QFont::StyleHint と併せて、QFont::StyleStrategy を使用することで、フォントマッチングアルゴリズムの動作をさらに制御することができます。
QFont::StyleHint は、フォントマッチングアルゴリズムに単なるヒントを与えるものであり、必ずしも要求されたスタイルのフォントが選択されるとは限りません。

例 1: サンセリフフォントを選択する

#include <QApplication>
#include <QLabel>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label;
  label.setText("Qt GUI でフォントを選択する");

  // サンセリフフォントを選択
  QFont font;
  font.setStyleHint(QFont::SansSerif);
  font.setPointSize(16);
  label.setFont(font);

  label.show();

  return app.exec();
}

このコードを実行すると、"Qt GUI でフォントを選択する" というテキストがラベルにサンセリフフォントで表示されます。

例 2: セリフフォントと等幅フォントを選択する

#include <QApplication>
#include <QLabel>
#include <QComboBox>

int main(int argc, char *argv[]) {
  QApplication app(argc, argv);

  QLabel label;
  label.setText("フォントスタイルを選択してください:");

  QComboBox comboBox;
  comboBox.addItem("サンセリフ");
  comboBox.addItem("セリフ");
  comboBox.addItem("等幅");

  QObject::connect(&comboBox, SIGNAL(currentIndexChanged(int)), &label, SLOT(updateFont(int)));

  label.show();
  comboBox.show();

  return app.exec();
}

void QLabel::updateFont(int index) {
  QFont font;

  switch (index) {
    case 0:
      font.setStyleHint(QFont::SansSerif);
      break;
    case 1:
      font.setStyleHint(QFont::Serif);
      break;
    case 2:
      font.setStyleHint(QFont::Fixed);
      break;
  }

  font.setPointSize(16);
  setFont(font);
}

このコードを実行すると、"フォントスタイルを選択してください:" というテキストがラベルに表示され、ドロップダウンリストからフォントスタイルを選択することができます。選択されたスタイルに応じて、ラベルのテキストフォントが変更されます。

説明

これらの例では、QFont::setStyleHint() メソッドを使用して、フォントスタイルのヒントを設定しています。また、QFont::setPointSize() メソッドを使用して、フォントサイズを設定しています。

QFont::setStyleHint() メソッドは、QFont オブジェクトに対して呼び出されます。引数として、QFont::StyleHint 列挙体の値を渡します。

QFont::setPointSize() メソッドは、QFont オブジェクトに対して呼び出されます。引数として、ポイント単位のフォントサイズを渡します。

代替方法

QFont::StyleHint の代替方法として、以下の方法が考えられます。

QFont::resolve() メソッドを使用する
QFont::resolve() メソッドは、指定されたフォント名に基づいて、利用可能なフォントオブジェクトを返します。このメソッドを使用して、フォントファミリーを明示的に指定することができます。

QFont font = QFont::resolve("Arial");

QFontDatabase::standardFont() メソッドを使用する
QFontDatabase::standardFont() メソッドは、標準的なフォントオブジェクトを返します。このメソッドを使用して、FixedFont、SystemFont、MonospaceFont などの標準フォントを取得することができます。

QFont font = QFontDatabase::standardFont(QFontDatabase::FixedFont);

QFont::family() メソッドと QFont::setStyle() メソッドを使用する
QFont::family() メソッドは、フォントファミリーを取得します。QFont::setStyle() メソッドは、フォントスタイルを設定します。これらのメソッドを組み合わせて、フォントファミリーとスタイルを明示的に指定することができます。

QFont font;
font.setFamily("Arial");
font.setStyle(QFont::Style::SansSerif);

それぞれの方法の利点と欠点

QFont::family() と QFont::setStyle()
利点は、フォントファミリーとスタイルを完全に制御できることです。欠点は、コードが冗長になる可能性があることです。
QFontDatabase::standardFont()
利点は、標準的なフォントを簡単に取得できることです。欠点は、利用可能な標準フォントの種類が限られていることです。
QFont::resolve()
利点は、フォントファミリーを明示的に指定できることです。欠点は、指定されたフォントが利用できない場合、代替フォントが選択されない可能性があることです。
QFont::StyleHint
利点は、シンプルで使いやすいことです。欠点は、常に希望する結果が得られるとは限らないことです。

QFont::StyleHint は、Qt GUI でフォントファミリーを指定するための便利な方法ですが、状況によっては、他の方法の方が適切な場合があります。上記で紹介した代替方法を検討し、要件に合った方法を選択してください。